『キンキーブーツ』の”Step One”で歌われるチャーリーの決意

あきかん

こんにちは!

ミュージカル考察ブロガー、あきかん(@performingart2)です。

ミュージカル『キンキーブーツ(Kinky Boots)』より “Step One” の英語歌詞を見てみると、家業を継ぐことに及び腰だったチャーリーが、大きな1歩を踏み出す曲だと分かります。

プライス社(靴工場)の息子として、自分自身と向き合うことから避けてきたチャーリーは、どのような1歩を踏み出すのでしょうか?

『キンキーブーツ』の解説・考察本を執筆しました!

「プライス社は実在したのか?」「キンキーブーツは工場を救ったのか?」

そんな疑問を解消しながら、ミュージカル『キンキーブーツ』の魅力に迫る考察本。映画とミュージカルを比較しながら、実話、時代背景、ジェンダーの3視点から作品に切り込んだ1冊です。

Kindle(電子書籍)ペーパーバック(紙書籍)、いずれも Amazon で販売中。

Kindle Unlimitedを初めてご利用の方は、体験期間中に0円で読書可能

 

チャーリーの「第1歩」とは

 

曲名である “Step One” は「第1歩」のことです。

困難な状況下にあるプライス社を放り出さず、立て直すことを決意したチャーリーは、こんな風に歌います。(引用の色付きは、あきかんによる。)

 

This is time for a shake-up
Look at me wake up, taking control
This is a new beginning, my gears are spinning
Let’s rock’n’roll
Just put
One foot
Onward and forward
I used to be a zero but now I clearly feel that
I may be the hero who reinvents the heel

―ブロードウェイミュージカル“Kinky Boots”より “Step One“(作詞:Cyndi Lauper)

 

まずは意味から見ていきましょう。

 

  • 改革の時だ
  • 目覚めた俺を見ろ、舵を取っている俺のことを
  • これは新たな始まりだ、俺のギアはフル回転
  • 片足を、ただ踏み出すだけ
  • 前へ、先へ
  • 俺はもともとゼロ状態だった、でも今は感じる
  • ヒールを彩発明する、ヒーローになれるかもしれない

 

この歌詞の素晴らしいところは、足元にフォーカスを当てている点です。

「靴」で改革をしていくと同時に、靴を履く「足」で1歩を踏み出すわけですからね。

“onward” と “forward” の使い分けも素晴らしい!

 

  • onward … (前方へ向かって)進む
  • forward … (未来へ向かって)進む

 

物理的に踏み出した1歩が、未来へ踏み出した1歩にもなっていると分かります。

また、2番では「こんな行動力が自分の中に潜んでいたなんて信じられない」、「この決断は自分をどこへ連れていってくれるんだろう?」という内容が歌われています。

 

Who knew I had it in me
Let me begin, see where this could go
I’ve got knowledge and know how
Don’t stop the show now
Don’t stop the flow

―ブロードウェイミュージカル“Kinky Boots”より “Step One“(作詞:Cyndi Lauper)

 

この流れを止めずに突き進め」という勢いの感じる歌詞ですね。

また、特にチャーリーっぽさが出ているパートがここ。

 

I used to live in limbo never dying to begin
But now it’s sink or swim, so I’d better dive right in

―ブロードウェイミュージカル“Kinky Boots”より “Step One“(作詞:Cyndi Lauper)

 

“in limbo” は聞き慣れませんが「宙ぶらりんになっている」という意味なので、この2行はこうなります。

 

  • 俺はかつて宙ぶらりんに生きていて、一度も「始める」ということをしなかった。
  • でも今は沈む(辞める)か泳ぐ(進む)かの状況、だからいっそ飛び込んでしまおう。

 

チャーリーのこの行動が全ての始まりだと分かって読むと、感動で鳥肌が立つほど痺れます!

 

 

サビで歌われる「1歩」

 

サビで歌われるのは、想像する未来がどんなものであれ、今日踏み出したのは「第1歩にすぎない」というものです。

 

I may be facing the impossible
I may be chasing after miracles
And there may be the steepest mountain to overcome

But this is step one
Yeah this is step one

―ブロードウェイミュージカル“Kinky Boots”より “Step One“(作詞:Cyndi Lauper)

 

歌詞の意味を見ると、自分を奮い立たせていることが分かります。

 

  • もしかしたら、不可能なことに立ち向かっているのかもしれない
  • もしかしたら、奇跡を追いかけているのかもしれない
  • そして、最も険しい山を乗り越えられるかもしれない
  • でも、これは第1歩にすぎない
  • あぁ、これはまだ第1歩にすぎないんだ

 

この1歩を嚙み締めることにチャーリーの決意を感じますし、それと同時にチャーリーが変わる瞬間を見る場面でもあります。

Step One” は、何か大きなことを成し遂げようとする人に寄り添ってくれる曲。

どんな大きな目標があっても、その1歩を踏み出せるかどうかが重要…そんなシンプルで、重みのあるメッセージを教えてくれる1曲ですよ。

あきかん

それでは皆さん、良い観劇ライフを…

以上、あきかん(@performingart2)でした!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください