La Vie Boheme/英語歌詞の内容と意味を理解する④

ミュージカル『レント(RENT)』より“La Vie Boheme”を見てみると、難しい単語の羅列ばかりで何のことを歌っているのかさっぱり分かりません…

ここではそんな難しい単語を1つずつ解説しながら、内容を掘り下げていこうと思います。今回はマークのパートをご紹介します。

ボヘミアンの意味については、こちらの記事をご覧ください。

 

また“La Vie Boheme”の歌詞解説については、こちらの記事をご覧くださいね。

 

歌詞のおさらい

「ボヘミアは死んだ」とベニーに言われ、憤慨するボヘミアン一同!マークを筆頭に、大騒ぎが始まります。

 

MARK:
To days of inspiration
Playing hookie, making something out of nothing
The need to express —
To communicate,
To going against the grain,
Going insane
Going mad

To loving tension, no pension
To more than one dimension,
To starving for attention,
Hating convention, hating pretension
Not to mentionof course,
Hating dear old mom and dad

To riding your bike,
Midday past the three piece suits
To fruits — to no absolutes
To Absolut — to choice —
To the Village Voice
To any passing fad
To being an us for once
Instead of a them

ALL:
La vie Boheme
La vie Boheme
―ミュージカル“RENT”より“La Vie Boheme”

 

長くて難しい単語がずらっと出てくるように見えますが、基本的には単語さえ分かってしまえば何も難しいことはありませんよ。

 

マークが「ボヘミアンだ」と思うこと

マークが考える「自由奔放な人生(La vie Boheme)」23連発!

マークがここで次々と並べているのは、彼が「ボヘミアンだ」と思うこと、つまり「自由奔放な人生だ」と思うことです。

改行によって分かりづらくなっている部分もあるので、1つ1つ整理しながら見ていきましょう。全部でいくつあるのでしょうか?次に直訳と解説をまとめますね。

 

  1. To days of inspiration…インスピレーションの日々
  2. Playing hookie…ずる休みすること
    →“play hookie”で「学校や仕事をずる休みする」
  3. making something out of nothing…無から何かを創造すること
    →“make out of”で「~を作り出す、作り上げる」
  4. The need to express…表現する必要性
  5. To communicate…伝達すること
  6. To going against the grain…体質に逆らうこと
    →“go against the grain”で「性分に反する、気に入らない、体質に逆らう、不本意である、腑に落ちない、癇に障る」
  7. Going insane…正気でなくなること
  8. Going mad…夢中になってしまうこと
  9. To loving tension…緊張を好むこと
  10. no pension…年金のないこと
  11. To more than one dimension…ひとつ以上の面があること
    →言い換えれば、「多面的であり、様々な視点を持っている」という意味
  12. To starving for attention…注目を浴びることに飢えていること
  13. Hating convention…しきたりを嫌うこと
    →“convention”は「大会、条約」などの意味もありますが、ここは「(社会の)しきたり」だと思います。
  14. hating pretension…見せかけを嫌うこと
  15. Not to mention of course, Hating dear old mom and dad…そしてもちろん言うまでもなく、親愛なる年老いたママとパパを嫌うこと
    →“not to mention ~”で「言うまでもなく」、“of course”は「もちろん」
  16. To riding your bike midday past the three piece suits…誰かの自転車にまたがって3ピーススーツを着ているやつを追い抜くこと
    →“three piece suites”とは「三つ揃えのスーツ」のことで、ジャケット、ベスト、ズボンからなるビジネススーツのこと。会社勤めの人間を盗んだ自転車で追い抜いて気分爽快ってことでしょう。
  17. To fruits…同性愛者に
    →“fruit”は「果物」ですが、「成果、報い」や「男の同性愛者」を意味するそうです。ここは「同性愛者」の意味ではないかと思います。
  18. to no absolutes…絶対的でないものに
  19. To Absolut…神に
    →“absolute”は「絶対的なもの」の意味で、先頭が大文字になると「神」
  20. to choice…選択すること
  21. To the Village Voice…“the Village Voice”に
    →アメリカの新聞の一種。詳細は追ってご説明します。
  22. To any passing fad…過ぎ去った流行
  23. To being an us for once instead of a them…誰かではなく一度でも自分らしくあること(変更2018.1.30:)奴らのようにではなく、自分たちらしくあること
    →(追記:2018.1.30)改めて動画を確認したところ、ボヘミアン達がミスター・グレイとベニーを指さしながら“them”とは「2人のような人間」だと分かりました。従って、「あいつらみたいにはなりたくない」ということを歌っているんですね。

 

ふーっ、長かったですねぇ。でも随分理解できたのではないでしょうか?マークの考える「ボヘミアンとは」に、きっとあなたも首を縦に大きく振っていることでしょう。

 

 

“the village voice”とは

さて、先ほど「追って説明します」とした“The Village Voice”について解説しましょう。日本語で「ビレッジボイス」と検索すると、なんとこんな記事がっ!

