Tango: Maureen⑦モーリーンの性格に嘆くジョアン

ミュージカル『レント(RENT)』より“Tango:Maureen”を見てみると、モーリーンがどういう女性なのか一通りマークに説明され、その全てがジョアンにとって図星であったと分かります。

甘え上手で、浮気性なモーリーンが自分だけを見てくれていないということに嘆くジョアン。その嘆きと「モーリーンのタンゴ」について説明しますよ。

※この曲がなぜ「タンゴ」なのかという点を考察してみました!こちらの記事を先に読んでいただくと、より理解が深まりますよ。

歌詞のおさらい

大好きです、この曲!

タンゴのリズムに刻まれながら、頭のキレる両者が素晴らしい論理展開を繰り広げていきますね。過去の恋人であろうが、今の恋人であろうが、結局モーリーンに振り回されている2人が、なんだかんだいって協力しているのが本当に面白いナンバーです。

マークは元恋人であることからモーリーンのことをよく分かっているのに対して、現恋人のジョアンはまだまだモーリーンを理解しきれていない。それが恋敵であるはずのマークによって少しずつ理解を深めざるを得ないところが笑えます。そんなところに注目しながら見ていきましょう。

今回は、モーリーンが浮気性であるとジョアンが理解してしまって、嘆く場面ですよ。

 

JOANNE:
You should try it in heels!
She cheated

MARK:
She cheated

JOANNE:
Maureen cheated

MARK:
Fuckin’ cheated

JOANNE:
I’m defeated
I should give up right now

MARK:
Gotta look on the bright side
With all of your might

JOANNE:
I’d fall for her still anyhow
―ミュージカル“RENT”より“Tango: Maureen”

 

嫌いにはなれない

cheated”の“cheat”とは「だます、だまして取る、だましてさせる」という意味がありますから、4回に渡って交互に歌われるのは、こういう意味になります。

 

  • She cheated…彼女、騙したのね
  • She cheated…彼女、騙していたんだ
  • Maureen cheated…モーリーンは、騙していたのね
  • Fuckin’ cheated…クソ騙してたんだ

 

“fuckin’”は“fuck”という単語が元ですが、別の記事でも説明している通り、ベリー・バッド・ワードです。アメリカでは“F word(Fから始まる言葉)”と言って単語をはっきりと言わないくらい。ですから皆さんは使わないようにしてくださいね。

そしてこの単語がこの場面でどのような意味になるのかというと、「マジ」とか「クソ」とかそういう感じで使われます。なので、ここはそういうニュアンスで捉えられればOKです。

ジョアンは自信をなくしてしまって、I’m defeated/I should give up right now(私、負かされたわ。今すぐにでも彼女のことを諦めるべきだわ)”と歌うのですが、そこはマーク“Gotta look on the bright side/With all of your might(明るい方を見ないと、君の全力を尽くして)”と返します。さすが、先輩は言うことが違いますね(笑)。

そんなマークにに対して、“I’d fall for her still anyhow(とは言え、どちみち彼女に惚れ続けるのよ)”と歌っているので、ジョアンはモーリーンから離れられないことを自覚しているんですね。あー…恋心というのは本当に…。

 

 

歌詞のおさらい

そしてこの曲の最後、クライマックスです。

 

BOTH:
When you’re dancing her dance
You don’t stand a chance
Her grip of romance
Make you fall

MARK:
So you think, ‘Might as well

JOANNE:
“Dance a tango to hell”

BOTH:
At least I’ll have tangoed at all
The Tango Maureen
Gotta dance till your diva is through
You pretend to believe her
Cause in the end — you can’t leave her
But the end it will come
Still you have to play dumb
Till you’re glum and you bum
And turn blue

MARK:
Why do we love when she’s mean?

JOANNE:
And she can be so obscene

MARK:
Try the mike

JOANNE:
My Maureen (reverb: een, een, een…)

MARK:
Patched

JOANNE:
Thanks
―ミュージカル“RENT”より“Tango: Maureen”

 

モーリーンのタンゴって?

ここでは「モーリーンのタンゴ」とは何なのかが、説明されています。

 

  • When you’re dancing her dance…彼女のダンスを踊っている時は
  • You don’t stand a chance…君(あなた)には見込みがない
  • Her grip of romance…彼女のロマンスの支配下では
  • Make you fall…君(あなた)を惚れさせてしまうから
  • So you think, ‘Might as well’…だから君(あなた)は思う、「ついでだから」
  • “Dance a tango to hell”…「地獄へ導かれるダンスを踊ってやる」って

 

ひゃー、カッコいい!

“tango”は踊りとして一方がもう一方を導くような踊りなのですが、曲題にもなっている“Tango:Maureen”というのは「モーリーンが主導権を握りっぱなしのタンゴ」ということなんだと理解できます。

というのも“When you’re dancing her dance”の「彼女のダンス」というのは「彼女主導の」という解釈ができ、常にモーリーンに主導権がある状態だと、自分ばかりが振り回されてしまい、結局地獄まで付き合うことになる…ということを歌っているんです!

はー!なるほど!超かっこいいー。超かっこいいー!(←好きすぎて、何度も言う)

そして“’At least I’ll have tangoed at all’(せめてタンゴを踊り始めなければ良かった)”と嘆き、さらに「モーリーンのタンゴ」は“Gotta dance till your diva is through(踊り始めたら歌姫との関係が終わるまで踊り続けなければならない)”とも歌っています。

そしてモーリーンと踊るとこういうことになることが分かるのが次の部分です。

 

  • You pretend to believe her…彼女を信じるふりをする
  • Cause in the end — you can’t leave her…なぜなら最終的に、彼女を放っておけなくなるから
  • But the end it will come…でも終わりはくる
  • Still you have to play dumb…知らないふりをしていたとしても
  • Till you’re glum and you bum…君がふさぎ込んで、どうしようもなくなって、
  • And turn blue…青ざめてしったとしても

 

あー…なんかもう麻薬みたいですね。モーリーンという麻薬にジョアンは手を染めてしまったような感覚です。

そしてマークは“Why do we love when she’s mean?(どうして意地悪されるのに愛してしまうんだろうな?)”、ジョアンは“And she can be so obscene(彼女、あんなにふしだらなのに…)”と言い合ったところで調子の悪かったマイクを試します。すると直っていて、“Patched(修理完了)”となるわけですね。

そして次が最後の記事ですが、この“Patched”がなかなか隅に置けない単語なのです!次の記事でみっちり説明しますね。

 

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