I’ve Got Beginner’s Luck/英語歌詞を徹底解説

劇団四季ミュージカル『パリのアメリカ人(An American in Paris)』より “I’ve Got Beginner’s Luck(アイヴ・ガット・ビギナーズ・ラック)” の英語歌詞を見てみると、ジェリーが初めて恋に落ちたことを「ビギナーズラック」に例えながら歌っていることが分かります。

「ビギナーズラック」とは、初心者が往々にして得る幸運のことを指しています。
何故ジェリーは自分の恋をそう説明しているのでしょうか?
Music from the Musical
・作品名:パリのアメリカ人(An American in Paris)
・曲名:I’ve Got Beginner’s Luck(アイヴ・ガット・ビギナーズ・ラック)
・作詞:Ira Gershwin
https://www.instagram.com/p/BaTfI9_l8P6/
Contents:
「ビギナーズラック」とは?
「ビギナーズラック」って何かご存知ですか?
“beginner’s(初心者)” の “luck(幸運)” という意味で、辞書には次のように説明されています。
・beginner’s luck … 初心者が往々にして得る幸運
皆さんも経験があるのではないでしょうか?
初めてやるゲームなのにクリアできた、初めてのスキーなのに意外と上手く滑れたなどなど。
そしてこの言葉は賭け事でも使う言葉で、例えば初めてのスロットゲームで大儲けした…というのもビギナーズラックなんですね。
そんなことを例えにしながらこの曲は始まっています。
At any gambling casino
From Monte Carlo to Reno,
They tell you that a beginner
Comes out a winner.
Beginner fishing for flounder
Will catch a seventeen pounder;
That’s what I’ve always heard
And always thought absurd,
But now I believe ev’ry word!―ブロードウェイミュージカル “An American in Paris” より “I’ve Got Beginner’s Luck” (作詞:Ira Gershwin)
“gambling casino” とは「賭博をするカジノ」のことで、Monte Carlo(モンテカルロ)もReno(リノ)も、カジノで有名な都市です。
モンテカルロはフランスの南に位置しているモナコ公国にある都市で、リノはアメリカのネバダ州にあります。
『パリのアメリカ人』というだけあって、フランス方面とアメリカ方面にあるカジノを例に挙げているところに、こだわりが感じられますね。
↓ モンテカルロ
↓ リノ
「ビギナーズラック」が教えてくれたこと
モンテカルロとリノが何を教えてくれるのかというと、 “a beginner comes out a winner(初心者が勝者になるということ)” です。
つまり「ビギナーズラック」はある…ということを冒頭で歌っています。
賭博初心者がカジノで勝ったり、釣り初心者が大物を釣ったり…。
ジェリーはいつもそんなことを聞いてきて「ばかげている」と思っていたそうです。自分がそういう経験をしたことがなければ、当然信じられない話ですよね!
しかし、ジェリーは次にこう歌っています。
・but now I believe ev’ry word! … でも、もう全ての言葉を信じるよ!
何故、ジェリーは「ビギナーズラック」を信じるようになったのでしょうか?
ビギナーズラックとジェリーの恋の関係性
ジェリーが「ビギナーズラック」を信じるようになった理由はこれです。
For I’ve got beginner’s luck;
The first time I’m in love
I’m in love with you,
Gosh I’m lucky!I’ve got beginner’s luck;
There never was such a smile
Or such eyes of blue,
Gosh I’m fortunate!―ブロードウェイミュージカル “An American in Paris” より “I’ve Got Beginner’s Luck” (作詞:Ira Gershwin)
“I’ve got beginner’s luck” は「僕はビギナーズラックを経験したんだ」という意味で良いでしょう。
ジェリーのビギナーズラックはこれでした。
・The first time I’m in love/I’m in love with you … 初めての恋に落ちた、僕は君に恋している
・Gosh I’m lucky! … 僕はなんてラッキーなんだ!
また、こうも歌っています。
・There never was such a smile/Or such eyes of blue … 今までに見たことのない笑顔、そしてあんなに青い瞳
・Gosh I’m fortunate! … 僕はなんて幸運なんだ!
彼の初恋の気分をより詳細に説明しているのが次のパートです。
This thing we’ve begun
Is much more than a pastime,
For this time is the one
Where the first time is the last time!―ブロードウェイミュージカル “An American in Paris” より “I’ve Got Beginner’s Luck” (作詞:Ira Gershwin)
“this thing we’ve begun” を直訳すると「僕たちが初めたこれは」ですが、「これ」とはまさに「恋」のことですね。
単純に “love” と表現しないところがオシャレです。
その恋が何なのかというと、 “much more than a pastime(気晴らしよりずっと上)” つまり「気晴らしなんかじゃない」と言っています。
加えて、この恋は “first time is the last time!(最初で最後!)” だとも強調しており、ジェリーにとって本気の初恋で、最初で最後の恋。
それ以外考えられないといったまっすぐな想いが伝わってきます。
もちろん、この恋のお相手はリズですね。
途中、こんなことも歌われています。
I’ve got beginner’s luck;
They told me beginners win,
Now I know it’s true,
Gosh I’m fortunate!―ブロードウェイミュージカル “An American in Paris” より “I’ve Got Beginner’s Luck” (作詞:Ira Gershwin)
2、3行目は「みな初心者が勝つと教えてくれたけど、今ならそれが本当だと分かるよ」という意味です。
ビギナーズラックに対して半信半疑であったジェリーが、ビギナーズラックを自分の恋で経験し、納得したということですね。
そして最後には “Lucky through and through(ずっとずっと幸運だ)” と歌っています。
いかがでしたか?
感じたことを素直に言葉にして、前向きに生きていけるのってとても素敵ですよね!
こんな恋、したいものです…。
