アンジェリカ・スカイラーとは?②ハミルトンの不倫相手?

ミュージカル『ハミルトン(Hamilton)』より “Alexander Hamilton” の英語歌詞を見てみると、3人の女性がハミルトンのことを愛していたということが分かります。

それがアンジェリカ・スカイラー(Angelica Schuyler)、エリザベス・スカイラー(Elizabeth Schuyler)、そしてマリア・レイノルズ(Maria Reynolds)です。

 

Alexander Hamilton” では、アレクサンダー・ハミルトンの生涯が歌われると同時に、登場人物とハミルトンがどんな関係であったかも歌われています。

 

3人の女性は “Me? I loved him” と歌いますが、アンジェリカとハミルトンの間柄は、不倫を思わせる絶妙な関係性でした。

 

このページでは、アンジェリカはハミルトンと不倫をしていたのかを説明します。

Music from the Musical

・作品名:ハミルトン(Hamilton)

・曲名:Alexander Hamilton

・カラオケ:Alexander Hamilton (Instrumental)

・作詞:Lin-Manuel Miranda

アルバム視聴/楽譜/台本 ・アルバム(英語):Hamilton
・カラオケ:The Hamilton Instrumentals
・楽譜:

・台本:

 

こちらの記事を先にお読みいただくと、よりアンジェリカについて理解出来ますよ。

 

ハミルトンとの関係性

男女の友情は成立したか?

 

先の記事でもご説明した通り、アンジェリカ・スカイラー自身、ジョン・バーカー・チャーチ(John Barker Church)と結婚していますから、既婚者です。

それなのに何故、ハミルトンのことを「愛していた(I loved him)」などと言うのでしょうか?

まずはこちらから見ていきましょう。

 

Ultimately Angelica is the more interesting, complex character in both the musical and the historical record. Her loving friendship with Alexander Hamilton, not to mention other leading men of the era, offers a window into the workings of mixed-sex friendships in America’s founding era.

The flirtatious friendship of Alexander Hamilton and Angelica Church hits Broadway(OUPblog)

 

この文章で注目すべきは次の2つのワード。

 

・ loving friendship … 愛のこもった友情

 

・ mixed-sex friendships … 異性同士の友情

 

早い話が、果たして「男女の友情は成立するのか…」ということです。この点に焦点を当てて見ていきましょう。

 

ハミルトンの義姉という立場で雲隠れ?

 

アンジェリカとハミルトンの関係が分かりやすく歌われている曲が2つあります。

それが “Satisfied” と “Take A Break” です。

曲を聴いていて何となく気付いた方もいらっしゃるかもしれませんが、アンジェリカは明らかにハミルトンに恋愛感情を持っています。

 

 

しかし、それがお互いの「不倫行為」であったかどうかまでは、はっきりしていません。

この引用からは「少なくともアンジェリカはハミルトンに気があり、それはエリザベスが結婚した後もそれは変わらなかった」ということが伺えます。

 

That Angelica was a married woman actually made her friendship with Hamilton safer from public scrutiny, as did Hamilton’s marriage to her sister Eliza in 1780. Friendships between men and women were subject to public scrutiny and worries about sexual improprieties, so broadening a friendship from a pair to a set of spouses was helpful. These factors may have emboldened both Alexander and Angelica to express affection for one another with more intensity than most friends.

The flirtatious friendship of Alexander Hamilton and Angelica Church hits Broadway(OUPblog)

 

異性間での友情は、後に恋愛関係に発展する恐れもあるので「男女間の友情は成立しない」というのが一般的な考えです。

しかし、1780年にエリザベスとハミルトンが結婚したことで、アンジェリカはハミルトンと親戚関係になりました。

これにより、一見2人が密接な関係にあるように見えたとしても、親戚関係と説明がつくためアンジェリカにとっては好都合であったようです。

互いへの激しい愛情をお互い大胆に見せたとしても、親戚関係という関係性に雲隠れできたんですね。

 

ハミルトンは不倫をしていたのか?

 

それでは、ハミルトンはエリザベスに隠れて不倫をしていたのでしょうか?

 

Alexander’s letters to Angelica are clearly flirtatious, but whether this was playful or a sign of romance is impossible to know.

