Liza/英語歌詞を徹底分析!

劇団四季ミュージカル『パリのアメリカ人(An American in Paris)』より“Liza(ライザ)”の英語歌詞を見てみると、リズに対して積極的にアプローチをするジェリーの姿を見ることができます。

彼はどんなことを歌ってリズの気を引こうとしているのでしょうか?歌に込められる、リズへの愛を見ていきましょう。

【ブロードウェイミュージカル“An American in Paris”/“Liza”/作詞:Ira Gershwin】

 

リズを「ライザ」と呼ぶジェリー

 

初めに押さえておきたいのは、この物語のヒロインが“Lise(リズ)”というフランス人女性だということ。

しかしこの曲では、主人公のジェリーが彼女のことを“Liza(ライザ)”と英語的な呼び方をし続けるところがポイントです。

曲の途中でリズが「リズ!」と名前を訂正しながらも、最後には彼の呼び方を許容するほど心が近くなるという流れが見どころではないでしょうか。

そんな彼女の名前について、ジェリーは最初のブロックでこんな風に表現しています。

 

・somethin’ mighty sweet…何かとても甘いもの

・I want to whisper sweet and low…甘く低く囁きたい

 

何かとても甘いものとは、リズの名前のことを指していると考えられるので、リズの名前を「甘く低く囁きたい」と歌っているんですね。

とてもオシャレな表現です。

 

歌はセーヌ川の畔で

 

最初のブロックで歌われているのは、ジェリーとリズを取り囲む光景。川沿いで歌うので、シーンはセーヌ川の畔でしょう。

 

Moon shinin’ on the river come along, my Liza
Breeze singin’ through the treetops come along, my Liza
Somethin’ mighty sweet I want to whisper sweet and low
That you ought to know, my Liza

―ブロードウェイミュージカル “An American in Paris” より “Liza”(作詞:Ira Gershwin)

 

光景を表しているのは次の2か所です。

 

・Moon shinin’ on the river…月は川の上で輝いている

Breeze singin’ through the treetops…そよ風は梢で歌っている

 

静かでありながら、川の水かキラキラと輝いている様子が目に浮かぶようですね。

ちなみに、“ ~in’ ”とは、“ ~ing ”を省略したもので、ミュージカル歌詞内には度々登場するので覚えておきましょう。

 

僕をひとりにしないで

 

続いてジェリーはこんなふうに歌っています。

 

I get lonesome, honey, when I’m alone so long
Don’t make me wait, don’t hesitate, come and hear my song

―ブロードウェイミュージカル “An American in Paris” より “Liza”(作詞:Ira Gershwin)

 

honey(ハニー)”とは、もちろんリズのこと

英語では愛する相手のことを甘いもので呼びかけることがありますが、そんな呼びかけがフレーズの途中に入っているので、元の文章はこうなっています。

 

・I get lonesome when I’m alone so long…あまりに長い間ひとりだと、僕は心細くなるんだよ

 

そして、ジェリーは、このようなことをリズにお願いしています。

 

・Don’t make me wait…僕を待たせないで

・don’t hesitate…ためらわないで

・come and hear my song…こっちに来て僕の歌を聴いてよ

 

少し内向的なリズに対しては、これくらい積極的な方が気持ちに揺さぶりをかけられそうですね!

こんな風にアプローチされてみたいものです。

 

 

リズといると、空も晴れる

 

リズに対してとても積極的なジェリーですが、彼のアピールはさらに続きます。

 

Liza, Liza, skies are gray
But if you smile on me all the clouds’ll roll away
Liza, Liza, don’t delay
Come, keep me company, and the clouds’ll roll away

See the honeymoon a-shinin’ down
We should make a date with Parson Brown

So, Liza, Liza, name the day when you’ll belong to me
All the clouds’ll roll away
Liza, Liza, name the day when you’ll belong to me
All the clouds’ll roll away

―ブロードウェイミュージカル “An American in Paris” より “Liza”(作詞:Ira Gershwin)

 

ここでは、彼がリズといるとどんなことが起こるのかが歌われています。左の状況が、リズといると右の状況に変わるという歌詞構造ですね。

 

