アンジェリカが気付いた、3つの根本的事実③

ミュージカル『ハミルトン(Hamilton)』より“Satisfied”の英語歌詞を見てみると、アンジェリカが妹のエリザベスと同じタイミングで、ハミルトンに恋してしまったことが分かります。

そしてその直後、アンジェリカが3つの根本的事実に気付いた(“Three fundamental truths at the exact same time…”)とありますが、その3つの根本的事実とは何なのでしょうか?今回は最後、3つ目を解説します。

1つ目、2つ目の根本的事実については次の記事でまとめていますので、ご覧くださいね。

 

 

歌詞のおさらい

自分は長女だからお金持ちと結婚しなければならないし…と自分を思いこませ、ハミルトンが近寄って来たのは私が裕福だからだろうと推測をし、だったら妹を紹介すれば丸く収まると判断したアンジェリカ。

そして場面は移っていきます。アンジェリカが妹を紹介し、ハミルトンとエリザベスが初めて会話をするシーンです。

 

ELIZA:Thank you for all your service.
HAMILTON:If it takes fighting a war for us to meet, it will have been worth it.
ANGELICA:I’ll leave you to it.

COMPANY:
Number three!

ANGELICA:
I know my sister like I know my own mind, you will never find anyone as trusting or as kind.
If I tell her that I love him she’d be silently resigned, he’d be mine. She would say, “I’m fine”
ANGELICA AND COMPANY
She’d be lying.
―ミュージカル“Hamilton”より“Satisfied”

 

最初3行の会話は“Helpless”で歌われているのと同じです。会話の内容については次の記事をご覧くださいね。

 

3つ目の根本的事実

さて、とうとう“Number three!”です。Three fundamental truths at the exact same time…((そして私は悟ったの)3つの根本的な事実を、全く同じタイミングで)”に対する3つ目の事実が話されます。

ここではアンジェリカが感じ取った、エリザベスの立場が歌われています。

1つずつ見ていきましょう。“I know my sister like I know my own mind, you will never find anyone as trusting or as kind.”の部分は2つに分けると分かりやすいです。

 

  • I know my sister like I know my own mind
  • you will never find anyone as trusting or as kind.

 

前者は「私は自分の妹のことを、私の気持ちを理解するのと同じ位理解している」です。後者はエリザベスの性格を歌っているのですが、「あんなに信頼が置けて、思いやりのある人を見つけることなんてできない」です。姉妹として、エリザベスのことをどれだけ思っているかが分かります。

それくらいエリザベスのことを分かっているのに…という気持ちから続くのが“If I tell her that I love him she’d be silently resigned, he’d be mine.”。「もし私が彼女にハミルトンのことを愛しているなんて伝えたら、彼女は静かに身を引いて、彼は私のものとなる」という内容です。

そして“She would say, “I’m fine”/She’d be lying.”ですが、「彼女は嘘をついて、“私は大丈夫”って言うわ」という意味です。

妹の性格を熟知したアンジェリカならではの分析ですね。もしアンジェリカが正直な気持ちを伝えたら、きっとエリザベスは姉の気持ちを思って自分は大丈夫だからって静かに退く…。そういうことが予想できたからこそ、アンジェリカは自ら身を引いたのです。

なんと姉妹思いの2人なのでしょうか…そしてアンジェリカが思った3つの揺るがぬ根本的な事実…。

本当に…本当に…

1回泣いてきて良いですか…???

(号泣)

 

 

アンジェリカの気持ち

そして曲調は変わり、アンジェリカの正直な気持ちに移り変わります。それがこのパートです。

 

ANGELICA:
But when I fantasize at night it’s Alexander’s eyes,
as I romanticize what might have been if I hadn’t sized him up so quickly.
At least my dear Eliza’s his wife; at least I keep his eyes in my life…
―ミュージカル“Hamilton”より“Satisfied”

 

冒頭はこうです、「でも私が夜夢想するのは、アレクサンダーの目」。きっと初対面の時のハミルトンの印象がずっと脳裏から離れないのでしょうね。

そしてこう続きます、「もし私が彼のことをあんなにすぐ諦めなければと、空想するの」。“size up”とは「判断する、評価する」という意味なので、ここでは「結論を急がなければ、判断を迫らなければ」といったニュアンスが近いでしょうね。

最後の行は“At least”で始まっていますが、これは「せめて、少なくとも」という意味です。少なくとも、何なのでしょうか?それが“dear Eliza’s his wife; at least I keep his eyes in my life”に込められています。「少なくとも、エリザベスは彼の妻になったわ。少なくとも、私は彼の目を私の人生で留めておくことが出来る」といった意味合いです。

つまり、「私は夜になれば、もしあの時ああなっていなければ…と彼の目を思い出しながら想像するの。でもエリザベスが彼と結婚したから…私は少なくとも人生を通して彼の目を見ていることは出来るから…」といったニュアンスになります。そうやって自分を満足させようとしているのですね。

そして、場面は“Satisfied”の一番最初に戻っていき、乾杯のシーンへと戻っていきます。一番最初に聴いた時の乾杯の印象と、終わりで聴いた時の乾杯の印象とではきっと異なるはずです。全く同じ歌詞、歌い方なのにこの効果を生み出すとは、その間の空想シーンがこれだけ濃密で内容的に観客の心を揺さぶるからです。

いかがでしたか、この展開?

この曲の素晴らしさをお分かり頂けたならば、私としても本望です。ハミルトンもエリザベスも、そんな気持ちがアンジェリカにあったなどと気付いていない、そして彼に限らず誰も…です。頭が良く、機転が利いて、妹思いのアンジェリカ。そんな彼女の情熱的で儚い恋を知って頂けたのでは…と思います。

もう一度この歌詞をじっくり読みこみたいという方はこちらのリンクからご覧くださいね。

 

♪『ハミルトン』の曲一覧はこちらから:ハミルトン/英語歌詞を徹底分析!

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