デュトロノミーの名前の由来、旧約聖書の「申命記」を読んでみた

劇団四季ミュージカル『キャッツ(CATS)』より「デュトロノミー – 長老猫(Old Deuteronomy)」の名前は、どうやら旧約聖書と関係があるということが分かりました。

『旧約聖書』の「申命記」こそが “Deuteronomy” を意味するのだそうですが、その申命記とはどのようなものなのか読んでみましたよ。

Music from the Musical

・作品名:キャッツ(CATS)

・曲名:オールドデュトロノミー ‐ 長老猫Old Deuteronomy

・楽譜:Old Deuteronomy

・訳詞:浅利慶太(作詞:Trevor Nunn & Richard Stilgoe)

アルバムを視聴する/楽譜を見る ・日本語:キャッツ
・英語:CATS
・楽譜:

 

歌詞のおさらい

 

『キャッツ(CATS)』の原作『キャッツ ポッサムおじさんの猫とつき合う法(ちくま文庫)』(T.S.エリオット)によると、デュトロノミー(Deuteronomy)とは『旧約聖書』の「申命記」を指す事が分かりました。

 

デュトロノミーは牧師館の塀でひと時を過ごしていたり、何かとキリスト教に関係のある猫ですが、そもそも何故「申命記」から名前をとったのかが気になって、『旧約聖書』を読んでみる事にしましたよ。

 

『旧約聖書』とは?

 

では、まず「旧約聖書」とは何なのかから見ていきましょう。

 

旧約聖書(きゅうやくせいしょ)は、ユダヤ教およびキリスト教の正典である。「旧約聖書」という呼称は旧約の成就としての『新約聖書』を持つキリスト教の立場からのもので、ユダヤ教ではこれが唯一の「聖書」(タナハ)である。そのためユダヤ教では旧約聖書とは呼ばれず、単に聖書と呼ばれる。

旧約聖書(wikipedia)

 

ユダヤ教とキリスト教の正典だということですが、キリスト教には「新約」と「旧約」の2種類がある一方で、ユダヤ教には「旧約聖書」が唯一の聖書ということです。

言葉の意味を見ると、旧約聖書とは「神がモーセを通じて人間に与えた、神と人類との約束(契約)」が書かれた内容だということが分かります。

 

ラテン語の testamentumは契約,つまり神と人類との約束の意。

旧約聖書(コトバンク)

 

旧約とは、神がモーセを通して人類に与えた契約の意
旧約聖書(コトバンク)

 

 

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「申命記」とは?

 

「申命記(Deuteronomy)」について、原作には次のように記載がありました。

 

『旧約聖書』「申命記(しんめいき)」のこと。モーセの説教と律法から成る。猫の名前は、そこから採られた。

―T.S.エリオット『キャッツ ポッサムおじさんの猫とつき合う法(ちくま文庫)』(p.55)

 

どういう内容が書かれているかは、日本聖書協会のホームページで次のように説明されていました。

 

「申命記」は、エジプト脱出と荒れ野滞在中の出来事の意味と、約束の地に入る際に守るべき神の律法を述べながら神への誠実を説く、長い温かい勧告の書である。

旧約聖書(日本聖書協会)

 

そもそも、言葉の意味はどのようなものなのでしょうか?

 

ヘブライ語では冒頭の語から『デヴァリーム』と呼ばれるが、これは「言葉」という意味である。(中略)これは七十人訳の訳者が17章18節になる「律法の写し」という言葉を「第二の律法」という意味に誤訳したことからつけられた名称である。日本語の『申命記』という言葉は漢語訳聖書の名称から来ており、「繰り返し命じる」という意味の漢語である。

申命記(wikipedia)

 

つまり、デュトロノミーは「言葉」を意味する「デヴァリーム」から来ているということです。また、日本語の「申命記」は「繰り返し命じる」という意味ですが、本来は「律法の写し」がデュトロノミーの正しい意味合いになるということですね。

いずれにしても、デュトロノミーは「言葉」や「約束(契約)」といった意味と深い関係にあることが分かりました。

『キャッツ』の世界観の中でも、デュトロノミーは他の猫たちとは一線を画した存在になっていますし、猫たちに大切なことを言葉を通じて発信している存在だということは、作品をご覧になった方ならよくご存知のことと思います。

 

感想

 

…ということで、実際に「申命記」の部分だけ読んでみたのですが…。

正直ピンと来なかった(汗)。

やはり、聖書のような宗教に直結する読み物は、ある程度の予備知識があったり、日常的に慣れ親しんでいないと、なかなかスッと入ってこない読み物だなという気がしました。

とは言え、読んでみて分かったことは、前述にもあった通り「規律」や「契約」といった言葉の通り、「~しなければならない」「~してはならない」といった文章構造がメインで、預言者であるモーセが、民に対してルールをや神への忠誠といったものを、説いていくものだということです。

しかもそれはかなり多く、時には細かく、厳格な印象を受けました。

こういった点がどこまで『キャッツ』の物語(特にデュトロノミーの登場するシーン)に関係してくるかは、未だ研究中ですが、少なくとも民に説くモーセの姿が猫たちに説くデュトロノミーの姿と重なったことは事実です。

今回のきっかけを経て、更に『キャッツ』への理解を深めていこうと思います。

 

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