『パリのアメリカ人』オーディションに合格するには?

皆さんご存知の通り、2019年1月~8月にかけて、劇団四季が『パリのアメリカ人(An American in Paris)』の公演を行う予定だという発表がありました。

劇団四季に入団することを夢見て、日々稽古を積んで来た方にはこの上ない朗報ですよね!

オーディションでは、劇団外部の応募者を対象に行われる…ということですから、夢を現実に変えるチャンスです。

では、どんな技術を持った方が合格できるのでしょうか?

どんな作品?

バレエが基礎にあるミュージカル

『パリのアメリカ人』…

この作品の題名が発表されてから、多くの方が映画を観たり、動画をチェックしたりしたはず。何を隠そう私もその1人です。

劇団四季のオーディション受付ページでは、「高度なバレエ技術を要する」と書かれていますが、それは映像をチェックされた方なら納得いくはず。そして、選考の上でもバレエ技術を特に重視していると書かれていますから、バレエなくして、この作品は語ることは出来ないでしょう。

私はまずまっ先に映画『巴里のアメリカ人』を鑑賞したのですが、今まで観てきたミュージカルにはない、独特な世界観があると感じました。

 

映画なのに舞台っぽい…

ミュージカルなのにバレエっぽい…

 

恐らくこう感じたのは私だけではないでしょう。その独特な雰囲気は「芸術の都 パリ」の名にふさわしい、非常に芸術的な作品として描かれています。

 

予告映像(英語)

 

予告映像(ブロードウェイ)

 

 

登場人物

メインの登場人物で、名前の付いているキャラクターといえばたった5人です。

 

  1. ジェリー
  2. リズ
  3. アダム
  4. アンリ
  5. ミロ

 

簡単にキャラクター説明をするとこうなります。

 

  1. ジェリー(男性)
    …アメリカ人の主人公。パリで生活しており、画家として売れることを夢見ている。リズに一目惚れ。
  2. リズ(女性)
    …19歳のフランス人。香水店で働いており、アンリの婚約者。戦争で両親を失っている。
  3. アダム(男性)
    …ジェリーと同じアパートに住む、売れないアメリカ人ピアニスト。アンリと知り合い。
  4. アンリ(男性)
    …フランス人の美男子で好青年。フランスで有名な歌手。アダムと知り合い。
  5. ミロ(女性)
    …アメリカ人の富豪。絵描きであったジェリーに興味を持ち、絵の才能があるという口実で近づき、男女の仲を求めていく。

 

 

あらすじ

登場人物の説明を見れば、大体イメージ出来るかも知れませんが、男女間の三角関係(四角関係?)がストーリーのベースになっています。舞台はフランスのパリ。そこで生活するアメリカ人とフランス人の愛や夢が描かれた物語です。

*** *** ***

ジェリーはとても楽天的で陽気なアメリカ人。いつか自分が画家として売れると信じてやみません。

そんなジェリーに目を留めたのがミロ。富豪であるが故に、お金で物事は解決出来ると思っており、ジェリーが自分のものになるのであれば手段を選ばないといった性格で、あらゆる手ほどきでジェリーに近づいていきます。それなりに歳は重ねており、お金も名声もあるものの、愛だけが手に入れられない少し孤独なこの女性は、ある日ジェリーを外食に誘います。

そこでジェリーが一目惚れをしてしまうのが、リズ。美人、可愛いというよりはチャーミングで魅力的な女性です。

ある時ジェリーによる熱烈なアプローチにより電話番号を伝えてしまいますが、そんな彼のまっすぐな性格と明るさに惹かれていきます。その様子を見ていたミロはもちろん嫉妬心に燃え上がります。

その翌日からデートを重ねるジェリーとリズ。しかしリズは一向に自分のことを話したがりません。ただ毎日のお互いの時間を楽しみ、深夜前には帰ってしまいます…

一方の有名な歌手のアンリですが、彼は顔良し、声良し、性格良し、そして名声も持ち合わせているという、三拍子も四拍子もそろった好青年で、パリ注目の的。戦争で両親を亡くしたリズの面倒を見ているうちに恋をし、ある時婚約を申し込みます。

ジェリーに恋をしたリズは、この婚約話に動揺はするものの、戦争で両親を亡くした自分を献身的に面倒を見てくれたアンリに恩義を感じ、婚約を断ることができません。そんな悩みを抱える中、アンリの仕事が成功し、アメリカへの公演旅行が決まり、一緒にアメリカへ行こうとアンリに誘われます。

*** *** ***

これが、『パリのアメリカ人』のメインストーリー。

唯一アダムの話しが出てきませんが、彼は色恋話しには直接的に関わりのない登場人物なんですね。ジェリーに対していつも小難しい顔をしていながらも、音楽に対する情熱は人一倍持っている男。ひねくれた性格が、鑑賞者の目をひきますので、作品のスパイスともいえる存在でしょう。

 

 

合格するには?