 

ニューヨーカーのバイブルとして62年にわたり親しまれてきたコミュニティー週刊紙「ビレッジボイス」が発行を停止する。今後は電子版だけで情報を発信する。同紙はリベラルなニューヨーカーの声を代表する政治評論、最新カルチャーやファッション情報を発信。全盛期を知る世代の間では廃刊を惜しむ声も多い。

ビレッジボイスは米国を代表する作家ノーマン・メイラー氏らがマンハッタンのグリニッジ・ビレッジで1955年に創刊した。政治や文化に照準を合わせて成功し、コミュニティー紙のモデルとして全米に同様の新聞発刊の動きが広がった。

80年代にはアパート探しの不動産広告から前衛芸術、新しい食文化など、ニューヨークの最先端の情報源として人気を集めた。読者は新聞の名称を短縮して「ボイス」と呼び、これを小脇に抱えビレッジやソーホーの街を闊歩(かっぽ)することが先端ニューヨーカーのスタイルだった。

90年代後半には競争激化に直面したが、無料化で存廃の危機を免れた。何度かオーナーが入れ替わり、現在のピーター・バーベイ氏は発行部数を12万部に伸ばしたが、同氏は「読者の新聞離れや、毎日の情報更新への需要が高まっている」と表明。電子版に絞った情報発信への切り替えを決断した。ソーシャルメディアではボイスの紙廃刊を嘆く投稿が相次いでいる。
ニューヨーカーのバイブル「ビレッジボイス」紙廃刊へ(日本経済新聞)

 

はー…。なくなってしまったんですね、紙が。そしてデジタルへ移行。時代の流れですね。

コミュニティー週刊誌で、評論やファッションなど、何かにつけ最先端の情報を発信し、この“The Village Voice”を手にする事自体がスタイルとなっていたんですね。つまりカッコイイアイコンの1つであった…ということです。従ってマイクは、“The Village Voice”もボヘミアンの象徴だと考え、取り挙げているんですね。

 

 

モーリーンとジョアンは姉妹?

さて、シーン変わってモーリーンとジョアンの会話です。この2人の会話はいつも軽快で軽妙、そして少しハラハラさせられるところが好きです。

ショーが終わって機材をちゃんとしまったか…ということをモーリーンがジョアンに聞いています。

 

(JOANNE enters.)

MAUREEN:
Is the equipment in a pyramid?

JOANNE:
It is, Maureen

MAUREEN:
The mixer doesn’t have a case
Don’t give me that face

(MAUREEN smacks JOANNE’s ass as she exits. MR. GREY reacts.)

MR. GREY:
Ahhemm

MAUREEN:
Hey Mister — she’s my sister
―ミュージカル“RENT”より“La Vie Boheme”

 

“pyramid”とは普通に考えればエジプトにあるピラミッドをイメージしますが、通常は「角錐(かくすい)」を指します。その中に機材は入れたの?ということを聞いているんですね。

“mixer”とは日本語でも「ミキサー」と呼ばれていますが、音響の機材で「調節装置」のことを言っています。

途中、( )内に“smacks”という単語がありますが、これは「ぴしゃりと叩く」という意味(「音を立ててキスをする」という意味もあります)。また、“ass”は「ケツ」のことですので、「モーリーンがジョアンのお尻を叩いた」というト書きが書かれているんですね。

それに対してミスター・グレイ(アリソンの父)が咳払いをするんですが、モーリーンは見事に「あら、おじ様、彼女私の妹(姉)よ」と交わします。軽いスキンシップよ、と言わんばかりですね。

見事に“mister/sister”で韻を踏んでいるところや、そしてこのやりとりが後半の展開に上手くつながっていくところなどを考えると、本当によく出来ている曲だなぁと感じます。

続きはこちらをご覧くださいね。

 

♪『RENT』の曲一覧はこちらから:レント/英語歌詞を徹底分析!日本語で意味を理解しよう

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