劇団四季で劇場スタッフとして働いていた時のエピソードを教えて下さい。

実際に頂いたお問い合わせへの回答を、要約して掲載しています。同じような疑問をお持ちの方は、是非こちらからご確認下さい。

問い合わせ内容/
幼い頃からミュージカルが好きで、出演する側になりたいと考えていた頃もありましたが、今は劇場スタッフとして働くことも考えています。劇団四季で劇場スタッフとして働いていた時のエピソードを教えて下さい。

お問い合わせ主/
高校生1年生

※管理人の意見も含んでいるため、全ての情報が事実に基づいているとは限りません。
※記事が長かったため、目次を付け一部要約致しました。(2016.12.16)
※劇団四季では基本的に毎公演勤務できるアルバイトの方を募集しています。学業と両立しながらこのアルバイトを行うことは難しいと、予めお考えください。

劇団四季では横浜CATSシアターに約半年、自由劇場に約1年務めていました。それ以外に春、夏、海、秋劇場へヘルプをしに行ったこともありましたね。劇場スタッフは大きく分けて、ロビー班と客席班があるのですが、私はロビー班であることの方が多かったです。特にもぎりかリーフであることが多く、それ以外に経験したことのあるポジションは1F客席と2階客席、パンフレットでしたが、私自身はリーフの仕事が大好きでした。

エピソードといっても大きいものから小さいものまでありますが、私の中で今も鮮明に覚えているものを、それぞれ2つずつお伝えしますね。

 

大変・辛かったエピソード

『CATS』と回転席

これはあまり思い出したくないエピソードなのですが、こういうこともあるんです…ということを分かって頂きたいのでお伝えします。

CATSには回転席という、オープニングで舞台ごと回転する席が設けられています。猫を間近で見ることも出来ますし、舞台毎回転するのを体感できるので、言わずと知れた人気席です。

まだこけら落としをして間もない頃、開演ぎりぎりにトイレから戻られたお客様がいらっしゃって、私が席までご案内することになりました。(開演ぎりぎりになると途中で暗転することがあるので、スタッフがご案内することが多いんです。)しかし、そのお客様がチケットを失くされてしまったということで、いくつかある空席の中でどこにご案内すべきか特定できませんでした。

今まで練習してきた中では、チケットボックス(チケットを販売したり管理しているポジション)に確認を取れたらご案内ということだったので、私もその対応をし始めたのですが、いかんせん開演直前なので、お客様も座りたいご様子でした。

「連れがいるので席は分かっています」と仰るのですが、もしその席が間違っていた場合、回転席なので、後々の対応が大変になります。その後、予測出来る色々な不安が頭をよぎり、対応が遅れ、結局開演になってしまいました。お客様を信じて席に辿り付けていれば、オープニングの回転に間に合ったのです…。

その後、お客様には「ずっと取れなくてやっと取れた席だったんです」と半ばお叱り、半ば嘆きのお言葉を頂戴しました。私は横浜CATSでのオープニングスタッフとして採用されたのですが、慣れていないからといって許されることではないですし、どんなにロープレをしても、練習通りでなく気転を利かせるべき場面にも直面します。

まだ仕事も慣れてなかったことで、お客様に悲しい思いをさせてしまい、今でも思い出すと胃と胸が痛みますね…

 

 

『赤毛のアン』とファンのお客様

私が客席スタッフだった時のことです。

着物をお召しになったお客様がいらっしゃったので気にかけていたところ、傘をお持ちだったので、傘は傘立てに入れるか横にして頂くようご案内しました。

すると、スタッフに話しかけられたのが嬉しかったのか、彼女がどんなに『赤毛のアン』が好きかを語り始めました。スタッフとしては1人の長話は出来ませんが(他のお客様のご対応もあるので)、なかなか区切りを見つけられない程、熱く語られていました。一区切りついて、「それではお楽しみください」と一言添えて持ち場に戻り開演しました。

『赤毛のアン』はアンの性格から色々なドタバタが起こるのですが、そのドタバタが起こる度に、そのお客様が大笑いをされるんですね…客席全体が「ドッ」と笑う笑いどころなら構わないですが、明らかに細かい要素で高笑いをされるので、周りのお客様が彼女のことをチラチラ見る程でした。

これはちょっとまずいな…と判断し、「少しお声が響いているようですので…」とお伝えに行ったところ、休憩中の20分間ずっとお叱りを受けました。私の他の業務は一切出来なかった程にです。(まず、客席スタッフが休憩始まりにやることは扉を開けることなのですが、その扉をストッパーで止めることすら出来ませんでした…)

ただひたすら申し訳ないと謝罪をしましたが、彼女の意見としては「ブロードウェイではみんなが自由に笑っている」ということでした。(こういうお客様個々人のご意見は沢山あります。)

その後、他のお客様が彼女の観劇マナーについて、話しているところを耳にしたので、終演後のミーティングでもお声をかけたこと自体は間違っていなかったという結論に至りましたが、ただただ「大変だったな」という思い出ですね。演目によっては熱狂的なファンの方がいらっしゃいますので、こういうことはままありますよ。好きで来て頂いているので、なかなか対応が難しいケースが多いです。

※ちなみにお声掛けは、対象者の方に声をかけるのが目的のものと、周囲のお客様に「お声をかけていますよ」と行為を見せるのが目的のものと2種類あります。今回の場合は後者です。お声をかけなかったら、気にしているお客様が「何故注意をしないのか」とストレスを溜めてしまいますからね。この辺りのかけひきが難しいところです。

 

 

感動・楽しかったエピソード

『CATS』と修学旅行生

このエピソードは私が直接体験したものではなく、同僚の客席スタッフが体験したものです。

劇団四季の公演は、バスツアーのお客様や修学旅行生、芸術鑑賞等の団体が入ることがよくあります。ある日、CATSの公演に高校生の団体が入り、特に大きな問題もなく終演を迎えました。

学生が劇場を次々と後にする中、彼女が担当していた扉の脇で、男子学生が1人で佇んでいたようです。どうしたのか心配になり声をかけてみると、「…ちょっと、感動してしまって」と恥ずかしそうに涙を拭きながら答えたそう。ほっとしたのと、嬉しくなったのとで、その客席スタッフが終演後のミーティングで共有してくれました。彼と作品との出会いに立ち会えたような気がして、私自身も嬉しかったです。こういう出会いは、劇場スタッフの醍醐味ですね。

 

『はだかの王様』と女の子

これは私が直接体験したエピソードです。ファミリー向けの作品として人気があるミュージカルなので、毎回沢山のお子様が観劇にいらっしゃいました。終演後私がトイレの列整をしていると、低学年の小学生がそろそろと私のところに歩み寄り、「お姫様たちはどこに行っちゃったの?」と質問してきました。

大人のお客様の対応には慣れていたものの、こういう質問は初めてだったので、不意を打たれました。が、「お城に帰っちゃったのかなー?」と答えると「そーなんだー」と言って帰って行きました(笑)

わざわざスタッフに確認するほどに見入ってくれたのかと、恥ずかしながらも嬉しかったエピソードです。

 

学業との両立は難しい

ちなみに劇場スタッフは、学業と料率をしながら出来るようなアルバイトではありません。劇場としては出来るだけ毎公演に携われることを求めていますから、履修科目がほとんどなくなった4年生とか、フリーターとして行う方がほとんどです。週1日など、飲食などの一般的なアルバイトとは全く異なりますので、予め認識された方が良いでしょう。

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