少し前置きが長くなってしまいましたが、この作品の概要は大分ご理解頂けたのではと思います。

では、オーディションに合格するにはどういった点を気にするべきでしょうか?

映画とブロードウェイのそれぞれに出演している役者の実力を見ながら、それらのポイントを押さえていくことにしましょう。

今回はジェリーとリズの2つのキャラクターに絞って考えたいと思います。

 

映画『巴里のアメリカ人』:ジェリー/ジーン・ケリー(Gene Kelly)

『雨に歌えば』でも有名なジーン・ケリーが本作品の主人公ジェリーを演じています。

 

アイルランド系の両親の元、ピッツバーグに生まれ、兄と一緒に8歳からダンス教室に通う。近所の子供に女々しいとからかわれて辞めてしまうが、15歳の時に再開。ペンシルベニア州立大学でジャーナリズムを学ぶつもりだったが経済的な理由で中断。1931年にピッツバーグ大学経済学部に入りなおし、1933年に卒業。大学在学中もダンスコンテストなどに出場していた。また、1930年に家族がダンススタジオをはじめていたので、そこで教えてもいた。
ジーン・ケリー(wikipedia)

 

1938年からブロードウェイでダンサーをしていたが、1941年にメトロ・ゴールドウィン・メイヤー入りをし、1942年に映画デビュー。デビュー作は『フォーミー・アンド・マイ・ギャル』でジュディ・ガーランドと共演した。

この後、たくさんのMGMの作品に主演し、ハリウッドの黄金時代を築いた。更に、監督・脚本・振り付けもこなすマルチな才能も見せ、まさにMGMの万能選手であった。代表作品には『雨に唄えば』、『踊る大紐育』、『巴里のアメリカ人』などがある。
ジーン・ケリー(wikipedia)

 

幼い頃からダンスに親しみ、ブロードウェイダンサーを経てアメリカの巨大マスメディア企業であるメトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)に入り、監督・脚本・振付まで行たのだから、ただならぬ才能だと言えます。

しかもそんな彼が総監督で行ったのが『雨に唄えば』と『巴里のアメリカ人』ですから、本当に凄い人物です。

 

ブロードウェイ・ミュージカル『An American in Paris』:ジェリー/Robert Fairchild

ブロードウェイのオリジナルキャストはRobert Fairchildです。wikipedeiaで彼の解説はなかったので、ブロードウェイミュージカル『An American in Paris』のホームページに書かれていた彼の紹介を引用してみましょう。

 

Robert trained at the School of American Ballet before becoming an apprentice with the prestigious New York City Ballet in 2005. After becoming a member of the Company, he quickly rose to the rank of Principal Dancer in 2009.
Robert Fairchild(An American in Paris)

 

2005年に名門New York City Balletニューヨーク・シティ・バレエ団)の研究生になる前はSchool of American Balletでバレエの勉強をしていたということです。その後、ニューヨーク・シティ・バレエ団の正式メンバーになり、2009年にはプリンシパルになったという、実力の持ち主です。

 

Robert made his Broadway debut in 2015, originating the role of Jerry Mulligan in An American in Paris. He was nominated for the Tony Award for Best Performance by an Actor in a Leading Role in a Musical, and won the Drama Desk and Outer Critics Circle Awards for Outstanding Actor in a Musical, the Astaire Award for Best Male Dancer and the Theatre World Award. He was also nominated for the Drama League Award for Distinguished Performance. Other credits include Mike in the Hollywood Bowl’s 2016 production of A Chorus Line, and Bill Calhoun in Roundabout Theater Company’s benefit performance of Kiss Me Kate on Broadway.
Robert Fairchild(An American in Paris)

 

彼のブロードウェイデビュー作がこの『An American in Paris』のジェリーということで、これにより数々の賞を受賞したことが分かります。

ジェリーを演じるには

バレエの基礎がしっかりとあり、その上で演技力・想像力がある方々だと分かります。しかもこれらの2人は実績も持ち合わせていますね。

自分の夢を叶えるために一人パリに出てきた明るい青年。どんな時もまっすぐで、難しいことは考えない。感情の動くままに行動するといった性格が、作品からは感じ取れます。そういった面がリズの心を開いていくことにもなります。

