Tango: Maureen③混乱するジョアンと楽しむマーク

ミュージカル『レント(RENT)』より“Tango:Maureen”を見てみると、過去にマーク自身が経験した心境を、ジョアンが今まさに体験していることが分かります。

混乱するジョアンとそれを楽しむマークは、それぞれどのように気持ちを表現しているのでしょうか?

歌詞のおさらい

大好きです、この曲!

タンゴのリズムに刻まれながら、頭のキレる両者が素晴らしい論理展開を繰り広げていきますね。過去の恋人であろうが、今の恋人であろうが、結局モーリーンに振り回されている2人が、なんだかんだいって協力しているのが本当に面白いナンバーです。

マークは元恋人であることからモーリーンのことをよく分かっているのに対して、現恋人のジョアンはまだまだモーリーンを理解しきれていない。それが恋敵であるはずのマークによって少しずつ理解を深めざるを得ないところが笑えます。そんなところに注目しながら見ていきましょう。

今回は、恋敵同士の2人が何故か一緒にいることを奇妙に感じている場面ですよ。

 

JOANNE:
This is weird

MARK:
It’s weird

JOANNE:
Very weird

MARK:
Fuckin’ weird

JOANNE:
I’m so mad
That I don’t know what to do
Fighting with microphones
Freezing down to my bones
And to top it all off
I’m with you

MARK:
Feel like going insane?
Got a fire in your brain?
And you’re thinking of drinking gasoline?

JOANNE:
As a matter of fact

MARK:
Honey, I know this act
It’s called the ‘Tango Maureen’
―ミュージカル“RENT”より“Tango: Maureen”

 

繰り返される“weird”

曲が始まると、まず連発されるのがこの“weird”という単語です。“weird”とはこういう意味です。

 

  • weird…(幽霊など超自然的なものを思わせて)異様な、気味の悪い、この世のものでない、変な、奇妙な

 

モーリーンの元恋人と現恋人が居合わせるなんて、お互いにとっては奇妙としか言いようがないですよね。ジョアンはこの状況を受け入れられないといった風に、マークはどこか他人事でジョアンを冷やかすような感じに歌います。ニュアンス的にはこうです。

 

  • This is weird…なんて奇妙なの
  • It’s weird…実に奇妙だ
  • Very weird…とっても奇妙だわ
  • Fuckin’ weird…マジで奇妙だ

 

“Fuckin’”はあまりにも汚い言葉なので使わないで頂きたいのですが、この単語にはあらゆる意味があります。

良い場面では使わないことが分かって頂けたかと思いますが、マークのパートの場合は後に続く“weird”を強調する意味で使っているので、「マジで奇妙だ」とか「クソ奇妙だ」とかいったニュアンスになりますよ。

 

 

気が狂いそうなジョアン

この状況に耐えられないジョアンは、もう限界だということをこんな風に歌っています。

 

  • I’m so mad…気が狂いそうで
  • That I don’t know what to do…どうしたら良いか分からない
  • Fighting with microphones…マイクと格闘して
  • Freezing down to my bones…骨の髄まで凍り付いて
  • And to top it all off…挙句の果てに
  • I’m with you…あなたといるなんて

 

賢く理性的なジョアンが見事なまでに崩壊していく状態が手に取るように分かりますね。

“Fighting with microphones”というのは、マイクが上手く作動せず、ずっとケーブルと格闘していたことを指しています。“Freezing down to my bones”は、このままではサンプルを作ることが出来ず、絶体絶命だと嘆いているんですね。いずれも冒頭の台詞でやりとりしていた内容です。

 

追い打ちをかけるマーク

 

そしてマークは、そんなジョアンに追い打ちをかけるように続けます。

 

  • Feel like going insane?…正気ではなくなりそうだろ?
  • Got a fire in your brain?…脳みそに火が付いたようだろ?
  • And you’re thinking of drinking gasoline?…その上、ガソリンを飲んでやろうって気になるだろ?

 

仮に脳みそに火が付いたとして、ガソリンなんて飲んだら「火に油を注ぐ」ようなもの。つまり、モーリーンと付き合うと、正気を保てずおかしくなってしまうしまうということを歌っているのです。マークはジョアンの気持ちが手に取るように分かるんでしょうね。

そしてそんなマークの冷やかしに対して、ジョアンは“As a matter of fact(実際のところ)”と答えています。つまり、「まさにその通りよ」と返しているんですね。図星…ですね(苦笑)。

 

これが「モーリーンのタンゴ」

気が狂って、火が付いたような気分になって、ガソリンを飲んでしまいそうな気分になること。これを何と呼ぶか、マークが説明していますね。

 

  • Honey, I know this act…お嬢さん、俺はこの演目知ってるぜ
  • It’s called the ‘Tango Maureen’…これは「モーリーンのタンゴ」って言うんだ

 

“act”というのは、「演目、演技、行為」などの意味がありますが、ここでは演目という解釈で良いでしょう。というのも、“Tango Maureen”がマークによって演目の名前のようなかたちで紹介さているので、そう解釈するのがスムーズだと思います。「ありさま」でもいいかもしれませんね。
それでは何故、これが「ワルツ」でも「サンバ」でもなく「タンゴ」なのか…それについて考察してみたので、次の記事も是非併せてお読みくださいね。

 

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