アンジェリカの知性が光る英語歌詞②『独立宣言』とは(中)

ミュージカル『ハミルトン(Hamilton)』より“The Schuyler Sisters”の英語歌詞を見てみると、歌の中盤でアンジェリカとバーラップバトルのようなことをしているパートがありますよね。

前半がバー、後半がアンジェリカなのですが、アンジェリカのパートは、彼女の知性がものずごく光る内容になっているんです!

実はアンジェリカと妹たちがが歌っていたのは『独立宣言』の名フレーズだって、気づきましたか?

まず、前半部分のバーとアンジェリカのカッコイイやりとりについてはこちらの記事をご覧ください。

 

また、今回ご紹介するアンジェリカのパートについては、こちらも併せてご覧ください。

 

 

絶対注目してほしい、その歌詞とは

今回取り上げるのはアンジェリカとスカイラー姉妹が歌う次のフレーズ。※韻を踏んでいるところは赤字にしてあります。

 

ANGELICA:
I’ve been reading Common Sense by Thomas Paine
So men say that I’m intense or I’m insane
You want a revolution? I want a revelation
So listen to my declaration:

ALL SISTERS:
“We hold these truths to be self-evident
That all men are created equal”

ANGELICA and (COMPANY):
And when I meet Thomas Jefferson (unh!)
I’mma compel him to include women in the sequel

WOMEN: Work!
―ミュージカル“Hamilton”より“The Schuyler Sisters”

 

この中から、2ブロック目に注目します。

今回、この“We hold these truths to be self-evident/That all men are created equal”に注目しようと思った理由…それは「どうして台詞部分なのにわざわざ“ ”が付いているんだろう?」と疑問に思ったからです。

そこで調べてみると、これが『独立宣言』に書かれている1つのフレーズだということが分かったんです!詳細は次の記事にまとめているのでご覧ください。

 

歌詞は『独立宣言』の有名なフレーズだった!

さて、先の記事を読んで頂ければ『独立宣言』がどういうものかは大体把握できたのではと思います。

スカイラー姉妹が歌っていたフレーズと『独立宣言』内の次の一文の冒頭部分(赤字箇所)を比較してみましょう。

 

We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal, that they are endowed by their Creator with certain unalienable Rights, that among these are Life, Liberty and the pursuit of Happiness.
United States Declaration of Independence(wikipedia)

 

赤字部分が、内容がぴったり一致しますね!

ではこれはどういう意味なのでしょうか?日本語にするとどうなるのでしょう?探してみると、「アメリカンセンターJAPAN」というサイトにその全文和訳が載っていましたのでご紹介します。

 

われわれは、以下の事実を自明のことと信じる。すなわち、すべての人間は生まれながらにして平等で あり、その創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられているという こと。
独立宣言(アメリカンセンターJAPAN)

 

色を付けるとしたら、以上の部分が一致します。ですから、スカイラー姉妹は『独立宣言』を引用して、「私たちは、次の事実を自明のことと信じているわ。つまり、すべての人間は生まれながらにして平等であるということを。」と歌っているんですね!

トマス・ペインの『コモン・センス』に続き、トマス・ジェファーソンの『独立宣言』!これだけでもアンジェリカの知性が光るのですが、何よりもカッコいいところは、これをさらりとバーやり合ってしまえるところです。

はー、カッコイイ…!本当にカッコイイ!!アンジェリカが好きだー!

でも、アンジェリカのカッコイイところは、知性に加えて自分の意見が加わるところです!これについては、次の記事でご説明しますよ。

 

 

このシーンはいつ頃のこと?

『ハミルトン』の曲によっては、曲中に年代が入っているのでいつ頃のことかイメージしやすいのですが、このシーンは年代が書かれていませんよね。

アンジェリカが『独立宣言』を引用をしているということは、これはアメリカが独立した直後のことなのでしょうか?

自信がなかったので、twitterを通じてお世話になっている、西川秀和(@Poeta_Laureatus)様に、時代確認をさせて頂きました。

すると、即座にこういった返答が…!(ご本人にDM内容の掲載許可は頂いております。)

 

まず注目点は『コモン・センス』の話が出ている点です。コモン・センスの発行は1776年1月10日です。したがって、1776年ということになるでしょう。
それで「夏」という言葉が出て来ますが、そうなると1776年夏ということになるでしょう。ニュー・ヨークで独立宣言が布告されたのは7月9日です。(中略)
ジェファソンはフィラデルフィアで独立宣言を起草しているわけでスカイラー家の人々が会える機会はほとんどなかったと思います。1776年の時点でフィリップ・スカイラーは北部方面の作戦に忙しく、これは確証はありませんが、おそらくスカイラー家の人々はオールバニー周辺にいたのではないかと思います。ニュー・ヨーク・シティが戦場になることはかなり前から分かっていましたからね。
ただアーロン・バーは1776年夏にニュー・ヨーク・シティにいることは確かです。
最初の質問に戻ると、時期があっているかと言われれば、コモンセンスが1776年1月に出ていること、そして、夏だということを考えれば、時期は合っているでしょうね。
―西川秀和(@Poeta_Laureatus)様よりtwitterDMのやりとりにて

 

「とり急ぎ、このシーンがいつの時代か分かれば…」と思ってDMさせて頂いたのにも関わらず、いつ、誰が、どこにいたかまでも明確に!大変有難い情報です。

 

  1. 曲中でアーロン・バーが歌っているパート“Ooh, there’s nothing like summer in the city”内の“summer”とは、アンジェリカの歌詞内に『コモン・センス』と『独立宣言』があることから、1776年の夏と考えられる。
  2. 『独立宣言』を起草したトマス・ジェファーソンは『独立宣言』の起草をフィラデルフィアで行っていたため、アンジェリカがジェファーソンから直接そのフレーズを聞くことはなかったはず。
  3. よって、アンジェリカは出版物として『独立宣言』を読んだと言える。

 

この点から考えると、少なくともこのシーンは1776年7月9日以降の夏のシーンだということです。

少しの疑問からこんなに質のある情報まで頂けるというのは、大変有難いことですし、『ハミルトン』を理解する上でとても重要なことですね。西川秀和(@Poeta_Laureatus)様、有難うございます。

この情報、押さえておきましょう!

♪『ハミルトン』の曲一覧はこちらから:ハミルトン/英語歌詞を徹底分析!

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