・skies are gray → But if you smile on me all the clouds’ll roll away

・don’t delay → Come, keep me company, and the clouds’ll roll away

・name the day → when you’ll belong to me, all the clouds’ll roll away

 

見て頂いてお分かりいただける通り、いずれのフレーズにも“the clouds’ll roll away”が入っています。これは「雲はいなくなってしまう」という意味で「曇っていた空も晴れ渡る」というニュアンスになんですね。

状況に照らし合わせて整理するとこうなります。

 

・skies are gray…曇り空(空が灰色)
→But if you smile on me…でも君が笑えば
the clouds’ll roll away…空も晴れ渡る

・don’t delay…遅れをとらないで
→Come, keep me company…こっちへおいで、僕と付き合って
→and the clouds’ll roll away…そうすれば空も晴れ渡る

name the day…結婚の日取りを決めよう
→when you’ll belong to me…君が僕のものになった時
→all the clouds’ll roll away…空は全て晴れ渡る

 

もう、積極的も良いところですよね(笑)。

リズが笑って、ジェリーと付き合って結婚してくれれば、空は晴れ渡るのだということです。

なんて幸せな歌詞なんでしょうか!

 

Parson Brownとは?

 

とても幸せな歌詞ですが、1つ分からないものがあります。それは“Parson Brown”です。

 

See the honeymoon a-shinin’ down
We should make a date with Parson Brown

―ブロードウェイミュージカル “An American in Paris” より “Liza”(作詞:Ira Gershwin)

 

2行目を見る限りでは、こう歌っています。

 

・we should make a date with Parson Brown…パーソン・ブラウンと一緒にデートをしよう

 

パーソン・ブラウンとは一体誰なのか…と、突然心が穏やかではなくなりますよね。

そこで血眼になって調べてみたところ…オレンジの品種の1つだと分かりました。

何故ここでオレンジが出てくるのかとお思いでしょうが、それは歌詞の直前を見ると想像がつきます。

 

・See the honeymoon a-shinin’ down…美しい月が輝いているよ

 

恐らくこの日の月は満月だったのでしょう、ジェリーは美しい月をオレンジに例え「パーソン・ブラウンのような月と一緒に(満月の下で)デートしようよ」と歌っているんですね。

 

いかがでしたか?

ひとつひとつの言葉から豊かな表現力と愛情を感じることができたのではないでしょうか。消極的なリズと積極的なジェリーの対比も素敵なシーンですね。

 

その他、ミュージカル『パリのアメリカ人』についてはこちらの記事をご覧ください。


2件のフィードバック

  1. ともみ より:

    初めまして。いつも楽しく読ませて頂いています。
    person brownの訳について、私は別解釈をしていたのでコメントさせて頂きました。

    Person brownのpersonというのは牧師さんのことで、Person brownで「ブラウン牧師」となります。ですがこのブラウン牧師は特定の人を指すわけでなく、曖昧に牧師さんと呼びたい時に使われるようです。
    つまり、おおまかに訳すると「ブラウン牧師牧師とデートしよう」=結婚しよう、となるのではないかと思います。
    それに合わせて、上の行はhoneymoon(新婚旅行)をmoon(月)を掛けて、a-shining downと続けたのではないかと思いました。

    差し出がましくコメントで失礼しました。
    ほかの曲の解説も楽しみにしています。

    • あきかん より:

      ともみ様
      こんにちは。いつもサイトまでお越しいただいているということで、有難うございます。大変励みになります!コメントも頂けて、とても嬉しいです。
      ちなみに本題に入る前に…“person brown”ではなく“parson brown”ですよね?一応、念のため確認でした。

      さて本題です。確かに、調べてみると“parson brown”でご指摘の意味がありました。
      Parson Brown
      なるほど、これは知らなかったです。確かに、こういう意味があると分かれば、ともみ様の解釈も当てはまりますね!とても参考&勉強になりました。
      記事内にはこういった解釈もありそうだということで、こちらのコメントを見て頂くように誘導しておきますね。

      今後も何かお気づきになることがありましたら、お気軽にコメントください。
      引き続き、どうぞ宜しくお願い致します。

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