劇団四季ミュージカル『アラジン(Aladdin)』より「壁の向こうへ(These Palace Walls)」 の英語歌詞を見てみると、権力、名誉、財産を獲得するためにジャスミンと結婚しようとする各国の王子に対して、うんざりしているジャスミンの様子が伺えます。
英語版の方が圧倒的に情報量が多いジャスミンのパートですが、劇団四季版ではそれが見事にまとめられています。
比較しながら見て行きましょう。
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英語版
ディズニーアニメ『アラジン』にはないこの曲。初めて劇場で耳にしたどれだけの方が、ジャスミンの気持ちに同情したでしょうか?
鳥かごに押しこめられた鳥が大空へ羽ばたくような、とても解放感のある曲で、私は一度に好きになってしまいました。
この曲の冒頭は、英語版でこのように歌われています。
JASMINE:
Suitors talk of love, but it’s an act
Merely meant to throw me
How can someone love me when, in fact
They don’t know me’They want my royal treasure,
When all is said and done.
It’s time for a desperate measure
So I wonder―ブロードウェイミュージカル “Aladdin” より “These Palace Walls” (作詞:Chad Beguelin)
そして意味をほぼ原文通りに訳すと、こうなります。
劇団四季版よりも、この状況に腹を立てていることが手に取るように分かりますよね。そして後半の3行では、
- When all is said and done … そして詰まるところ
- It’s time for a desperate measure … これは苦肉の策に出る時だわ
- So I wonder … だから私は疑問に思うの
と歌われており、この状況を脱するため、ジャスミンがとうとう大きな行動に出ようとしている姿が垣間見れますね。
劇団四季版
原文通り訳すとこれだけの情報量になるこのパートですが、劇団四季版ではこのようになっています。
あの人たちのプロポーズ
どうせ嘘よ
私の事何も 知らずに
狙いは財産 私じゃない
全ては計算 愛じゃない―劇団四季ミュージカル 『アラジン』 より 「壁の向こうへ」(訳詞:高橋知伽江)
英語版の直訳と劇団四季版を比較してみると、こうです。(英語版→劇団四季版)
- 婚約者たち → あの人達
- 愛を語る → プロポーズ
- でもそれは見せかけ → どうせ嘘よ
- どうやったら人は私のことを愛せるの?実際は私のことなんて知らないくせに → 私の事何も知らずに
- 奴らは私の王室の財宝(財産)が欲しいの → 狙いは財産 私じゃない
歌詞を翻訳する際は音数が限られているので「苦肉の策に出る時だ(It’s time for a desperate measure)」というジャスミンの決断は省かれているものの、「狙いは財産 私じゃない」に対して「全ては計算 愛じゃない」と原文にはない文章を入れて韻を踏ませているところなどは、潔い訳で特に好きな部分です。
劇団四季版ではジャスミンの気持ちがとてもよくまとめられていますので、それを更に深掘りしたい時に英語版の歌詞を見てみると良いですよ。
それでは皆さん、良い観劇ライフを…
以上、あきかん(@performingart2)でした!
英語歌詞の解説・考察を読みたい方は、こちらのページからご覧ください。
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ミュージカル考察ブロガー、あきかん(@performingart2)です。