アラジンの反省が色濃く歌われる、英語版「自慢の息子」②

劇団四季ミュージカル『アラジン(Aladdin)』より“Proud of Your Boy(自慢の息子)”の英語歌詞を見てみると、日本語とは遥かに温度差が異なることが分かります。

アラジンは、亡き母にどんな気持ちを込めて歌っているのでしょうか?今回は中盤を解説します。

ディズニー映画では歌われていないこの曲。初めて聞いた時は耳馴染みがなく、正直あまり印象には残りませんでしたが、歌詞をよく読みながら聴いてみると…沁みますねぇ。ガツンと胸にきます。

貧しいが故に盗みや騙しをはたらくアラジン。全て生活のためにやっていることなのです。しかし、それでも自分のやっていることは正しくない…これでは母さんに顔向けできない…という気持ちを込めて歌っているのがこの曲なんですよね。

劇団四季版よりもずっとずっと反省の色が濃いアラジンの想いを、是非知りましょう。

これまでの歌詞の内容はこちらをご覧くださいね。

 

無駄にしてきたもの

アラジンは今の自分を後悔し、反省しています。まず無駄にしてきたものがあると分かるのが“I’ve wasted ~”のところです。“waste”には「浪費する、無駄にする」という意味ですから、ここはそれぞれ次の意味になりますね。

 

  • I’ve wasted time…僕は時間を無駄にしてきた
  • I’ve wasted me…僕は自分自身を無駄にしてきた

 

時間だけでなく、自分自身を無駄にしてきたとはなかなか重くて深い反省を感じますよね。そしてそんな自分だったからこう呼ばれても仕方がないと歌われるのが次の行です。

 

  • So say I’m slow for my age

 

最初の“So”というのは「だから」という意味で、続く“say”は「言って」です。“slow for my age”は「自分の年に対して(成長が)遅いこと」を意味していますから、言い換えれば「年相応でない」ということです。ここでは、「だから、僕は年相応じゃないと言われても仕方ない」ということを歌っているんですね。

そして、次のフレーズではこんなことが歌われています。

 

  • A late bloomer, Okay, I agree

 

“a late bloomer”のうち、“bloom”とは「花咲く」という意味です。花咲くのが遅いということから、最初の部分は「遅咲き」を意味しています。“I agree”は「賛成、同感」ですから、フレーズの意味は「遅咲き、あぁ、その通りだよ」といった具合です。

自分がしてきたこと、そしてこうなってしまった今を認めているアラジンの姿が描かれており、劇団四季版では要点を掴んだ形で訳されていることが分かります。

 

見ていて かあさん
時間を無駄にしてきた僕だけど
―劇団四季ミュージカル『アラジン』より「自慢の息子」

 

 

僕は変わる

さて次のパート、劇団四季版ではこのように歌われています。

 

今 気が付いた これじゃ駄目だと
めちゃくちゃな毎日は
今日で終わりさ
そう約束するよ
僕の好きなかあさんの
自慢の息子になるんだ
―劇団四季ミュージカル『アラジン』より「自慢の息子」

 

今まで無駄にしてきた時間と自分を終わりにして、自分は変わるという意志が感じられますが、英語版ではもっともっと強い内容になっています。

 

乗り越えてみせる

最初の2行は次の通りです。

 

That I’ve been one rotten kid
Some son, some pride and some joy
―ミュージカル“Aladdin”より“Proud of Your Boy”

 

“rotten”とは「腐った」という意味がありますが、そこから転じて「堕落した」という意味があります。つまり1行目では「今まで堕落した子どもだった」と歌っています。

その後の“some son”というのは、アラジンの兄弟に当たるほかの息子たちのことを指しているのではなくて、周囲にいるアラジンと同じくらいの年の子のことを言っていると解釈できます。そんな彼らの中には“pride(誇り/プライド)”を持って生きている者、“joy(喜び/楽しみ)”を持って生きている者がいるということです。

他の子たちはプライドや喜びをもって生きていた中、堕落したこどもだったと振り返るアラジンは“get over(乗り越える)”と歌っています。どんなこと乗り越えると歌っているのでしょうか?

 

But I’ll get over these lousin’ up
Messin’ up, screwin’ up times
―ミュージカル“Aladdin”より“Proud of Your Boy”

 

少し長いですが、元は“but I’ ll get over these ~ times”という文章で「~の時間を乗り越えてみせる」と歌っているんですね。そしてこの「~」に当たるのが次の3つです。

 

  • lousin’ up=lousing up=louse up…台無しにする
  • messin’ up=messing up=mess up…混乱、失敗
  • screwin’ up=screwing up=screw up…しくじった

 

全て「〇〇 up」の形で書かれているので語呂がよく、~in’となっているのは“~ing”を省略した形です。口語などでよく使われます。ですから、アラジンは台無しにしてきて、失敗してきて、しくじってきた時間を乗り越えて見せると歌っているんです。

劇団四季版では「めちゃくちゃな毎日はこれで終わりさ」と歌われていますが、その裏にはこんな具体的な表現がなされていたんですね。

 

 

これからが良いところ

今回紹介する中盤最後のブロックを見てみましょう。

 

You’ll see, Ma, now comes the better part
Someone’s gonna make good
Cross his stupid heart
Make good and finally make you
Proud of your boy
―ミュージカル“Aladdin”より“Proud of Your Boy”

 

前回の記事でも説明した通り“Ma”とは母さんのことです。“You’ll see”は「これから見る」、つまり「今に目にするよ、今に分かるよ」といったところでしょう。“better part”は「今よりはマシな段階に入っていく」ことを歌っていますから、「今に分かるよ、母さん、これからましになってくる」ですね。

2、3行目は一続きになっていて、まず最初の“someone”とは「誰か」ですが、ここはアラジンのことを指しています。gonnaは当サイトで何度も取り上げていますが“going to”の略ですね。

“Cross his stupid heart”のうち“cross ~ heart”は「~の胸に十字を切る」つまり誓うという意味です。ここが“cross his heart”であれば「彼の胸に十字を切る」となりますが、“stupid(バカな)”が入っているので「彼のバカな胸に十字を切る」という意味になるんですね。彼とは誰か…もちろんアラジンです。従って、「誰かさんは彼のバカな胸に十字を切る」つまり、「僕はおろかだった自分の心に誓うよ」と歌っているんです。反省が深いなぁと感じませんか?

そして残りの2行も一続きですが、“make good”は「償う」という意味がありますので、「償い、そして最終的にあなたに思ってもらえるようにするよ/あなたの自慢の息子だって」となるわけですね。

いかがでしたが?アラジンの反省する姿を言葉のひとつひとつから感じて頂けたならとても嬉しいです。

次は終盤を解説します。是非引き続きお読みくださいね。

 

 

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