The flirtatious friendship of Alexander Hamilton and Angelica Church hits Broadway(OUPblog)

 

「アンジェリカに宛てたアレクサンダーからの手紙は、明らかに浮気なものだったが、それが遊びだったか本気だったかは分からない」とあります。

つまり、ハミルトンが浮ついた内容の手紙を送っていたことは確かだが、アンジェリカに恋愛感情を持って接していたかどうかは、不明確だ…ということです。

ハミルトンが不倫をするつもりでアンジェリカと接していたかどうかは定かでない…ということですね。

 

 

曖昧な2人の関係

“Take a Break” で上手く表現される感情のズレ

 

アンジェリカはハミルトンに好意を抱き、ハミルトンはアンジェリカに好意を抱いていたかどうかは分からない…。

このもやもやした関係を描いているのが “Take a Break” です。

 

次の引用には、2人の曖昧な関係を “Take a Break” の曲中で上手く表現していて、ハミルトンが書いてきた手紙の中のある1つの表現は、アンジェリカに気があるのではないかと期待させてしまうものだ…と書かれています。

 

In one song, “Take a Break,” Miranda plays with this uncertainty as Angelica asks Alexander whether he had romantic intent behind a phrase in letter. While Angelica and Alexander may not have had this precise conversation, many friends of the opposite sex were confused about their feelings for one another.

The flirtatious friendship of Alexander Hamilton and Angelica Church hits Broadway(OUPblog)

 

この「ある1つの表現」というのが非常に厄介で、奥が深いです。恋心を持つ者なら誰でもやきもきしてしまうはず。

解説はこちらをご覧ください。

 

実際にあった2人のゴシップ

 

ハミルトンがアンジェリカに恋愛手感情を抱いていたかどうかは定かではないものの、親しい間柄ではあったわけです。

文通もかなり行っていたようでしたから親戚関係以上不倫関係未満という、とても絶妙な関係性であったことは事実でしょう。

そんな2人を見れば噂が立たないわけもなく、実際ゴシップが流れたそうです。

 

The close relationship between Angelica and Alexander did generate gossip that the two were having an affair, and the musical avoids a clear answer here. (中略)The final musical, however, likely comes very close to the historical reality:

The flirtatious friendship of Alexander Hamilton and Angelica Church hits Broadway(OUPblog)

 

アンジェリカとハミルトンの近い関係が、2人が不倫関係にあるのではないかというゴシップを引き起こした…と書かれています。

噂が立つほど近い関係にあり仲の良かった2人ですが、ミュージカルでは「互いが不倫関係にあったかどうか」について、明確な答えを出しおらず、ミュージカルは結果的に歴史に忠実な作品となったことが伺えます。

2人の絶妙な関係性が、ミュージカル作品をより色濃く、より魅力的なものにしていることは間違いありません。

 

ハミルトンより大事なもの

 

不倫をしていたのではないか、親戚以上の関係があったのではないか…色々な憶測がされていたアンジェリカですが、ハミルトン以上に大切に想うものがありました。

それは、エリザベスです。

自分の妹であり、愛するハミルトンの妻、エリザベス・スカイラー。

あらゆる曲において、アンジェリカがどれだけ妹思いなのかということは、手に取るように分かります。

そんなことが、この引用内からも分かります。

 

Angelica and Alexander were dear friends and may well have been in love. It’s unlikely, given Eliza and Angelica’s lifelong closeness, that Angelica and Alexander had an affair. We can never know for sure: either way, sexual intimacy was not the defining characteristic of their relationship.

The flirtatious friendship of Alexander Hamilton and Angelica Church hits Broadway(OUPblog)

 

アンジェリカとハミルトンは恋に落ちたかもしれない関係だったが、エリザベスとアンジェリカの近しい関係性からみても、アンジェリカとハミルトンが不倫関係にあったとは言い難いだろう…と書かれています。

アンジェリカとエリザベスはとても信頼関係のあった姉妹だったため、お互いを裏切る様な関係ではないということです。

その辺りは “Satisfied” や “The Reynolds Pamphlet” の歌詞から読み取れます。

 

The Reynolds Pamphlet” は、記事が書きあがりましたらリンクを貼りますね。

 

さて、とても魅力的なアンジェリカ・スカイラーですが、ハミルトンだけでなく他の男性たちとも良好な人間関係を築いおり、この時代になくてはならない存在であったことが伺えます。

詳しくは次の記事からご覧くださいね。

 

Alexander Hamilton” の、他の記事はこちらから。


『ハミルトン(Hamilton)』の登場人物と相関図はこちらをご覧ください。

『ハミルトン(Hamilton)』のオリジナルキャストはこちらをご覧ください。

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