『オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドン』を観た感想


「ミュージカルの不朽の名作」を聞かれてミュージカル『オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera)』を挙げない人はいないでしょう。
逆に、有名すぎて名前を挙げることさえ忘れてしまう方もいるかもしれません。
『オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera)』を観たことがなくても、あの曲だけは知っている…という人も多いはず。
今回はそんな名作を観た感想をまとめます。
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Contents:
『オペラ座の怪人25周年記念公演 in ロンドン』を観たきっかけ
コロナで外出自粛になる中、youtubeチャンネルの “The Shows Must Go On!” が募金活動も兼ねて『オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドン』を2日限定で放送するということで、早速観ることに。
実は私、ミュージカル『オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera)』1度も観たことがありませんでした。
正直に言うと、有名すぎて観る気が起きなかったということと、あのゴージャスな世界観が苦手だということで、映画を観ること、原作を読むことに留まっていたのです。
なので、この作品について知っていることは、音楽とあらすじのみ。
演出がどう…とかそういうことは、何も知らなかったのです。
そんな中、youtubeで放送されるということだったので、重い腰を上げて観てみることに。
感想
率直な感想を、単刀直入に言うと「原作を読んでいた方が、分かりやすい」。
もちろん、ミュージカルだけでも楽しめるとは思いますが、原作を読んだ方が、登場人物1人1人の関係性をもっと強く感じることが出来ると思います。
怪人、クリスティーヌ、ラウルの3者に絞って言うと原作だとこういったことが分かります。
・ 怪人:この存在の不気味さ、執拗さ、不器用さ。そしてそこから生まれる恐怖心と執着心。そういったことが、順を追って分かる。
・ クリスティーヌ:怪人によって、もっと大きく理性を失う印象。彼女は決して怪人のみに縛られているのではなく、自分の過去から自分を縛ってしまっているのだということが明確に分かる。
・ ラウル:怪人とはなかなか対面しないということもあり、この怪奇現象を絶対に暴いてやるという、強い意志が伝わりやすい。
そして舞台はどうだったのかと言うと、私は原作の方が好きです。
きらびやかさよりも、怪人の暗闇の割合が多いところや、怪人が怪人になるべくしてなってしまった経緯などを読み取れるのが好きです。
また、クリスティーヌが最後までラウルを避け続ける辺りも良い。怪人に忠実であろうとする、半ば狂気じみた関係性が、ラウルには入ることの出来ない世界として描かれているところが、この作品の良さだと思っているので、そこのバランスが中途半端になっていたところが少し残念でした。
ただ言うまでもなく、このような原作から、あれだけの名曲が生まれたことは凄まじいことで、また原作が立体化(舞台化)された世界観は、原作を読んだ時に想像していた世界観とほぼ同じでした。
ミュージカル初心者にオススメする作品としては少しハードルが高いなと思いますが、クラシック芸術である「バレエ」「オペラ」を普段観ない方にとっては、質の高いそれを観るのに最適なミュージカルだと思います。「バレエ」も「オペラ」もレベルが高いです。
感想は以上ですが、1点気になったことが。このサルのオルゴールですね。
このオルゴールの重要性とはどういったものなのか、少し時間をかけて考えてみたいと思います。
考察が終わり、記事になりましたらリンクを貼りますね。
