海外のミュージカル女優を目指しています。どういう経歴の俳優が舞台に立てるのかBroadwayの仕組みを教えて下さい。

実際に頂いたお問い合わせへの回答を、要約して掲載しています。同じような疑問をお持ちの方は、是非こちらからご確認下さい。

問い合わせ内容/東宝ミュージカルがきっかけでミュージカルに興味を持ち、やるなら本場でチャレンジしたいと思うようになりました。英語は学業での勉強のみで、会話についてはこれから必死に勉強する予定です。ダンス経験はなく、現在は声楽を学んでいます。海外のミュージカル女優を目指しているが、どういう経歴の俳優が舞台に立てるのかBroadwayの仕組みを教えて下さい。
お問い合わせ主/高校3年生

※管理人の意見も含んでいるため、全ての情報が事実に基づいているとは限りません。
※記事が長かったため、目次を付け一部要約致しました。(更新日:2016年12月15日)

人種を理解する

Broadwayについてざっと調べてみたのですが、読みとった限りでは「経歴は関係ない。オーディションを受けに来い!」といったスタンスですね。しかし経歴は関係ないとはいえ「人種」は関係してきてしまうでしょう。

日本には基本的に人種が1つしかありませんが、アメリカにはヒスパニック系、アフリカ系、アジア系…と様々存在します。人種差別が少なくなった世の中ですが、残念ながら差別もまた存在している現実です。そういう意味で、人種が関係してしまうことがあるでしょう。

また、必然的に人種で選ぶ場合もあります。渡辺謙がBroadwayで主演した「王様と私」ですが、何故彼がタイ国王役に抜擢されたか。それは、彼がアジア人であり、見た目のイメージにはまったからです。LION KINGはアフリカのお話しですから、基本アフリカ系の人種で構成されていますし、ノートルダムのエズメラルダはどうでしょう?ヒスパニック系です。

もちろん、見た目をカバー出来るほどの演技力があれば違うのかもしれません。しかし、先日キャストが公開になったハリー・ポッター舞台版で、ハーマイオニー役に黒人がキャスティングされたことが話題になりました。どんなに演技力があっても、見た目とイメージは重視されてしまうということが分かります。

これらを踏まえた上で…アジア人に与えられる役はいくつあるでしょうか?アジア人でも与えて良いと思える程の魅力を出し切れるでしょうか?これがBroadwayにおけるミュージカルの世界です。
※ミュージカルの世界を理解するには、ミュージカル映画「コーラスライン」(マイケル・ダグラス主演)をご覧頂くといいでしょう。

こういった点から考えると、日本の方が遥かに舞台に上がるチャンスがあるように思えます。(誤解のないようにお伝えしますが、日本のオーディションが簡単、という意味ではありません。)

これを前提に、改めてBroadway(海外)へ挑戦したいと考えますか?厳しいことを言って申し訳ありませんが、現実を知って頂きたくお伝えした次第です。是非、色々な角度からご自身の将来を検討頂けたらと思います。

オーディション記事を読めるように

誰もが調べられそうなことは、今回あえて調べていません。海外のミュージカル事情にもっともっと詳しい方や経験者が、ブログ記事やテレビで話しているでしょうから、引き続きご自身でも調べてみて下さい。

英語を勉強中であれば、Broadwayがホームページ上で掲載しているオーディション情報を読めるようになることから始めるのも良いでしょう。Broadwayの作品情報に触れる事ができますし、英語にも慣れますよ。Broadway World.comのサイト内にオーディション一覧がありますので、確認してみて下さい:「Broadway & Regional Auditions」(Broadway World.comより)

※以前はBroadwayのオーディション記事を日本語訳してアップしておりましたが、翻訳権に抵触する恐れのあることが分かりました。項目のみの訳とさせて頂きましたので、ご了承下さい。翻訳権について:「ネコにも分かる知的財産権」(更新日:2016年12月15日)

記事内の項目の意味

Posted:投稿日
Audition:オーディション日
Contract:契約
Production:プロダクション
Tour, Production Contract:ツアー、プロダクション 契約
Seeking:募集
Preparation:準備頂くもの
Location:場所
Personnel:人事(ここでは審査員という意味でしょう)
Director/Choreographer:演出家
Music:音楽
Lyrics:歌詞
Book:戯曲/脚本
Musical Supervisor:ミュージカル スーパーバイザー
Casting:配役
Producer:プロデューサー
Other dates:他の日程
Other:備考
Breakdown:詳細

※BroadwayにはEquityという制度があるそうです。Equityについて読者のTakaoさんが丁寧に解説して下さいました。つきましては、最下部のコメント欄をご覧ください。(更新日:2016年10月22日)

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海外のミュージカル女優を目指しています。どういう経歴の俳優が舞台に立てるのかBroadwayの仕組みを教えて下さい。」への2件のフィードバック

  1. Takao

    Equityとは「Actor’s Equity Association」で、舞台俳優・ステージマネージャーの労働組合です。BWやNational Tourのオーディションは基本的にEquity組合員限定、もしくはEquity組合員優先であることが多いです。一方、Open Auditionとなっている場合は、どなたも自由に参加できます。

    組合員になるためのハードルが高く、まずは候補者(Equity Member Candidate = EMC) となって、500時間の舞台経験積む必要があります。

    BW公演は基本的にすべてEquity公演となりますので、非組合員が舞台に立つにはEquityの承認が必要となります。たとえば、来年のミスサイゴン(BW公演)にて、Alistair Brammer (クリス役)、Rachel Ann Go (Gigi役)がアナウンスさていますが、必ず「Alistair Brammer and Rachelle Ann Go are appearing with the support of Actors’ Equity Association. The Producers gratefully acknowledge Actors’ Equity Association for its assistance of this production.」の様な但し書きがプログラムやPR材料に載ります。AlistairはBritish Equityの組合員であるため、おそらく交換条件とかで許可されたと思います。(ロンドン公園にアメリカ人の俳優が何人か出ていましたので)

    ※例:
    http://www.broadwayworld.com/article/BWW-TV-Alistair-Brammer-Will-Return-for-MISS-SAIGON-on-Broadway-Plus-Behind-the-Scenes-Interview-20161020)

    ミスサイゴンに関しては、オリジナルBW公演に出演予定のエンジニア役のJonathan PryceがEquityに却下され、Cameron Mackintoshがぶち切れて公演自体をキャンセルしたこともありました。(結局、Equity memberの俳優たちからの猛抗議があったため、Pryce氏の出演を許可せざる得なかったため、公演は決行となりました。)

    http://www.nytimes.com/1990/08/09/theater/producer-cancels-miss-saigon-140-members-challenge-equity.html

    National Tourに関しては、現状としては、Equity TourとNon-Equity Tourの割合が大体半々ぐらいになっています。Non-Equityの給料は断然EquityよりやすいのでProducerとしては、傾向としてはNon-Equity Tourが増えています。もちろん、EquityはNon-Equity Tourを反対してますので、ツアのリストをHPにアップしています。

    http://www.actorsequity.org/NewsMedia/touring_main.asp

    今度来日公演が決まったRentはNon-Equity Tourです。なのに、堂々とBroadway Musicalと記載して、値段設定もかなり高めです(USの値段設定よりははるかに高いです)。

    http://www.actorsequity.org/

    返信
    1. あきかん 投稿作成者

      Takaoさん
      こんにちは。いつも有難うございます。そうだったんですね!労働組合に加盟していなければオーディション受けられないオーディション…考えたこともありませんでした。貴重な情報を有難うございます。派閥、というほどでもないのでしょうが、そういう対立もある中で公演やツアーが行われているんですね。とても勉強になりました!

      返信

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