I’ve Got Beginner’s Luck/英語歌詞を徹底分析!

劇団四季ミュージカル『パリのアメリカ人(An American in Paris)』より“I’ve Got Beginner’s Luck”の英語歌詞を見てみると、ジェリーが初めて恋に落ちたことを「ビギナーズラック」に例えながら歌っていることが分かります。

「ビギナーズラック」とは何で、何故ジェリーは自分の恋をそう説明しているのでしょうか?

「ビギナーズラック」とはどういうもの?

「ビギナーズラック」って何かご存知ですか?“beginner’s(初心者)”の“luck(幸運)”という意味で、辞書には次のように説明されています。

 

 

皆さんも経験があるのではないでしょうか?

初めてやるゲームなのにクリアできた、初めてのスキーなのに意外と上手く滑れたなどなど。そしてこの言葉は賭け事でも使う言葉で、例えば初めてのスロットゲームで大儲けした…というのもビギナーズラックなんですね。

そんなことを例えにしながらこの曲は始まっています。

 

At any gambling casino
From Monte Carlo to Reno,
They tell you that a beginner
Comes out a winner.
Beginner fishing for flounder
Will catch a seventeen pounder;
That’s what I’ve always heard
And always thought absurd,
But now I believe ev’ry word!
―ミュージカル “An American in Paris” より “I’ve Got Beginner’s Luck”

 

歌詞を分かりやすいフレーズで改行し直しながら見ていきましょう。まずはこの2フレーズです。

 

  • At any gambling casino from Monte Carlo to Reno,
  • They tell you that a beginner comes out a winner.

 

“gambling casino”とは「賭博をするカジノ」のこと。Monte Carlo(モンテカルロ)もReno(リーノー)も、カジノで有名な都市です。モンテカルロはフランスの南に位置しているモナコ公国にある都市で、リーノーはアメリカのネバダ州にあります。『パリのアメリカ人』ですから、フランス・エリアとアメリカ・エリアにあるカジノを例に挙げて説明しているところに、こだわりが感じられますね。それぞれの位置は次の通りです。

 

モンテカルロとリーノーの都市が何を教えてくれるのか(they tell you)というと、“a beginner comes out a winner(初心者が勝者になるということ)”です。つまり、「モンテカルロからリーノーまで、どんなカジノでも、初心者が勝者になると教えてくれる」と歌っているんです。つまり「ビギナーズラック」はある…ということを冒頭で歌っています。

続きのフレーズはどうでしょうか?

 

  • Beginner fishing for flounder will catch a seventeen pounder;
  • That’s what I’ve always heard and always thought absurd,

 

“fishing for”は「~を釣りにいく」で、“flounder”は「カレイ」です。ここでは「カレイを釣りにいった初心者は17ポンド(約7.5kg)級の魚を釣るし…」と言っているんですね。

賭博初心者がカジノで勝ったり、釣り初心者が大物を釣ったり…ジェリーはいつもそんなことを聞いてきて(that’s what I’ve always heard)、ばかげていると思っていたそうです(always thought absurd)。自分がそういう経験をしたことがなければ、当然信じられない話ですよね。

しかし、ジェリーは次にこう歌っています。

 

  • but now I believe ev’ry word!…でも、もう全ての言葉を信じるよ!

 

ジェリーもビギナーズラックを経験したことで信じるようになったようですが、では「ビギナーズラック」とジェリーの恋とは一体何が関係しているのでしょうか?

 

 

ビギナーズラックとジェリーの恋

「ビギナーズラック」を信じることになったジェリーですが、彼がそれを信じるようになったのはこれが理由です。

 

For I’ve got beginner’s luck;
The first time I’m in love
I’m in love with you,
Gosh I’m lucky!

I’ve got beginner’s luck;
There never was such a smile
Or such eyes of blue,
Gosh I’m fortunate!
―ミュージカル “An American in Paris” より “I’ve Got Beginner’s Luck”

 

“I’ve got beginner’s luck”は「僕はビギナーズラックを持っている」と訳してしまいそうですが、ここは単純に「僕はビギナーズラックを経験したんだ」という意味で良いでしょう。

ジェリーにとってのビギナーズラックはこうです。“The first time I’m in love/I’m in love with you(初めての恋に落ちた、僕は君に恋している)”、これが“I’m lucky!(僕は幸運だ!)”だと歌っているんですね。「初めての恋で、こんなに素敵な君と出会った、僕はなんてラッキーなんだ!」というわけです。また、こうも歌っています。“There never was such a smile/Or such eyes of blue(今までに見たことのない笑顔、そしてあんなに青い瞳”。記憶に残る笑顔も、青い瞳も彼にとっては初めてのもの。それも“Gosh I’m fortunate!(僕は幸運だ!)”と歌っているんですね。

ちなみに“Gosh”というのは、驚きや喜びで言う「おや!まぁ!うわっ!」などの意味です。ですからジェリーは「なんて僕は幸運なんだろう!」と歌っています。

彼の初恋の気分をより詳細に説明しているのが次のパートです。

 

This thing we’ve begun
Is much more than a pastime,
For this time is the one
Where the first time is the last time!
―ミュージカル “An American in Paris” より “I’ve Got Beginner’s Luck”

 

フレーズを分かりやすく2つに分けてみましょう。

 

  • This thing we’ve begun is much more than a pastime,
  • For this time is the one where the first time is the last time!

 

“this thing we’ve begun”とは「恋」のこと。フレーズの意味は「僕たちが初めたこれは」ですが、「これ」とはまさに「恋」のことですね。単純に“love”などと表現しないところがオシャレです。その恋が何なのかというと、“much more than a pastime(気晴らしよりずっと上)”つまり「気晴らしなんかじゃない」と言っています。加えて、この恋は“first time is the last time!(最初で最後!)”だとも強調しておりジェリーにとっての初恋は本気で、最初で最後の恋…それ以外考えられないといったまっすぐな想いが伝わってきます。

途中、こんなことも歌われています。

 

I’ve got beginner’s luck;
They told me beginners win,
Now I know it’s true,
Gosh I’m fortunate!
―ミュージカル “An American in Paris” より “I’ve Got Beginner’s Luck”

 

2、3行目に注目してみましょう。これは「みな初心者が勝つと教えてくれたけど、今ならそれが本当だと分かるよ」という意味です。ビギナーズラックに対して半信半疑であったジェリーが、ビギナーズラックを自分の恋で経験し納得したということですね。

そして最後には“Lucky through and through(ずっとずっと幸運だ)”と歌っています。

感じたことを素直に言葉にして、前向きに生きていけるのってとても素敵ですよね!初恋をビギナーズラックに例えて歌う、ジェリーらしいチャーミングな曲ですよ。

 

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