ジョージ3世が”What Comes Next?”で歌っていること

ミュージカル『ハミルトン(Hamilton)』より “What Comes Next?” の英語歌詞では、植民地アメリカの人々に対するイギリス国王・ジョージ3世の気持ちが歌われています。

二重人格のように甘ったるい口調激昂する口調が時に入れ替わるこの曲の面白さを押さえましょう。

 

ジョージ3世が歌う曲は全て皮肉交じりです。ゆえに、かなりの笑いどころになります。

 

大いに笑うためにも、最低限の歴史は押さえておきたいところです。

 

What Comes Next?” は、アメリカが独立戦争に勝利した後に歌われるので、ジョージ3世が虚勢を張って歌っていますよ。

 

※ 歴史的背景は、西川秀和先生(@Poeta_Laureatus)の記事を参考にさせて頂きました。詳しくは、こちらをご覧ください:西川秀和 note

Music from the Musical

・作品名:ハミルトン(Hamilton)

・曲名:What Comes Next?

・カラオケ:What Comes Next? (Instrumental)

・作詞:Lin-Manuel Miranda

アルバム視聴/楽譜/台本 ・アルバム(英語):Hamilton
・カラオケ:The Hamilton Instrumentals
・楽譜:

・台本:

 

ジョージ3世が歌う3曲はセットで理解する

 

イギリス国王・ジョージ3世は『ハミルトン(Hamilton)』を通して次の3曲を歌います。

 

・ You’ll Be Back(1幕前半)

 

・ What Comes Next?(1幕後半)

 

・ I Know Him(2幕後半)

 

これらは全て同じ曲調ですが、ジョージ3世の歌う内容はアメリカとの距離感によって徐々に変わっていきます。

 

・ You’ll Be Back … アメリカがイギリスの植民地下にあったため、自分の権威を誇示している

 

・ What Comes Next? … 独立戦争でアメリカが勝利したため、自分の支配下ではなくなり、意固地になっている

 

・ I Know Him … ジョージ・ワシントンが大統領から退くことを知り、アメリカの行く末を野次馬根性で見届けている

 

どんどんアメリカとの距離が遠くなっていくので、後半になるにつれて、お得意の “Da da da da da da da da da daye da(ルンルンルン♪)” も少なくなっていきますよ(笑)。

全体を把握する上でも、まだお読みでない方は “You’ll Be Back” から見ていきましょう。

 

ジョージ3世が歌っていること

アメリカ、独立戦争に勝利

 

まずは冒頭から。

 

They say,
The price of my war is not a price that they are willing to pay
Insane
You cheat with the French
Now I am fighting with France and with Spain

―ブロードウェイミュージカル “Hamilton” より “What Comes Next” (作詞:Lin-Manuel Miranda)

 

ここでは、アメリカとフランスが同盟を組み、その後スペイン、ネーデルランド連邦共和国が加わったことが歌われています。

 

・ 彼らは言うよね?

 

・ 僕の戦争の代償は、彼らが喜んで払う代償ではないって

 

・ 狂ってる!

 

・ 君たちはフランスと裏で手を組んだし

 

・ 僕は今度はフランスとスペインと闘わなくちゃならなくなった

 

You’ll Be Back” では、アメリカを支配下に置いていたということから “You say(君たちは言う)”と距離感の近い歌い方になっていますが、 “What Comes Next?” からは “They say(彼らは言う)” と距離のある言い方になっているところも気にしたいですね。

“Insane!(狂ってる)” では 、思い通りにならなかったことが悔しくてたまらない様子が手に取るように分かりますね(笑)。

続いて「自分は憂鬱だ。今まで便宜を図ってやったのに…」と苦言を呈します。

 

I am so blue
I thought that we made an arrangement when you went away
You were mine to subdue
Well, even despite our estrangement
I got a small query for yooouu

―ブロードウェイミュージカル “Hamilton” より “What Comes Next” (作詞:Lin-Manuel Miranda)

 

この成り行きに納得いかなかったのか、意固地になって “I got a small query for yooouu(君たちに1つ質問しても良いかな?)” 言っています。

それはどのような内容なのでしょうか。

 

 

国を導くことは簡単ではない

 

サビは、ジョージ3世の虚勢を張った内容になっています。

 

What comes next?
You’ve been freed
Do you know how hard it is to lead?
You’re on your own
Awesome…wow
Do you have a clue what happens now?

―ブロードウェイミュージカル “Hamilton” より “What Comes Next” (作詞:Lin-Manuel Miranda)

 

内容はこうです。

 

・ 次は何だ?

 

・ 君らは自由になったけど

 

・ 国を導くことがどれだけ難しいか分かっているのかな?

 

・ 君たちは独立した

 

・ わー、すごいじゃん

 

・ これからどうしたら良いか手掛かりはあるのかな?

 

国を率いることは簡単ではないよ?これからどうするつもりなの?」と、意地でも上から目線で話したい様子が伝わってきます。

“Awesome…wow(わー、すごいじゃん)” では、明らかに小馬鹿にしていると分かりますね。

口ではそういうけど、目は笑っていないといった感じです。

最後には更に意固地になって「自分たちでやる方が、ずっと難しいよ。君たちの民が君を嫌いだと言っても、僕の元にこびへつらいに戻ってなんか来るなよ。」なんて言っています。

 

Oceans rise
Empires fall
It’s much harder when it’s all your call
All alone
Across the sea
When your people say they hate you
Don’t come crawling back to me

―ブロードウェイミュージカル “Hamilton” より “What Comes Next” (作詞:Lin-Manuel Miranda)

 

構いたい様子、構って欲しい様子が見え隠れしながら、最後に残す “You’re on your own…(君たちは独立した…)” が、ちょっと切ないですね。

最後は “I Know Him” です。引き続き、お楽しみに!

 

曲のポイント

・ アメリカが独立戦争に勝利した後に歌われる

 

・ ジョージ3世が虚勢を張っている

 

・ ジョージ3世の二面性が面白い

 

What Comes Next?” の、他の記事はこちらから。


『ハミルトン(Hamilton)』の登場人物と相関図はこちらをご覧ください。

『ハミルトン(Hamilton)』のオリジナルキャストはこちらをご覧ください。

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