アラジンの反省が色濃く歌われる、英語版「自慢の息子」③

 
こんにちは!

ミュージカル考察ブロガー、あきかん@performingart2)です。
 

劇団四季ミュージカル『アラジン(Aladdin)』より “Proud of Your Boy(自慢の息子)” の英語歌詞を見てみると、劇団四季版の歌詞とは遥かに温度差が異なることが分かります。

貧しいが故に盗みや騙しをはたらくアラジン。しかし、それでも自分のやっていることは正しくない…これでは母さんに顔向けできない…という気持ちを込めて歌っているのがこの曲なんですよね。

劇団四季版よりもずっとずっと反省の色が濃いアラジンの想いを、是非知りましょう。今回は終盤を解説します。

※これまでの歌詞の内容はこちらをご覧くださいね。

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ダメな自分を認めるアラジン

 

ここまで随分と反省をし、ダメな自分と向き合ってきたアラジンですが、それはここでも続きます。

 

Tell me that I’ve been a louse and loafer
You won’t get a fight here, no ma’am
Say I’m a goldbrick, a goof-off, no good
But that couldn’t be all that I am

―ブロードウェイミュージカル “Aladdin” より “Proud of Your Boy” (作詞:Howard Ashman)

 

“Tell me” と “Say” は亡き母親に対して言っている言葉で、いずれも「~と言って」という意味ですから、アラジンはお母さんに「母さん、僕に~だと言ってよ」と言って次の言葉を並べています。

 

  • louse … ろくでもないやつ
  • loafer … 怠け者
  • goldbrick … 偽物、怠ける人
  • goof-off … サボリ屋(ディズニーキャラクター「グーフィー(goofy)」の名前はgoofから来ており、「まぬけな」という意味があります)
  • no good … 何の役にも立たない

 

“won’t get a fight here, no ma’am” は「僕はその点において争わない」、 “But that couldn’t be all that I am” は「でもそれが僕の全てではないよ」ですから、駄目な自分を認めて「そう叱ってよ、母さん」と言わんばかりに短所を並べ立てながらも、「でも僕はそれだけじゃないんだよ…」と歌っていることが分かります。

劇団四季の歌詞にはそこまで書かれてはいませんね。

 

バカにされても
ケンカはもう二度としない
嘘つきの調子者
そう言われてるけど

―劇団四季ミュージカル 『アラジン』 より 「自慢の息子」(訳詞:高橋知伽江)

 

今すぐではないけれど信じてほしい

 

自分の非を全て認めたアラジンは、続いてこう歌っています。

 

Water flows under the bridge
Let it pass, let it go
There’s no good reason that you should believe me
Not yet, I know but

―ブロードウェイミュージカル “Aladdin” より “Proud of Your Boy” (作詞:Howard Ashman)

 

“water flows under the bridge” は「川は橋の下を流れる」という意味で、アラジンは自分をこの川に例えています。その次でこんな風に歌っていますね。

 

  • let it pass … 流れるままにしておく
  • let it go … 何もしないでそのままにしておく

 

つまり、「流れるままに、逆らわずに進んでいこう」ということを歌っており、今までの自分はそのまま受け入れて前に進んでいこうということを歌っているんですね。

“There’s no good reason that you should believe me” は「あなた(母さん)が僕を信じるに足る理由はないかもしれないけれど」で、「今まで何一つ真面目に生きてこなかったことを信じることは出来ないかもしれないけど」ということを歌っています。

そして、この次の “Not yet, I know but” の部分は「今はまだ無理かもしれない、それは分かってる、でも…」と、更生しようとしている自分を、一生懸命、必死に伝えている様子が伺えますね。

このパートは、劇団四季版でもほぼ同等の意味で訳されていますよ。

 

そんな評判は変えてみせる
今は信じてくれないよね
でも見てて

―劇団四季ミュージカル 『アラジン』 より 「自慢の息子」(訳詞:高橋知伽江)

 

 

いつか…近いうちに…

 

アラジンは約束します、いつか近いうちに(someday and soon)、お母さんが自分の息子、つまりアラジンのことを誇りに思えるように。

歌詞は次のようになっています。

 

Someday and soon
I’ll make you proud of your boy
Though I can’t make myself taller
Or smarter or handsome or wise

―ブロードウェイミュージカル “Aladdin” より “Proud of Your Boy” (作詞:Howard Ashman)

 

“Though I can’t make myself ~” は「僕が自分自身を~できなかったとしても」という意味で「~」に当たるのは次の4つの単語です。

 

  • taller … 今より背が高くて
  • smarter … 今より賢くて
  • handsome … 今よりハンサムで
  • wise … 今より思慮深く

 

アラジンは「これらのことが出来なかったとしても、母さんが息子のことを誇りに思えるようにするよ」と歌っているんですね。

これらの言葉を劇団四季版では「見かけは変わらなくても」と1つにまとめて表現しています。

ちなみに、英語版における「父さん」に関する内容は、次のブロックで出てくる歌詞です。

 

見かけは変わらなくても
父さんみたいに完璧じゃなくても
―劇団四季ミュージカル 『アラジン』 より 「自慢の息子」(訳詞:高橋知伽江)

 

今できる最大限のことをしよう

 

今まで自分を粗末にしてきたアラジン。でもこれからはとにかく “I’ll do my best(ベストを尽くす)” と歌っています。 “what else can I do ?(それ以外に何ができる?」)” という自分への問いかけも良いですね。

 

I’ll do my best, what else can I do ?
Since I wasn’t born perfect like Dad or you
Mom, I will try to
Try hard to make you
Proud of your boy

―ブロードウェイミュージカル “Aladdin” より “Proud of Your Boy” (作詞:Howard Ashman)

 

“Since I wasn’t born perfect like Dad or you” は「父さんや母さんのように、完璧な人間で生まれたわけではないから…」です。

そのため “Try hard to make you/Proud of your boy(一生懸命努力して、あなたの自慢の息子になるよ)” と歌っているんですね。

ここで特に良いのは、次のフレーズ。

 

  • Mom, I will try to
  • Try hard to make you

 

一度「母さん、僕は努力する(I’ll try to)」と言って、その上で「一生懸命努力する(try hard to)」と言っているところに、アラジンの誠実で真面目で真摯な姿が表現されていますね。

いかがでしたか?

劇団四季版ではなかなか描き切れてなかったアラジンの感情が、1つ1つ手に取るようにお分かりいただけたのではないかと思います。

観劇の際は、是非アラジンの気持ちを思い出しながら曲を聴いてみてくださいね。

 

もっと考察を読みたい方は、こちらから!


それでは皆さん、良い観劇ライフを…

以上、あきかん@performingart2)でした。

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