金髪の「ブロンド」には、どのようなイメージがついている?

東宝ミュージカル『キューティ・ブロンド(Legally Bolnde)』を観る前に、必ず押さえておきたいことが1つあります。それは「ブロンドとは何か?」です。

 

ブロンド(金髪)にはある固定概念が付きまとっています。

 

それは「おバカ」です。

 

ブロンドには「美人だけど、頭が悪い」という固定概念があり、それを打ち砕くのが『キューティ・ブロンド』というミュージカルなのです。

Music from the Musical

・作品:キューティ・ブロンド(Legally Blonde)

・曲名:Omigod You Guys

・訳詞:上田一豪(作詞:Laurence O’Keefe and Nell Benjamin)

アルバムを視聴/楽譜 ・アルバム(英語):Legally Blonde
・楽譜:

 

ブロンド(金髪)のイメージ

 

あなたは「金髪(ブロンド)」と聞いて、何をイメージしますか?私ならセクシーな金髪美女を想像します。

一方「黒髪(ブルネット)」はどうですか?こちらは真面目な女性を連想させますね。

大半の方がこのようなイメージをすると思いますが、これは日本に限ったことではなくアメリカでもそうなんです。

この髪色に対する固定概念をベースにしたミュージカルが『キューティ・ブロンド』なんですよね。

ブロンドで、ファッションに目がなく、キャッキャしている女子大生のエルですが、この髪色のせいで婚約間近と思われた恋人に振られたり、教授に言い寄られたりします。

そんな彼らがブロンドに対して抱いているのが「尻軽女」「頭の悪い女」というイメージなんです。

 

Blonde stereotypes are stereotypes of blond-haired people, especially women.

Sub-types include the “blonde bombshell” and the “dumb blonde”.

Blondes are differently stereotyped from brunettes as more desirable and less intelligent.

Blonde stereotype(wikipedia)

 

ブロンドの固定概念は特に女性に対して持たれることが多く、それらの中には “blonde bombshell” や “dumb blonde” があります。

 

blonde bombshell … 悩殺的な金髪美人

 

dumb blonde … 美人だが、頭の悪い金髪女性

 

セクシーで美人だけど、頭が悪い…確かに、こういうイメージある」と頷いた方、少なくないのではないでしょうか?

では、何故このようなイメージがついてしまったのでしょうか?

それは意外にも身近な人の存在がありました。それがマリリン・モンローなんです。

 

20世紀のアメリカ合衆国で金髪のイメージを普及させるのに貢献した有名な二人のセックスシンボルとして、マリリン・モンローとジーン・ハーロウがいる。

モンローは(少女時代は淡い琥珀色の髪を持っていたが)濃いダークブロンドの持ち主であり、ハーロウは天然のアッシュブロンドの持ち主であった。

この二人は主演映画の中で、頻繁に典型的な「頭の悪いブロンド女」の役を演じた。ジーン・ハーロウは西洋において売春婦以外の一般の女性に髪の脱色の習慣を広めた人物としてしばしば引用される。

金髪(wikipedia)

 

映画で、容姿端麗のマリリン・モンローが頭の悪いブロンドを演じたことがきっかけで、ブロンドにこのようなイメージが付いてしまったんですね!

ちなみにセックスシンボルとは次のような意味です。

 

セックスシンボル(sex symbol)とは性的魅力があり、性的魅力によって人気を得る人物のこと。

セックスシンボル(wikipedia)

 

マリリン・モンローはまさにその1人ですね。

 

 

作品内で扱われる「ブロンド(金髪)」

ドレス選びのシーン

 

ではミュージカル『キューティ・ブロンド』の中では、ブロンドはどのように描かれているのでしょうか?2つのシーンを見てみましょう。いずれも1幕冒頭のシーンです。

ワーナーにプロポーズされると思い込んだエルは、最適な服を選びにショッピングモールへ行くのですが、その時「いかにもブロンド」といったエルを見て、店員はセール品のドレスを定価で売ろうとします。

しかし、ファッションに精通しているエルはすぐにそれがセール品だということを見抜き、彼女はこう言います。

 

It may be perfect for a blonde, but I’m not that blonde!

