アレクサンダー・ハミルトンの母、レイチェルの悲惨な生涯

あきかん

こんにちは!

ミュージカル考察ブロガー、あきかん(@performingart2)です。

ミュージカル『ハミルトン(Hamilton)』より “Alexander Hamilton” の英語歌詞を見てみると、ハミルトンの母親は病に倒れ、早くに亡くなった…と歌われています。

しかし作品内ではそれ以上のことは分かりませんよね。

実は、ハミルトンの母親はなかなか壮絶な人生を送っていたことが分かったので紹介します。

※ アレクサンダー・ハミルトンについてより詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

※ 『ハミルトン(Hamilton)』を理解する上で、「ラップ」とは何かも押さえておきましょう。

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2人の夫

ハミルトンの人生はご存知の通り壮絶ですが、彼の母親Rachel Faucette(レイチェル・フォセット)もまた、壮絶な人生を送っています。

彼女には実は2人の夫がおり、2人目の夫との間に出来たのがハミルトンなのです。

ただ、実際のところ2人目の男性とは正式には結婚していないため、正確には「夫」ではありませんでした。

1人目の夫 “Johann Michael Lavien”

レイチェルがフランスのユグノー出身だという事は別の記事でも説明していますが、彼女が16歳の時に出会ったのがデンマーク系のJohann Michael Lavien(以下、ジョアン)です。

見ての通り、名字が “Lavien” ではないので、ハミルトンの父親でないことは一目瞭然ですね。

His mother, Rachel Faucette, was of French Huguenot and British ancestry. At the age of sixteen, while living on the island of St.Croix, she married a Dane named Johann Michael Lavien.  At least twelve years older than Rachel and apparently not a pleasant man (to put it mildly), Lavien had her thrown in prison after she refused to continue living with him. In 1750, after Racel was released from prison, she fled to St.Kitts, a nearby island settled byt he French and English, leaving her husband with their infant son.

The Hamilton Cookbook: Cooking, Eating, and Entertaining in Hamilton’s World(p.4)

レイチェルがセント・クロイ島に住んでいた時彼と結婚しましたが、少なくとも12歳年上だった彼は、お世辞にも素敵な人とは言えない男性だったようです。

レイチェルがもうこれ以上彼と住めないと拒絶した時、ジョアンは彼女を刑務所へ追いやった…とありますから、相当酷い人間だったのでしょう。

少なくとも、女性を軽視していたこと間違いなさそうです。

1750年にレイチェルが刑務所から解放されると、夫と息子(幼児)を残し、フランスとイギリスの植民地であったセント・キッツ島へ移り住んだとのことです。

息子を残して逃げるくらいですから、よっぽど彼から離れたかったんでしょうね。

2人目の夫 “James Hamilton”

そして、セント・キッツ島で出会ったのがアレクサンダー・ハミルトンの父親となるJames Hamilton(以下、ジェイムス)です。

On St. Kitts, Rachel, then in her early twenties met James Hamilton, a thirty-something Scotsman who had arrived on the island about ten years prior. In short order they had two sons, James Jr. in 1753 and Alexander in 1755. Rachel was still married to Lavin during those years, so the boys were illegitimate.

The Hamilton Cookbook: Cooking, Eating, and Entertaining in Hamilton’s World(p.4)

レイチェルと彼は20世紀の初めに出会ったようで、ジェイムスは10年程前にこの島へやってきた30代のスコットランド系の男性でした。

彼との間にはすぐに子どもができ、1753年にジェイムスJr.、1755年にアレクサンダー(『ハミルトン(Hamilton)』の主人公)を授かりました。

が…この時、レイチェルはジョアンと夫婦関係にあったため、2人は私生児となりました。

作品内では触れられていませんでしたが、アレクサンダーには兄がいたんですね。

上手くいかなかった仕事と、早すぎる死

ジェイムスとの生活をレイチェルが満喫していたのかどうかは分かりませんが、歌詞にも書かれている通り、じきに父・ジェイムスは蒸発します。

理由は事業の失敗のようです。

母子家庭となり、子どもを育てるために、レイチェルは食料品店を経営することにします。

Rachel Hamilton mannaged as a single parent by running a grocery store, living above it with her two boys. However les than 18 monthes after she settled into life as a shopkeeper, Rachal and Alexander both became horribly sick, and Racel died.

The Hamilton Cookbook: Cooking, Eating, and Entertaining in Hamilton’s World(p.5)

しかし店の経営で生活を成り立たせてからたった18ヶ月でアレクサンダーとレイチェルは重い病に倒れ、レイチェルは亡くなってしまいます。

これが、歌詞内では次のように歌われていますね。

When he was ten, his father split, full of it, debt-ridden
Two years later, see Alex and his mother, bed-ridden
Half-dead, sittin’ in their own sick
The scent thick

―ブロードウェイミュージカル “Hamilton” より “Alexander Hamilton” (作詞:Lin-Manuel Miranda)

10歳で父親がいなくなり、その2年後に病に倒れたとのことですから、この時はハミルトンは12歳。

まだ幼い時に両親を亡くした兄弟が、その後どのような生活をしたかは、次の記事でお話しますね。

簡単な相関図を書いておきますね。

Alexander Hamilton” の、他の記事はこちらから。

あきかん

それでは皆さん、良い観劇ライフを…

以上、あきかん(@performingart2)でした!

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