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くどくて、忠実で、従順なザズの熱弁

劇団四季ミュージカル『ライオンキング(The Lion King)』より“The Morning Report(朝の報告)”の英語歌詞を見てみると、ザズの熱弁から曲が始まっていることが分かります。

劇団四季版でも十分熱弁さが伝わってきますが、英語ではどのような内容になっているのでしょうか?

【ブロードウェイミュージカル“The Lion King”/“The Morning Report”/作詞:Elton John and Tim Rice * 劇団四季ミュージカル『ライオンキング』/「朝の報告」/訳詞:浅利慶太】

歌詞のおさらい

英語版

ZAZU:
It’s an honor and a privilege, a duty I perform
With due sense of decorum and with pride
With deference and great respect very much the norm
Plus a hint of sycophancy on the side
To lay before my ruler all the facts about his realm
To fill him in on all the beastly news

MUFASA (spoken):
Yes, yes, Zazu, get on with it!

ZAZU:
In order that His Majesty stands sturdy at the helm
Aware of all the fauna‘s latest views

MUFASA (spoken):
Zazu! The morning report!

ZAZU (spoken):
Er – yes, Sire: the morning report!
―ブロードウェイミュージカル“The Lion King”より “The Morning Report”(作詞:Elton John and Tim Rice)

 

劇団四季版

毎日行う この名誉ある仕事に
私は誇りを持っておりまする

我が偉大なる王様に
礼儀正しく 尊敬と少々の
お世辞をこめて(ザズ!)

この動物王国の
全てのニュースを
最大もらさず
ご報告申し上げます

(わかった、わかった、ザズ、
続きを聞かせなさい)
間違って お国を導かぬよう
最新情報を差し上げます

(ザズ、)(朝の報告だ!)
(はい、かしこまりました、
朝のご報告!)
―劇団四季ミュージカル 『ライオンキング』 より 「朝の報告」(訳詞:浅利慶太)

 

歌詞の意味

かしこまった言葉の数々

ザズが使う単語はかしこまっているおのばかりなので、あまり聞き慣れない言葉が多く使われています。まずは単語を1つ1つ見ていきましょう。

 

  • honor…名誉
  • privilege…名誉、光栄
  • duty…任務、職務、務め
  • sense of decorum…礼儀感覚
  • pride…誇り、プライド
  • deference…尊敬、敬意
  • respect…尊敬、自尊心
  • sycophancy…おべっか

 

本当に名誉なことがなければ使うことのなさそうな単語たちですね。

劇団四季版でも分かる通り、ザズはこの職務に就いていることをよほど誇り高く思っているのでしょう。「今日もあなた(ムファサ)の下で働けることをとても名誉に思っています。朝のご報告を始めさせて頂きます。」と言えば良いところを、お世辞にお世辞を重ねるようにしつこく言葉を並べ立てているのですね(笑)。

 

くどくて、しつこいザズ

最初の4行を見ていただけるとお分かりいただけますが、3、4行目の先頭が“with”“plus”となっていますね。これは、1行目のベースとなる文に、付け足しをするという構造になっています。

つまり、先ほども申し上げた通り、ザズは“It’s an honor and a privilege(名誉であり光栄です)”とだけ言えば良いのに、それに加えて大袈裟な表現をしているわけです。まず最初の2行はこうなっています。ちょっと改行位置を変えながら説明していきますね。

 

  • It’s an honor and a privilege a duty I perform…私が就いてるこの職務は、名誉であり光栄です
  • with due sense of decorum and with pride…礼儀正しく、誇りをもって(この職務について)おり

 

これだけでもくどいですが、ここからもっとくどくなります。

 

  • With deference and great respect very much the norm…そして、(この職務については)敬意と壮大な尊敬を持っており
  • Plus a hint of sycophancy on the side…加えて、少しのおべっかもわきに添えております

 

光栄なのは分かったよ…「で?」と言いたくなるくらいしつこいですよね(笑)。

 

 

仕事に忠実

続きを見ていきましょう。まず、“my ruler(私の支配者)”とは紛れもなくムファサのことです。“all the facts about his realm”とは「彼の王国に関する全ての事実」という意味で、“fill in on”は「詳しく知らせる」ですから、残りの2行はこうなります。

 

  • To lay before my ruler all the facts about his realm…私の支配者に、彼の王国に関する全ての事実を並べるために
  • To fill him in on all the beastly news…いまいましいニュースの全てを詳しく知らせるために

 

そして、一度はムファサが割って入りますが、お構いなくこう続けます。

 

  • In order that His Majesty stands sturdy at the helm…陛下が不屈な支配的地位に就いていることが出来るよう
  • Aware of all the fauna’s latest views…動物界の最新情報をお知らせしします

 

日本語訳よりもしつこさが増している感じも受けますが、ここまでくると、もう仕事に忠実で主君に従順で尊敬の念を抱き始めそうです…。

それにしても、劇団四季版ではかなり的確に訳されていることが分かりますね。音にもしっかり合っていますし、素晴らしい!

 

ムファサのいらだち

なかなか朝の報告を始めないザズに、少々苛立つムファサ王。そんな彼はザズ遮ってこのように言っています。1つ目は、

 

  • Yes, yes, Zazu, get on with it!

 

です。

“yes, yes”の部分は「分かった、分かった」とか「はい、はい」という意味になります。“get on with it”は「急げ!」「さっさとやれ!」「ぐずぐずせずにやれ!」のような意味がありますから、ここは「分かった、分かった、ザス、さっさと始めなさい」といった具合でしょう。2つ目は、

 

  • Zazu! The morning report!

 

で、これは見ての通り「ザス!朝の報告をしなさい!」ですね。

それに対してザズは“Er – yes, Sire: the morning report!…”と言っていますが、ニュアンス的には「えーっと、あ、はい陛下。朝のご報告です!」といった感じです。自分の熱弁に酔ってしまって、本来の業務を忘れてしまったザズが「そうでした、そうでした」と自分のすべきことを思い出している感じですね。ちょっと可愛らしいです。

それにしてもここまで熱弁を繰り広げられるほど、ムファサ王とは偉大なのだと分かりますね。

 

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