戦う者とは誰のこと?「民衆の歌」で分かる彼らの闘志

帝劇ミュージカル『レ・ミゼラブル(Les Misérables)』より“Do You Hear the People Sing(民衆の歌)”を見てみると、日本語に訳されていないパートがいくつかります。そこにこそ民衆の闘志が歌われていました。

今回は何度も繰り返されるサビの部分を見ていきましょう。

歌詞のおさらい

英語版

Do you hear the people sing?
Singing a song of angry men?
It is the music of a people
Who will not be slaves again!
When the beating of your heart
Echoes the beating of the drums
There is a life about to start
When tomorrow comes!
―ミュージカル“Les Misérables”より“Do You Hear the People Sing”

 

東宝版

戦う者の歌が聴こえるか
鼓動が
あのドラムと響き合えば

新たに熱い生命が始まる
明日が来た時 そうさ明日が
―帝劇ミュージカル『レ・ミゼラブル』より「民衆の歌」

 

歌を歌っているのは誰?

曲題にもなっている“Do you hear the people sing”とは「人々が歌を歌っているのが、君(たち)には聞こえるか」という意味になります。“people”のところを東宝版では「戦う者」と表現していますが、正確に英語版を理解しようとすると「戦う者」ではないんですね。

英語版では「歌を歌っているのは誰なのか」という点に、かなりこだわりが感じられます。

まずこの曲の展開を見ていきましょう。

 

  • Do you hear the people sing?
  • Singing a song of angry men?
  • It is the music of a people
  • Who will not be slaves again!

 

この4行の部分で、赤色にしている部分は全て同じ「人々」を指しているという部分を意識しながら、歌詞を読み解いていきましょう。

1行目は先ほども説明した通り「君には聞こえるか、人々が歌を歌っているのが」です。2行目は“singing a song of ~”となっているので「~の曲を歌っている」となります。“angry man”とは「怒れり男たち(人々)」ですから、「怒れり男たちの歌を歌っている」ですね。

3行目の“It is the music of ~”も2行目と構造が似ており「それは~の音楽だ」です。「~」に何が入るのかというと、“a people/Who will not be slaves again!”。ここは2行に渡っていますが、意味としてはひとつの流れになっています。従って、この4行で歌われている内容はこうなります。

 

  • Do you hear the people sing?…君には聞こえるか、人々が歌を歌っているのが
  • Singing a song of angry men?…(人々が)怒れり男の歌を歌っているのが
  • It is the music of a people…その歌は、人々の歌だ
  • Who will not be slaves again!…2度と奴隷になどならないという(人々の歌だ)

 

お分かりいただけたでしょうか?

つまり、その人々こそがフランスの民衆で、戦う者なのです。だから日本語の曲題は「民衆の歌」となっており、先の4行は「戦う者」と訳されているんですね。

 

 

ドラムのリズムと胸の鼓動

次の2行“When the beating of your heart/Echoes the beating of the drums”の部分は英語版も東宝版も同じですが、英語版の方がよりリズム感があります。

見てお分かりいただける通りどちらのフレーズにも“the beating of the ~”が入っていますね。これは「~のビートが」「~のリズムが」という意味です。この前後を囲む形でそれぞれの単語が入っていているので、意味は次の通りです。

 

  • When the beating of your heart…胸のビートが
  • Echoes the beating of the drums…ドラムのビートにこだまする時

 

つまりこの場の空気と、自身の鼓動が響き合うなら…ということをここでは歌っています。日本語訳でもかなり上手く表現されていますね。

そしてこれらが響き合った時「新たに熱い生命が始まる」と東宝版ではなっていますが、これは英語の“There is a life about to start(そこにはまさに始まろうとしている生命がある)”とほぼ変わらず、むしろ熱気が感じられます。そしてそれがどんな時なのかというと“When tomorrow comes(明日が来た時)”ですね。

明日が来たときとはつまり、勝利を勝ち取った日のことも含まれていると思います。このような日々を自分たちで突破し、明日を勝ち取るという民衆の熱い闘志が感じられますよね。

 

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