ミュージカル『ハミルトン(Hamilton)』より “Alexander Hamilton” の英語歌詞を見てみると、アレクサンダー・ハミルトン(Alexander Hamilton)がどんな人物だったのかが分かります。
今回はハミルトンの両親についてご紹介します。
※ アレクサンダー・ハミルトンについてより詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
※ 『ハミルトン(Hamilton)』を理解する上で、「ラップ」とは何かも押さえておきましょう。
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父親について
歌詞内で歌われていること
最初の曲 “Alexander Hamilton” は、登場人物がそれぞれの立場からアレクサンダー・ハミルトンを説明する歌詞内容となっています。
今回はエリザベス・ハミルトン(Elizabeth Hamilton)のパートを見ていきましょう。
When he was ten, his father split, full of it, debt-ridden
Two years later, see Alex and his mother, bed-ridden
Half-dead, sittin’ in their own sick
The scent thick―ブロードウェイミュージカル “Hamilton” より “Alexander Hamilton” (作詞:Lin-Manuel Miranda)
まず “When he was ten” とあることから、ハミルトンが10歳だった時に何かが起きたと分かります。
“his father ~” 以降がハミルトンの父親に関する内容ですね。3つのことが書かれており、それぞれ次の通りです。
・ split … 仲たがいさせる、分裂させる
・ full of it … 嘘をついて、大げさで
・ debt-ridden … 赤字を抱えた、借金(負債)に苦しむ
おぅ…
この3つのことだけで何が起こったか、バッチリ分かりますね。
ハミルトンの父親は嘘をついて、借金に苦しみ、家族が分裂したということが読みとれます。
ハミルトンがたった10歳の時の出来事…辛いです。
wikipediaと比較してみよう
では、ハミルトンの父親についてwikipediaではどのように説明されているか見てみましょう。
父親はスコットランド貴族の四男だが、ハミルトンが生まれたときはカリブ海の小さな島の一商人にすぎず、しかものち破産し零落していく。
―アレクサンダー・ハミルトン(wikipedia)
歌詞に書いてあるほど詳しい内容は書いてありませんでしたが、事業が上手く行っていなかったことはよく分かります。
母親について
歌詞内で歌われていること
では一方の母親はどうでしょうか?もう一度歌詞を見てみましょう。
When he was ten, his father split, full of it, debt-ridden
Two years later, see Alex and his mother, bed-ridden
Half-dead, sittin’ in their own sick
The scent thick―ブロードウェイミュージカル “Hamilton” より “Alexander Hamilton” (作詞:Lin-Manuel Miranda)
2行目からが母親について歌われているところですが “Two years later” とあるので、ハミルトンが12歳の時に母親がどういう状態だったのかがここで分かります。
・ bed-ridden … 寝たきり
・ half-dead … 半死状態
これもまた辛いですね。
父親が破産状態に陥り、母親は寝たきりに…この時ハミルトンも同じような状態だったようですが、次のアンサンブルのパートでその後どうなったかが分かります。
And Alex got better but his mother went quick
―ブロードウェイミュージカル “Hamilton” より “Alexander Hamilton” (作詞:Lin-Manuel Miranda)
“Alex” とはAlexander Hamiltonの名前を省略したものですから、ハミルトンのことだと分かります。
“got better” とあるので体調が回復したようですが、母親は “went quick(早くに逝った)” ですから、ハミルトンが12歳の時に亡くなっているんですね。
母親についてはこちらの記事でもまとめているので、併せてご覧ください。
wikipediaと比較してみよう
では、母親についてwikipediaではどのように説明されているでしょうか?
母はフランスのユグノーの子孫という。
アメリカ合衆国の「建国の父」たちは皆、成功した入植者からの名門富裕層の出であったが、誇るべき家柄も無く内縁関係の両親の間に生まれたハミルトンは例外とも言える存在であった。
―アレクサンダー・ハミルトン(wikipedia)
母親はフランス系だということしか触れられていませんね。
ただ揺るぎのない事実として、ハミルトンはエリートではないということが分かります。
むしろ幼少期から苦労を経験した人物であるということです。
「アメリカ合衆国建国の父」としてエリート層が名を連ねる中、ハミルトンはかなりの異色であった。
だからこそ、小説が書かれたり、ミュージカルになったりするんでしょうね。
“Alexander Hamilton” の、他の記事はこちらから。
それでは皆さん、良い観劇ライフを…
以上、あきかん(@performingart2)でした!
こんにちは!
ミュージカル考察ブロガー、あきかん(@performingart2)です。