The Man I Love/英語歌詞を徹底分析!

劇団四季ミュージカル『パリのアメリカ人(An American in Paris)』より“The Man I Love”の英語歌詞を見てみると、まだリズが出会っていない理想の相手について歌っていることが分かります。

シンプルな英語表現で歌われるその相手とはどんな男性なのでしょうか?

【ブロードウェイミュージカル“An American in Paris”/“The Man I Love”/作詞:Ira Gershwin】

リズが毎晩夢見ること

この曲はまったりとした曲調で、まるで甘い夢の中、淡い恋の中にいるような音楽ですよね。歌詞を見てみると、英語表現もさほどに難しくないことがお分かりいただけるでのではいでしょうか。

まず歌詞の最初のブロックから見ていきましょう。

 

When the mellow moon begins to beam,
Ev’ry night I dream a little dream,
And of course Prince Charming is the theme,
The he for me.
Although I realize as well as you
It is seldom that a dream comes true,
For/To me it’s clear
That he’ll appear.
―ブロードウェイミュージカル “An American in Paris” より “The Man I Love”(作詞:Ira Gershwin)

 

冒頭でリズが“Ev’ry night I dream a little dream(毎晩私は小さな夢を夢見る)”と歌っていることから、この曲がこれからリズの夢や理想について歌うということが分かります。“Ev’ry”は“Every”の短縮形ですよ。

まず、どんな時に夢見るのかというと“When the mellow moon begins to beam”です。“mellow”とは「芳醇な、豊かで美しい」という意味がありますから、ニュアンス的には「うっとりとした」でしょう。「うっとりとするような月が光を放ち始めたとき、毎晩私は小さな夢を夢見る」と歌っているのですね。想像するだけで美しい時間帯ですね。

3行目に“Prince Charming(プリンス・チャーミング)”とありますが、その固有名詞を見る限りでは『シンデレラ』の王子様では?と思う方が大半でしょう。私もその1人でした。しかし、実はプリンス・チャーミングには次のような意味があったんです。

 

プリンス・チャーミング(Prince Charming)は、おとぎ話におけるストックキャラクターのひとつ。プリンスであり、いわゆる「囚われの姫君」(Damsel in distress)を窮地から救い出す。「白馬の王子」「魅惑の王子」と称されることもある。物語によっては固有の名前を与えられることもあるが、逆に物語の中では固有の名前が判らないこともある。

多くの物語では、プリンス・チャーミングは美男子でありロマンチックな雰囲気を身に着けているが、あくまでもヒロイン(囚われの姫君)の引き立て役であり、特徴付けがされていないことも多い。
プリンス・チャーミング(wikipedia)

 

辞書で調べてみると、このような説明がされていました。

 

  • Prince Charming…魅力的な男性、理想の男性

 

つまり、「プリンス・チャーミング」というのは王子の名前というよりは象徴の1つで、日本語で言うなら「白馬の王子様(理想の男性)」ということなんですね。4行目で“the he for me”と歌っていることから“the he”とは「特定の彼」であることも分かりますから、「私にとっての理想の彼がテーマの、小さな夢を夢見る」のだと歌っているのです。

なんと、少女のように可愛らしい歌い出しなのでしょうか…うっとりしてしまいますね。

 

 

理想の男性像は?

続く歌詞ではこのように歌われています。

 

Some day he’ll come along,
The man I love
And he’ll be big and strong,
The man I love
And when he comes my way
I’ll do my best to make him stay.

He’ll look at me and smile
I’ll understand;
And in a little while,
He’ll take my hand;
And though it seems absurd,
I know we both won’t say a word
―ブロードウェイミュージカル “An American in Paris” より “The Man I Love”(作詞:Ira Gershwin)

 

“Prince Charming=the he=the man I love”ですから、ここではリズにとっての理想の男性についての詳細が歌われています。

 

  • some day he’ll come along…いつの日か彼は現れる
  • he’ll be big and strong…彼は大きくたくましい
  • when he comes my way, I’ll do my best to make him stay…私の前に現れたら、彼が留まるよう最大限のことをするわ
  • he’ll look at me and smile…彼は私を見てほほ笑む
  • and in a little while, he’ll take may hand…そしてすぐに彼は私の手をとり
  • and though it seems absurd, I know we both won’t say a word…少しおかしく感じるかもしれないけれど、分かるの、どちらも言葉を発しないと

 

とても美しい出会いですね。出会いは突然、そして言葉はいらない。運命の出会いとはこういう出会いのことをいうのでしょう。

 

理想の彼と出会う日はいつ?

こんなに美しい夢を思い描いて…彼に出会えるのはいつなのかしら…そんなことをリズは歌います。

 

Maybe I shall meet him Sunday
Maybe Monday, maybe not;
Still I’m sure to meet him one day
Maybe Tuesday will be my good news day

He’ll build a little home
Just meant for two,
From which I’ll never roam,
Who would – would you?
And so all else above
I’m waiting for the man I love.
―ブロードウェイミュージカル “An American in Paris” より “The Man I Love”(作詞:Ira Gershwin)

 

運命の出会いはいつなのか…それは次のパートで歌われていますね。

 

  • Maybe I shall meet him Sunday…日曜日に出会うかもしれないし
  • Maybe Monday, maybe not…月曜日かもしれないし、そうじゃないかもしれない
  • Still I’m sure to meet him one day…それでも私はいつか必ず彼と出会う
  • Maybe Tuesday will be my good news day…吉報の日は火曜日かもしれない

 

全ての行に“day”が入っていて耳に心地の良いブロックではありませんか?いつの日か出会う白馬の王子様を待ち続けているリズの姿が目に浮かびます。

“Just meant for two”とは「2人のためだけの」という意味ですから、「そして彼は私たち2人のためだけの家を建てる」です。そして、“which I’ll never roam”とは「私がもう二度とさ迷うことのないように」です。ここで気づかされるのは、リズが戦時中辛い思いをしたということ。そんな思いを二度としなくて良い…それを叶えてくれるというのも、彼女にとっての理想像の1つなんですね。

そして曲の終わり方が素敵ですね。

 

  • And so all else above…そして以上が
  • I’m waiting for the man I love…私が待っている愛する男の人なの

 

リズの恋物語が始まる…という感じがしますね。まるでとても芳しいアロマの香りをかいだ気持ちになる曲です。

こうやって歌詞を見てみると、夜というのは一人になれる時間ということもあり、自身が素になれる時なんだなと感じさせられます。そして、人によって夜の印象も変わりますね。リズと対照的なのは『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ。いずれもフランスが舞台の物語です。是非、こちらも読んでみてくださいね。

 

また、リズの働く香水ショップは実在する有名デパートにある設定だそう。その有名デパートについてまとめてみましたよ。

 

 

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