舞台監督になるには、大学で舞台の勉強をすることが必須でしょうか?

実際に頂いたお問い合わせへの回答を、要約して掲載しています。同じような疑問をお持ちの方は、是非お読みください。

問い合わせ内容/
小学生の頃からずっと舞台に憧れていましたが、現在進学校に通っています。国公立を目指して勉強してきましたが、舞台の仕事をどうしてもやりたいという気持ちが大きく夢を諦め切れません。

舞台監督になりたいと考えていますが、日本大学芸術学部と玉川大学芸術学部のどちらが良いでしょうか?また、大学で舞台の勉強をせずに舞台監督になることは可能なのでしょうか?どのようなステップを踏めば夢に近づけるのかを教えてください。

お問い合わせ主/
高校3年生

※管理人の意見も含んでいるため、全ての情報が事実に基づいているとは限りません。
※舞台監督の仕事内容についてはこちらをご覧ください。→舞台が好きな方向けのお仕事/②創作者

勉強せずに舞台監督になることは可能か

結論から申し上げますと舞台芸術を勉強せずに舞台監督になるのは難しいです。

舞台監督とは舞台裏を「管理」する立場です。演出家の意図を組み、裏方の各部署と連携をとりながら作品を作り上げ、本番中も滞りなく進行が出来ているかを随時確認していく仕事です。いわば裏方の司令塔であり、時間管理を行う立場になります。

よくお問い合わせを頂く方にお伝えしているのは、裏方とはアーティストではなく「大工」であり「整備士」であるという事です。例えば大きなビルを建設する時、建築の知識なしに建てることは出来ますか?電気系統に不具合が生じたとき、電気の知識なしに問題はどこかを特定し、それを修繕することは出来ますか?このように、大道具や照明といった裏方はそれぞれに必要な知識とスキルを持ち合わせているから出来る仕事なのです。そして、基盤を持った上で、芸術的センスを加えていきます。

舞台監督とはこういった裏方をまとめて管理していく仕事です。そのため、それぞれの部署がどういったことを学び、どういった環境下で仕事をしているのかという事をある程度把握している必要があります。それらの知識を100%身につけなかったにしてもです。

特に劇場のような特殊な環境での仕事は、イメージだけで出来るものではありません。実際に経験し、体感し、感覚を養っていく事が重要です。

未経験のアルバイトで現場作業を始めた大工が、将来的に現場監督の仕事に就くことは出来るでしょう。それと同じように、未経験で舞台監督の仕事を始めた人が、将来的に舞台監督になることが出来ない訳ではありません。しかし、舞台監督助手をアルバイトで雇って一から丁寧に教えていくほど、劇場側に時間的余裕があるとは思いませんし、そういった人を雇うのであれば時給が高くついたとしても、知識・経験のある大学生を新卒採用するのが一般的でしょう。

このような理由から私は大学で舞台芸術を学ばれることを推奨します。

 

 

日本大学か玉川大学か

舞台監督になるために、どこの大学に行くべきか…ですが、「現場経験を積める大学ならばどこでも良い」と考えています。

もちろん、それぞれの大学ごとに強みは違いますし、売りにしているポイントも異なります。しかし、日大も玉川も定期的に学内外公演を行っているので、そういった企画にどんどん参加し舞台監督としての経験を積んでいくことが一番の近道になるでしょう。

私の実経験から言うと、裏方の仕事ほど実践で学ぶものはありません。実際に体を動かして身につけていくもの、感覚で養っていくものがほとんどです。学内の環境には慣れても、学外で劇場を借りた場合は舞台の構造も異なるので、あらゆる環境に身を置けるということが強みにもなります。

私のイメージでは日大は受験時にコースまで決めその道を極めていくという印象、玉川は入学後に経験したい部署を選び、作品毎に部門を経験できるという印象です。

既に「舞台監督」と決まっているので日大で極めていくことに問題はないと思いますが、もし受験時点でコースを確定しなければならないのであれば、事前にどのコースで舞台監督の勉強できるのかを大学に問い合わせておきましょう。

 

 

 

舞台監督の就職

舞台監督になりたい、という強い熱意を持っていたとしても、就職できる先がなければ元も子もないですよね。

ご存知かとは思いますが、舞台監督は基本1劇場に1人しかいません。舞台監督の下に舞台監督助手が数名いますが、そう多くはないですね。そのため、大学で勉強をしたからといって必ずしもなれる…という訳ではないということを肝に銘じておきましょう。

私自身、舞台芸術を学びに大学へ行きましたが、卒業後は色々な仕事を経験しました。劇団四季での劇場スタッフはアルバイトでしたが、それ以外に社員でアパレルと広告代理店を経験しています。どの仕事もそれぞれ特色があり、自身の経験につながっています。私がこのような経験をしていなければ、今回のような進路相談にも自信を持って答えられなかったでしょう。(ご興味あればプロフィールをご覧ください。)

「やり切る」というのはとても大切なことです。やり切ってれば、仮に他の仕事に就くにしても「自分はこれだけのことをやってきた」と自信を持ってアピールすることが出来ますし、相手から見ても「1つのことに信念を持ってやり通せる子なんだ」という印象を受けます。そしてそれはなかなか簡単に出来ることではないのです。

そして、脇目を振らずに前進する事と同時に、視野を広く持つこともとても重要です。技術を身につけるために他のことはやらない…のではなく、舞台芸術意外にも色々な関心を持ちましょう。今まで読んだこともないような本を読みましょう。行ったことのない場所に行ってみましょう。付き合ったことのないタイプの人と仲良くなってみましょう。こういった1つ1つのことは、今後の人生に大きく影響し、仕事をする上での考え方の基盤を作るに違いありません。

まずは残り少ない高校生活を目一杯堪能し、悔いを残さずに卒業してください。そして、どんな大学に行ったとしても、その場で学べることを目一杯学んで下さい。大学は何度でも行き直すことが出来ます。公立の大学を卒業した後、社会人経験を積んでから再度受験することだってできます。編入も場合によっては可能です。

そういったあらゆる可能性を視野に入れ、1つの道しかないなどと決して思わないでくださいね。

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