“My Shot”で歌われる、ハミルトンが感じるアメリカの状況

ミュージカル『ハミルトン(Hamilton)』より“My Shot”の英語歌詞を見てみると、植民地下のアメリカがどのような状況だったかが分かります。

ハミルトンの感じている理不尽さと、それを闘志に変えていく姿を見ていきましょう。

ハミルトンが憂いていること

野心に溢れ、闘志に芽生え、そして自分を気高く自己紹介した後、ハミルトンはアメリカの現状を憂いて次のように歌います。

 

A colony that runs independently
Meanwhile, Britain keeps shitting on us endlessly
Essentially, they tax us relentlessly
Then King George turns around, runs a spending spree
He ain’t never gonna set his descendants free
―ミュージカル“Hamilton”より“My Shot”

 

“colony”とは「植民地」、つまりイギリスに植民地下にあるアメリカのことです。

植民地下にあるアメリカは1つの国として独立した機能を持っている一方で、英国はいつまで経っても居座ったまま。“Britain keeps shitting on us endlessly”からは、ハミルトン達の上に永遠と英国が座り続けている様子が見て取れますね。税金(tax)を容赦なくかけたかと思えば、ジョージ3世は消費景気(spending spree)にするし…と腹を立てています。

set free”は「自由を与える」で、“he ain’t never gonna”とありますので、「彼(ジョージ3世)は絶対に~に対して自由を与えない」という意味になります。“descendants”とは「子孫」ですが、恐らく文脈から考えるとハミルトン達のようなアメリカ植民地人のことだと考えられるので、「奴(ジョージ3世)植民地人には決して自由を与えない」と歌っています。

たった5行の歌詞ですが、ハミルトン達が理不尽さを感じていることが手に取るように分かりますね。

 

だから革命が起こる

続く歌詞ではこう歌われています。

 

So there will be a revolution in this century
ENTER ME!

LAURENS, LAFAYETTE, MULLIGAN:
(He says in parentheses)
―ミュージカル“Hamilton”より“My Shot”

 

“revolution”とは革命のことです。ハミルトンはアメリカの現状を踏まえた上で「だからこの世紀では革命が起こる!」と断言しているんですね。「絶対に」と言ってもいいほど、強く断言しているように読み取れます。“”this century(この世紀)”とは18世紀のことを指していると言えるでしょう。

そして、この次の2行、私が好きなパートです。

“Enter me!”とは「俺も入れてくれ、加えてくれ、混ぜてくれ」といったニュアンスの言葉ですが、どこに混ぜて欲しいかといえば“revolution(革命)”でしょう。革命を起こす時、自分もそこにいたい、加わっていたい、混ざっていたいということをハミルトンは主張しているのです。

しかし、彼は実際それを口に出しては言いませんでした。何故それが分かるのかというと、その直後にローレンス、ラファイエット、ムリガンの3人が“he says in parentheses”と言うからです。“”parentheses”というのは、「(  )」つまり、カッコのことです。「彼はそれをカッコ付で言った」と3人が言っているので、胸の中で「俺も入れてくれ!」と叫んでいたということになります。この遊びがかっこよくて好きなんです…!

 

 

ハミルトンの将来

そうやって胸の内で叫んだ後、ハミルトンは自分の将来を次のように歌い上げ、自他共に奮い立たせていきます。

 

Don’t be shocked when your history book mentions me
I will lay down my life if it sets us free
Eventually you’ll see my ascendancy
―ミュージカル“Hamilton”より“My Shot”

 

1行目の歌詞がは本当にカッコイイ!

“Don’t be shocked”というのは「驚くなかれ」という意味。何に対してそう言っているのかというと、“when your history book mentions me(君の歴史の教科書が俺について触れていても)”です。「これから自分はこの国のために大きな働きをするから、歴史本に俺のことが載っていてもびっくりするなよ。」と言っているんですね。はー!かっこいー!

そしてここからがさらに凄い。“lay down my life”は直訳すれば「自分の人生を横たえる」ですが、それが転じて「自分の命を投げうつ」という意味になります。俺たち(植民地下にあるアメリカ人)が自由になるなら、自分の命を投げうっても良い…と歌っているんですね。なんて熱い闘志なんでしょうか!

しかも「そしてやがて(eventually)、君たちは俺の支配力(ascendancy)を目にすることだろう」とも歌っています。「天下をとるところを目にするだろうよ」と言わんばかりですよね!

不満の募る植民地下のアメリカからの脱却、そしてそこから芽生える闘志。自分たちの自由を勝ち取ろうとする人たちの行動というのは、いつの時代も強くたくましいものですね。

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