―ブロードウェイミュージカル “Legally Blonde” より “Omigod You Guys” (作詞:Laurence O’Keefe and Nell Benjamin)

 

意味はこうなります。

 

ブロンド(金髪)にはピッタリ(のドレス)かもしれないけれど、私はそこまでブロンド(おバカ)じゃないの。

容姿のブロンドと、固定概念としてのブロンドを上手く掛け合わせた一文で、このフレーズがこの作品を表しているとも言えますね。

 

プロポーズされると思っていたシーン

 

さて、次はワーナーとデートに行くシーンです。

てっきりプロポーズされる気でいた彼女に彼が言ったのはこんな言葉でした。

 

(Spoken) Elle, if I’m gonna be a senator when I’m thirty,
I’m gonna need somebody

Serious
Less of a Marilyn, more of a Jackie
Serious
Somebody classy and not too tacky

―ブロードウェイミュージカル “Legally Blonde” より “Serious” (作詞:Laurence O’Keefe and Nell Benjamin)

 

内容はこうです。

 

エル、もし僕が30歳で議員になるとしたら
僕には誰か真面目な人が必要なんだ。

 

マリリンではなく、ジャッキーなんだ。
誰か上品な人、ダサい人ではなくて。

 

エルは実際「ダサい」女性ではありませんが、議員の妻にはふさわしくない…つまり、ワーナーが言いたいのはこういうことです。

 

「議員の妻にふさわしいのはジャッキー(ジャクリーン・ケネディ)でマリリン・モンローじゃない」とは、劇中のワーナーの名セリフ。

百万長者と結婚する方法」(53)、「紳士は金髪がお好き」(53)、「お熱いのがお好き」(59)といった作品でモンローが演じた “金持ちとの結婚を女の夢と信じるオツムの軽いセクシー美人” は、多くのアメリカ人がブロンド娘に対して抱く定番のイメージ。

ブロンドvsブルネット(キューティ・ブロンド)

 

ジャッキーとは、J.F.ケネディの妻ジャクリーン・ケネディのこと。

彼女はブロンドではなくブルネットなので真面目なイメージがあり、議員の妻にふさわしいということです。

 

金髪についたイメージ、お分かり頂けたでしょうか?

「だったら、髪の毛を黒くしたら良いじゃない!」とか「ハーバード大学に入ったら良いじゃない!」とか、なかなか破天荒なアイディアに挑戦し続けるエル。

そんな彼女は、その後あらゆる努力の末、今まで自分が手にするとは考えてもみなかったことを次々と手に入れていきます。

『キューティ・ブロンド』は、愉快、痛快、そして爽快なコメディミュージカルですよ!

 

『ウィキッド』にも登場する「ブロンド」の表現

 

(追記:2017.5.3)

実はこんなブロンドの表現は、『ウィキッド(Wicked)』の「大嫌い(What Is This Feeling)」にも登場しています。

日本語だとこうなっている冒頭の歌詞。

 

グリンダ:
とにかく普通じゃなくて
とても変わっていて
さすがのあたしでも
まったく理解できない

エルファバ:
・・・おバカ。

―劇団四季ミュージカル『ウィキッド』より「大嫌い」(訳詞:浅利慶太)

 

実は、英語歌詞だとこうなっているのです。

 

GALINDA
Unusually and exceedingly peculiar
And altogether quite impossible to describe:

ELPHABA
Blonde.

―ブロードウェイミュージカル “Legally Blonde” より “What Is This Feeling” (作詞:Stephen Schwartz)

 

ブロンドには「おバカ」という意味があると、明確に分かる歌詞ですね。

“blonde” という表現が登場してきた時は、どういう意味か気にしてみてくださいね。

 

曲のポイント

 

・ブロンドには「おバカ」「尻軽女」という固定概念がある。

 

ブロンドに対する固定概念を覆すのが『キューティ・ブロンド』という作品

 


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