④必読!ラテン語で歌われる「間奏曲/アントラクト」の意味

あきかん

こんにちは!

ミュージカル考察ブロガー、あきかん(@performingart2)です。

劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘(The Hunchback of Notre Dame)』より「間奏曲 – アントラクト(Entr’acte)」の英語歌詞を見てみると、全てがラテン語で歌われており、さっぱり理解が出来ません…。

しかし、調べてみると第2幕のオープニングにふさわしい内容だということが分かりました!こちらでまとめを行いますよ。

『ノートルダムの鐘』の解説・考察本を執筆しました!

中世ヨーロッパにおける「身体障がい者」の扱いはどのようなものだったのか?「ジプシー」はなぜ迫害され、「魔女狩り」はどのようにして起こったのか?

中世ヨーロッパのリアルに焦点を当てながら、ミュージカル『ノートルダムの鐘』の奥深さを紐解く解説・考察本。

Kindle(電子書籍)ペーパーバック(紙書籍)、いずれも Amazon で販売中。

Kindle Unlimitedを初めてご利用の方は、体験期間中に0円で読書可能

 

今までのおさらい

 

非常に印象深い「間奏曲 – アントラクト(Entr’acte)」ですが、調べ始めたら奥が深すぎて続きの3記事も書いてしまいました。お付き合い頂いた方、本当に有難うございます!

まだ今までの記事をお読みでないという方は、それぞれ次からご確認頂けますので是非お読みくださいね。

 

 

 

まとめ

歌詞のおさらい

 

さて、全ての記事を読んで下さった方はもうお分かりですが、今回調べて分かったのは「間奏曲 – アントラクト(Entr’acte)」は、それぞれ実在する3種類の聖歌が引用れている…ということです。

もう一度「間奏曲 – アントラクト(Entr’acte)」の歌詞を見てみましょう。

 

Libera me domine
De morte aetrna
Quando caeli movendi sunt
Caeli et terra
Libera me dominie
De morte aetrna

O, salutaris hostia
Quae caeli pandis ostium

Agnus dei
Qui tollis peccata mundi
Agnus dei
Dona nobis pacem

―ミュージカル “The Hunchback of Notre Dame” より “Entr’acte” (作詞:Stephen Schwartz)

 

今回の調べでは、各ブロックの歌詞はそれぞれ次の聖歌の引用だ、ということが分かりました。

 

  1. 『リベラ・メ』
  2. 『オー・サルターリス・ホスティア』
  3. 『アニュス・デイ』

 

 

歌詞を日本語に直すと…

 

そして、それぞれ引用された歌詞をつなげると、「間奏曲 – アントラクト(Entr’acte)」はだいたいこういう意味になります。

 

  • Libera me domine
  • De morte aetrna … 主よ 永遠の死から私をお救いください
  • Quando caeli movendi sunt
  • Caeli et terra … 天と地が揺れ動く(その日に)
  • Libera me dominie
  • De morte aetrna …主よ 永遠の死から私をお救いください
  • O, salutaris hostia … ああ、救いのいけにえ
  • Quae caeli pandis ostium … 天国の門を開きたもうおん方よ
  • Agnus dei … 天主の子羊
  • Qui tollis peccata mundi … 世の罪を除き給う(天主の子羊)
  • Agnus dei … 天主の子羊
  • Dona nobis pacem … われらに平安を与え給え

 

…やっと理解できましたね!良かったー。

 

調べてみて感じたこと

2幕オープニングでこの歌が歌われる意味

 

キリスト教徒であれば、聞きなれたこの歌詞を耳にして「死の状況を表現しているシーンだ」と雰囲気を掴みとることも出来るのでしょうが、そうでない限りは調べないと分からないことの方が多いと思います。

では、何故2幕の頭でこの歌が歌われているのか考えてみましょう。

 

これってなんとなーく、罪を起こしたフロローが神の裁きを前に情けを求めているように読み取れませんか?

そしてエスメラルダに恋をしてしまったという苦悩から解放され平安を手に入れたい、という思いと重なっているように読み取れませんか?

 

正確なことは分かりませんが、私にはそう読み取れて仕方がないのです…。そしてもっと考え込んでしまうと、「救いのいけにえ」とはエスメラルダを意味しているのではないか…などなど。

もしそうなのであれば、これから起こりうる出来事を暗示するかのような歌詞だということです。

しかも、このミュージカルのために作詞されたのではなく、聖書から引用して組み立てているところがまた、神聖で重みを感じます。

こういった演出が、フロローを更に追い込んでいくようですね。

1幕が “Hellfire(地獄の炎)” で終わり、その直後が「間奏曲 – アントラクト(Entr’acte)」なので尚更です。

 

聖歌は「フィナーレ」でも使われている

 

さて、今回紹介した「間奏曲 – アントラクト(Entr’acte)」の歌詞は、実は “Finale(フィナーレ)” でも使われています。

エスメラルダの火あぶりの刑が決行されたのち、ノートルダム大聖堂から彼女を助けに行くシーンです。

 

間奏曲 – アントラクト(Entr’acte)」の歌詞の説明はこれにて以上です。いかがでしたか?長い記事、お付き合い下さり有難うございました。

是非ラテン語の理解を深めて、2度、3度、劇場に足を運んでくださいね。

 

あきかん

それでは皆さん、良い観劇ライフを…

以上、あきかん(@performingart2)でした!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください