“Helpless”で繰り返される“I do”の意味

ミュージカル『ハミルトン(Hamilton)』より“Helpless”の英語歌詞を見てみると、“I do”というフレーズをエリザベス・スカイラーが何度も繰り返し歌っています。

直訳すると「私は、します」という意味…でも、それだと意味が通じません。一体どういう意味なのでしょうか?

まるで自分が恋をしてしまったかのような気持ちになれる曲、“Helpless”。エリザベスの高鳴る気持ち、幸せな気持ちをそのままそっくり感じられる、とても美しい曲です。

さて、そんな“Helpless”の意味を理解する上で知っておきたい2つのフレーズあります。1つは曲の題名にもなっている“helpless”、もう1つは“I do”です。

この記事を読み終えた時には、きっと今まで以上にこの曲が好きになるはずですよ!

 

helplessの意味

helplessって、“help”と“less”に分けると「助けが足りない」というように理解してしまう方もいらっしゃると思うのですが、実はそうではないんです。

“help”が「助ける、助けて」という意味なのはご存知だと思いますが、次の2のような意味もあるんです。

 

  1. 助ける、手伝う
  2. 自制できる、我慢できる

 

例えば“I can help it.”と言った場合は「我慢できます。」となりますし、逆に“I can not help it!”と言った場合は「私、もう我慢できない!」という意味になります。“I can’t help laughing!(笑いをこらえられない!)”なんていう言い方もしたりしますよ。

では、そんな“help”に“less”が付くとどういう意味になるのか…もちろん「助けのない」という意味にもなりますが、ここでは「自制が少ない」という直訳から転じて「自制できない」→「どうすることもできない」という意味になります。

したがって、エリザベスは「この恋する気持ちを自制することが出来ない!どうすることも出来ないの!」と歌っているんですね。

かーわーいーいー!!!

その証拠に、次の歌詞の赤字部分を見てみましょう。

 

Ohh, I do I do I do I
Dooo! Hey!
Ohh, I do I do I do I
Dooo! Boy you got me

Helpless!
Look into your eyes, and the sky’s the limit I’m helpless!
Down for the count, and I’m drownin’ in ‘em
―ミュージカル“Hamilton”より“Helpless”

 

“Look into your eyes”は「あなたの目を見つめて」ですが、注目したいのはその後半の“the sky’s the limit I’m helpless!”。“limit”は「限界」という意味ですから、“the sky’s the limit”とは「空が(私の)限界よ」というニュアンスになります。「恋する気持ちが舞い上がってしまって、自分ではどうすることも出来なくなって、その限界は空…遥か彼方よ」ということを歌っているんです。

そして空には終わりがありません。つまり、この恋は留まることがない、もう誰にも止められない…そんな意味がこの1単語“helpless”に含まれているんです。

本当に可愛くて、素直で、乙女な曲ですね。

 

 

I doの意味

では“I do”はどういう意味でしょうか?もしこの意味が分かった方がいらっしゃったら、かなり英語センスがあります!

冒頭でも説明した通り、普通に考えれば“I do”とは「私は~します」という意味です。でも、この曲ではそういう意味ではないんですね。

結論から言いましょう。これ、「誓います」という意味なんですね。

何故そのような意味になるのでしょうか?

 

結婚行進曲

まず、“Helpless”の後半に『結婚行進曲』のワンフレーズが流れることから、この曲自体がエリザベス・スカイラーとハミルトンの恋愛から結婚までが歌われた曲だと分かります。

そのため、この曲を理解する上で「恋愛」とか「結婚」がキーワードになってくるんですね。

Helpless”で流れる『結婚行進曲』はワーグナー作曲のもの。タータータターン タータータターン♪というメロディーは、多くの方がご存じでしょう。

 

ちなみに『結婚行進曲』にはメンデルスゾーン作曲のものもあります。タタタターン タタタターン♪というメロディで、こちらも有名ですね。比較してみて下さい。

 

誓いの言葉

さて、「結婚」がキーワードと分かったところで、もう一度“I do”について話しを戻します。実は、結婚式で誓いの言葉を交わす時に“I do”というフレーズが「誓います」という意味で使われるんです。まずは日本語で見てみましょう。

 

○○さん。
あなたは△△さんと結婚し、妻(夫)としようとしています。
あなたは、この結婚を神の導きによるものだと受け取り、
その教えに従って、夫(妻)としての分を果たし、
常に妻(夫)を愛し、敬い、慰め、助けて変わることなく、
その健やかなるときも、病めるときも、富めるときも、貧しきときも、
死が二人を分かつときまで、命の日の続く限り、
あなたの妻(夫)に対して、堅く節操を守ることを約束しますか?
誓いの言葉(結婚の誓約の意味)

 

引用元では「~守ることを約束しますか?」とありますが、多くは「~守ることを誓いますか?」となりますね。そしてこれに対して、日本語では「はい、誓います」と言います。

一方の英語ではこうです。

 

(新郎の名前),
do you take this woman (新婦の名前)to be your lawfully wedded wife?
Do you promise to love her and comfort her,
to honor her,
to keep her in sickness and health,
in prosperity and in adversity,
so long as you both shall live?
お願いします!!!教会で良く耳にする言葉(教えて!goo)

 

とっても長い文章ではありますが、ポイントは“Do you~?”という形で、新郎新婦に牧師が問うているところです。それに対して、“Yes, I do.”という意味を込めて“I do.”と宣言しているものを、日本語訳すると「はい、誓います。」になるという訳です。

お分かりいただけたでしょうか?

ですから、この“Helpless”という曲は本当にすごい曲なんです。冒頭で「誓います、誓います」とエリザベスが歌うことによって、この女性がハミルトンと結婚する相手なのだと一発で分かる構造になっていると共に、出会いから恋愛、そして結婚までの一連の流れを描ききっています。

たった4分程で、です!

本当に素敵な曲!大好きな曲の1つです。これらの意味を理解した上で、是非聴きこんでみて下さい!

 

ちなみに、エリザベス・スカイラーとはどういう人物かを、次の記事でまとめていますよ。

♪『ハミルトン』の曲一覧はこちらから:ハミルトン/英語歌詞を徹底分析!

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