アンジェリカが気付いた、3つの根本的事実②

ミュージカル『ハミルトン(Hamilton)』より“Satisfied”の英語歌詞を見てみると、アンジェリカが妹のエリザベスと同じタイミングで、ハミルトンに恋してしまったことが分かります。

そしてその直後、アンジェリカが3つの根本的事実に気付いた(“Three fundamental truths at the exact same time…”)とありますが、その3つの根本的事実とは何なのでしょうか?今回はその2つ目を解説します。

【ブロードウェイミュージカル“Hamilton”/“Satisfied”/作詞:Lin-Manuel Miranda】

1つ目の根本的事実については次の記事でまとめていますので、ご覧くださいね。

 

歌詞のおさらい

アンジェリカが自分の気持ちを脇に置き、ハミルトンをエリザベスの元へ連れて行くシーンです。その裏にはアンジェリカのどんな気持ちがあったのでしょうか?

 

ELIZA:Elizabeth Schuyler. It’s a pleasure to meet you.
HAMILTON:Schuyler?
ANGELICA:My sister.

COMPANY:
Number two!

ANGELICA
He’s after me cuz I’m a Schuyler sister. That elevates his status, I’d have to be naïve to set that aside,
maybe that is why I introduce him to Eliza, now that’s his bride.
Nice going, Angelica, he was right, You will never be satisfied.
―ブロードウェイミュージカル “Hamilton” より “Satisfied”(作詞:Lin-Manuel Miranda)

 

最初3行の会話は“Helpless”で歌われているのと同じです。会話の内容については次の記事をご覧くださいね。

 

2つ目の根本的事実

ハミルトンの社会的地位

さて、“Number two!”です。Three fundamental truths at the exact same time…((そして私は悟ったの)3つの根本的な事実を、全く同じタイミングで)”に対する2つ目の事実が話されます。

ここではアンジェリカが感じ取った、ハミルトンの立場が歌われています。

1つずつ見ていきましょう。まず、“He’s after me cuz I’m a Schuyler sister.”です。“cuz”とは“because”の短縮系で、“because”を早く言うと「カズ」と聞こえるのでカジュアルな言い方では“cuz”となります。よってここは「彼(ハミルトン)が私の後を追っているのは、私がスカイラー姉妹だから」となります。

スカイラー姉妹とは、とても裕福な家庭の3姉妹です。これについては次の記事にまとめていますので是非ご覧ください。

 

 

アンジェリカは何故退いたのか

また、“A Winter Ball”の冒頭を見て頂ければお分かりになるのですが、バーがハミルトンに「スカイラーと結婚したら金持ちだぜ」と言っています。

 

そのやりとりをアンジェリカはもちろん知るはずがないのですが、同じようなことを感じていたと分かるのが“That elevates his status”の部分です。“That”とは「スカイラー姉妹」のことで、スカイラー姉妹と結婚すればというニュアンスが含まれると考えられます。スカイラー姉妹と結婚すれば、「彼の地位は上がる」というのですね。

“I’d have to be naïve to set that aside maybe that is why I introduce him to Eliza, now that’s his bride.”は少し長めの文章ですが、感覚的には「私はそういったことには惑わされたくないから、一度そういう考えは脇に置いて彼をエリザベスに紹介したのかもしれない。そんな彼女は今や彼の花嫁だけど…」といったところでしょう。

 

アンジェリカの悲しい自画自賛

自分は長女だからお金持ちと結婚しなければならないし…と自分を思いこませ(根本的事実①)、ハミルトンが近寄って来たのは私が裕福だからだろうと推測をし(根本的事実②)、だったら妹を紹介すれば丸く収まると判断したアンジェリカ。

その悲しくも素晴らしい気転にアンジェリカは自画自賛します。それが“Nice going, Angelica”の部分です。Nice goingとは「よくやった、うまい!」といった意味合いです。

そしてこの後が辛いですね。“he was right, You will never be satisfied.(彼は正しかったわ、私が満足するなんてことは無い)”です。

根本的事実①でハミルトンは「お互い満足することがないという点で似ている」と自身とアンジェリカを比較しましたが、そのことをここでは言っています。

こういう気転が利きすぎる性格だからこそ、自分を押さえてしまって本当の意味で満足することはない…と言っているのです。

いかがでしたか?

アンジェリカの葛藤と複雑な胸の内がだんだん明らかになって来ましたね。そしてとうとう次が最後、3つ目の根本的事実です。続きは是非次の記事からご覧くださいね。

 

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