ミュージカル『ハミルトン(Hamilton)』より “Helpless” の英語歌詞を見てみると、ハミルトンがエリザベスの家へ行き、父親に挨拶へ行った様子が歌われています。
一体どのような雰囲気だったのでしょうか?
ちなみに、「冬の舞踏会」がどのようなものだったかはこちらの記事で説明しています。是非併せてご覧ください。
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歌詞のおさらい
意気投合したハミルトンとエリザベス…その2週間後に、ハミルトンはスカイラー家に行った模様。そこでエリザベスの父親と向かい、どのような時間を過ごしたのかを、エリザベスが歌っています。
Two weeks later
In the living room stressin
My father’s stone-faced
While you’re asking for his blessin
I’m dying inside, as
You wine
And dine
And I’m tryin’ not to cry
‘cause there’s nothing
that your mind can’t do
My father makes his way across the room
To you
I panic for a second, thinking
“we’re through”
But then he shakes your hand and says
“Be true”
And you turn back to me, smiling, and I’m
Helpless!
ブロードウェイミュージカル “Hamilton” より “Helpless” (作詞:Lin-Manuel Miranda)
舞踏会から2週間後
冬の舞踏会の “Two weeks later(2週間後)” 、ハミルトンがスカイラー家を訪れたようです。リビングルームでそわそわしているエリザベスが目に浮かびます。 “stressin” とは、「気にしなくても良いようなことに対して、心配をしてしまうこと」を言うようです。
ハミルトンがエリザベスとの結婚の許しを得ている最中、エリザベスの父親は “stone-faced” 、「石のような顔」つまり「無表情、感情を表に出さず」だったので、エリザベスはずっとそわそわしていたんですね。それは落ち着かないですよね。
そして、ワインを飲んで、食事をしている時もほとんど死んだような心持で、どうにかして泣かないようにしていたみたいですね。
本人にとっては生死がわかれるような時間でしょうが、読んでいるとなんだかとっても可愛いです。
エリザベスの父親は…?
成す術なしのこの状況下で、とうとうエリザベスの父親がハミルトンへ向かっていきます。 “My father makes his way across the room to you” のところです。
そんな時、一瞬パニック状態に陥ったエリザベスが何と思ったか…それが “we’re through” です。 “through” って「通す」っていう意味ですから、なんとなく「話が通った」って思ってしまいそうですが、そうではないんです。これ「私たち、終わったわ」っていう意味なんですね(笑)。
ここに詳しい解説が書いてあるので、興味がある方は読んでみて下さい。
また、 “Helpless” 内の別のシーンで “we’re through” のフレーズが使われているところがありますので、比較してみてくださいね。
けれど、終わった…と思った直後に父親が何といったか? “Be true” です。考えられる意味としては「正直でありなさい」と「成立だ」です。どちらも父親が言いそうな言葉ですが、とにもかくにも、認められた…ということですね!
そしてその言葉を聞いた瞬間、ハミルトンが振り向いて、笑って、そしてエリザベスは “Helpless!もう、この上なくどうしようもない気持ち/幸せな気持ち)” という訳です。
何ともヒヤヒヤしてしまう展開ですが、こういう過程を経て2人は無事結婚へ至ったという訳です!しかし…その後ハミルトンはマリア・レイノルズと不倫し「マリア・レイノルズ事件」が起きます。それについては次の記事をご覧くださいね。
“Helpless” の、他の記事はこちらから。
それでは皆さん、良い観劇ライフを…
以上、あきかん(@performingart2)でした!
こんにちは!
ミュージカル考察ブロガー、あきかん(@performingart2)です。