『ハミルトン』に登場する、ラファイエットとはどんな人?

あきかん

こんにちは!

ミュージカル考察ブロガー、あきかん(@performingart2)です。

ミュージカル『ハミルトン(Hamilton)』より “Alexander Hamilton” の英語歌詞を見てみると、ラファイエット(Marquis de La Fayette)が “We fought with him(俺たちは共に戦った)” と歌っていることが分かります。

今回は、ラファイエットがどのような人物かを紹介しますよ。

ラファイエットはフランス人貴族

父親が七年戦争で戦死し反英感情があったこともあり、義勇兵として自費でアメリカへ渡り、ヨークタウンの戦いでは重要な役割を果たしました

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 “Marquis” の意味

まずどういう人物かを知る前に、名前に注目してみましょう。彼の名前って実はとーっても長いんです。

正式にはMarie-Joseph Paul Yves Roch Gilbert du Motier, Marquis de Lafayette(ラファイエット侯爵マリー=ジョゼフ・ポール・イヴ・ロシュ・ジルベール・デュ・モティエ)なんですね(笑)。

『ハミルトン(Hamilton)』の中では “Lafayette” もしくは “Marquis de Lafayette” としか書かれていなかったので、こんなに長い名前とは知りませんでした。

その長い名前の中に隠れている単語 “Marquis(マークィス)” とは「侯爵」のことで、彼は貴族だったということが分かります。

「男爵」「侯爵」「公爵」「伯爵」など、映画や小説などでよく見かけますが、実際のどのような区別があるかが分からないですよね。

私もよく分からなかったのですが、調べてみたところ貴族の称号の順序で、侯爵は上から2番目だと分かりました。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

何故、アメリカ独立戦争に関わったのか

さて、彼は名前からも分かる通りラファイエットはフランス人

フランスの軍人であり、政治家でもあった彼は歴史上で重要な人物となりました。

『ハミルトン(Hamilton)』に関係する彼の活躍は、以下が挙げられます。

・ アメリカ独立戦争

・ ヨークタウンの戦い

Yorktown (The World Turned Upside Down) ” の歌詞にもある通り、ヨークタウンの戦いは1781年に起こったもので、アメリカ独立戦争を決定付けたのですが、ずっと気になっていたことがあるんです。

ラファイエットってフランス人なのに、どうしてアメリカ独立戦争に加わったのでしょうか

その理由は、次のように説明されていました。

彼は14歳で軍隊に入隊し、16歳で、2歳年下の貴族(公爵)の娘と結婚した。1776年、アメリカ独立戦争が勃発すると、支援を求めて来仏したベンジャミン・フランクリンに会ってその考えに共鳴し、周囲の反対を押し切って自費を投じて船を購入し、義勇兵としてアメリカへ渡った。19歳の時のことである。(中略)アメリカの独立を決定的にした1781年のヨークタウンの戦いに、彼は重要な役割を果たした。翌年フランスに帰国すると「新大陸の英雄」と称えられ、一躍名声を得た。

ラファイエット(wikipedia)

自費で部下の装備を補充し、兵士と苦楽をともにし、勇敢な将校として戦功をたて、ワシントンに次ぐ人気を得た。ラ=ファイエットの父は彼が2歳の時、七年戦争で戦死したので、それに対する復讐という反英感情があった

ラファイエット(世界史の窓)

かっこ良すぎはしないか?

本当にこんな人が実在したのか??

惚れるー!

義勇兵とは金銭的な見返りを求めずに戦う戦闘員のことですから、彼がどれほどアメリカ独立戦争に衝撃を受け、ベンジャミン・フランクリンに共鳴を受けたかが分かります。

しかも、自費で船を購入してアメリカに渡り、自費で部下の装備を補充したんですから、人気になって当然です!

ラファイエットが戦闘に自費を投じたことについては、1幕後半の “Guns and Ships” で歌われています。めちゃめちゃカッコイイ曲ですよ。

(執筆中)

Yorktown (The World Turned Upside Down) ” に、こんなフレーズがあります。

LAFAYETTE:
Immigrants

HAMILTON/LAFAYETTE:
We get the job done
―ブロードウェイミュージカル “Hamilton” より “Yorktown (The World Turned Upside Down)” (作詞:Lin-Manuel Miranda)

ラファイエットとハミルトンが何と言っているか分かりますか?

ここはこういう意味です。

・ 移民よ、俺たちで(仕事/戦争に)かたをつけちまおうぜ

ラファイエットはフランス人で、ハミルトンは小さなカリブ海の島から来た移民です。

そんな2人が大活躍したヨークタウンの戦いで発せられるこの台詞は、1幕で最もカッコイイと言っても過言ではない台詞です。

歓声が起こると同時に、絶対に鳥肌が立ちますよ。

ちなみに先ほど登場したベンジャミン・フランクリンは、アンジェリカが歌う “Satisified” にも登場する人物です。

どのように触れられているかはこちらの記事をご覧くださいね。

ハミルトンとの関係

ラファイエットとハミルトンの交友関係がどのように描かれているかは別の機会に書くとして、ここではミュージカル内では書かれていない関係について紹介します。

In all, Alexander and Elizabeth had eight children in twenty years. On top of that, they took in other children who needed a home. In one case, the daughter of a fellow King’s College graduate and Revolutionary War veteran stayed with the Hamiltons for ten years after her mother died an her father fell on hard times. In another example, they took in the Marquis de Lafayette’s son while his father was imprison after the French Revolution.

The Hamilton Cookbook: Cooking, Eating, and Entertaining in Hamilton’s World(p.9)

ハミルトンとエリザベスの間には20年間で8人の子どもに恵まれましたが、身寄りのない子ども達の面倒も見ていたようです。

それに加えて面倒を見ていたのが、ラファイエットの息子のこと。

ラファイエットがフランス革命で刑務所に送られていた時期に、世話をしていたとのことですよ。

こんなこともあっただなんて、この時代は本当に目まぐるしいですね。

また新たなことが分かったら追記していきます!

Alexander Hamilton” の、他の記事はこちらから。

あきかん

それでは皆さん、良い観劇ライフを…

以上、あきかん(@performingart2)でした!

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