感情の動きを、バレエといった技術をもって表現し、陽気な彼の性格で観客を魅了しなければならない、重要なキャラクターですね。

 

 

映画『巴里のアメリカ人』:リズ/レスリー・キャロン(Leslie Caron)

リズを演じているのは、アメリカで活躍したダンサーであり女優のレスリー・キャロンです。まるで漫画の中から飛び出してきたような、お人形のような女性です。

 

フランス・ブローニュ=ビヤンクールにて、フランス人の父親(科学者)とアメリカ人の母親(ダンサー)のもとに生まれる。パリ市内の修道女学校を卒業後、コンセルヴァトワールでバレエを学び、シャンゼリゼ・バレエ団に入団する。

バレリーナとして巡業中にジーン・ケリーに見出され、彼の映画『巴里のアメリカ人』でデビュー。
レスリー・キャロン(wikipedia)

 

彼女も元はバレリーナだったということですが、ジーン・ケリーに見初められ作品にデビューすることになります。フランス人とアメリカ人のハーフ、なんですね。お母様がダンサーだったこともあり、幼い頃からバレエに親しんでいた方と言えるでしょう。

 

ブロードウェイ・ミュージカル『An American in Paris』:リズ/Leanne Cope

ブロードウェイのオリジナルキャストはLeanne Copeです。ブロードウェイミュージカル『An American in Paris』のホームページに書かれていた彼の紹介を引用してみましょう。

 

Leanne began her training at The Dorothy Coleborn School of Dancing and then the Royal Ballet School, graduating into the company in 2003.
Leanne Cope(An American in Paris)

 

The Dorothy Coleborn School of Dancingと名門the Royal Ballet Schoolロイヤル・バレエ学校)でバレエの勉強をし、その後2003年にロイヤルバレエ団に入団します。

 

In 2015 Leanne made her Broadway debut, originating the role of Lise Dassin in An American in Paris. For this role, she was nominated for a Tony Award and Drama Desk award for Best Leading Actress in a Musical. She won the Astaire Award for Best Dancer in 2015 and was awarded The Dorothy Loudon Award for Excellence in Theatre.
Leanne Cope(An American in Paris)

 

Leanne Copeのブロードウェイデビュー作も『An American in Paris』でリズを演じています。Robert Fairchild同様、数々の賞を受賞していますね。

ちなみにこの動画は、Leanne Copeが楽屋でリズになるためのメイクを行っている様子です。棚にしまわれたトゥシューズの数から、バレエこそがこの作品の命だと分かりますよ。

リズを演じるには

また両親を亡くしたことから、少し影のあるミステリアスなキャラクターであるところが大きなポイントでしょう。それに加えてまだ若いですから、周囲よりは世間知らず…物事を1人で判断するにも少し躊躇が入り混じる様な存在です。

ジェリーと一緒にいる時は笑顔で、踊りを共にすればとても開放的…そんな二面性のあるキャラクターとも言えるでしょう。

子どもとも大人とも言い切れないこの微妙な年齢を鮮やかに演じられるかどうかが胆になってきます。

 

まとめ

芸術の都パリで交錯するそれぞれの思いや願い。

全ての曲がジョージ・ガーシュウィンの作曲によるものなのですが、この作品の大目玉は、作品の終盤で『パリのアメリカ人』がフルに使われ全キャストが幻想的なバレエを行うというものです。

ミュージカルでありながら、約20分間みっちりとバレエを堪能できるのがこの作品のみどころでしょう。

いかにパリに住むアメリカ人を演じ、いかにアメリカ人に恋したフランス人を演じられるか、そして揺れ動く気持ちを体で表現出来るかが胆です。

劇場の空間をパリという優美な街変えられるか…その力が試されているように思います。

 

 

オーディションを受けるには

是非『パリのアメリカ人』の応募をしたい…という方はこちらから応募をすることが出来ます。

応募の〆切は2017年8月8日(火)の18時必着です。詳細は次のリンクをご確認くださいね。

*良い記事だと思って下さった方、是非「いいね!」をお願い致します*
*facebookページへ参加して下さる方はこちらから→LOVE performing arts
*twitterをフォローして下さる方はこちらから→LOVE performing arts (@performingart2)

「なるほど!」と思ったらシェア♪

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です