“Farmer Refuted”でのハミルトンの主張

ミュージカル『ハミルトン(Hamilton)』より “Farmer Refuted” の英語歌詞を見てみると、アレクサンダー・ハミルトン(Alexander Hamilton)とサミュエル・シーベリー(Samuel Seabury)が言い合っていることが分かります。

今回は、ハミルトンの主張がどんなものかみていきましょう。

 

サミュエル・シーベリーは独立前のアメリカで、ハミルトンのライバルとして認知されている人物ですよ。

 

※ 歴史的背景は、西川秀和先生(@Poeta_Laureatus)の記事を参考にさせて頂きました。詳しくは、こちらをご覧ください:西川秀和 note

Music from the Musical

・作品名:ハミルトン(Hamilton)

・曲名:Farmer Refuted

・カラオケ:Farmer Refuted (Instrumental)

・作詞:Lin-Manuel Miranda

アルバム視聴/楽譜/台本 ・アルバム(英語):Hamilton
・カラオケ:The Hamilton Instrumentals
・楽譜:

・台本:

 

“Farmer Refuted” で歌われている内容は?

 

Farmer Refuted” を聴いた大半の方は「アレクサンダー・ハミルトンが誰かと言い合いをしているな」と感じるでしょう。

それ、正解です。

Farmer Refuted” は、独立に向けて戦いたいと思っているアレクサンダー・ハミルトンと、反対意見を持っているサミュエル・シーベリーとの言い合いが曲になっています。

詳しくはこちらをご覧ください。

 

また、サミュエル・シーベリーの主張は、こちらの記事をご覧ください。

 

アレクサンダー・ハミルトンの主張は?

 

司教であるサミュエル・シーベリーの、民を諭すような、すました話し方。

それに対して、アレクサンダー・ハミルトンは、ため口ストレートな物言いでシーベリーに食ってかかります。

真逆のアプローチをする2人ですが、両者非常に頑固で、主張を譲らない・曲げないという点を押さえておきましょう。

では、ハミルトンのパートのみ抜き出してみていきましょう。

 

Yo!
He’d have you all unravel at the sound of screams
But the revolution is comin’
The have-nots are gonna win this
It’s hard to listen to you with a straight face

―ブロードウェイミュージカル “Hamilton” より “Farmer Refuted” (作詞:Lin-Manuel Miranda)

 

「もう、聞いていられない」と、居ても立っても居られなくなったハミルトンは、シーベリーをこう制します。

 

・ おい!

 

・ 奴は君らみんなを、叫び声で混乱させようとしている

 

・ でも革命はやってきているんだ

 

・ 持たざる者はこの戦争に勝つんだ

 

・ あんたの話は真面目に聞いていられないよ

 

「奴」とはシーベリー、「君らみんな」とは聴衆のこと。

そして、この聴衆は「持たざる者(下流階級層)」でもあります。

上流階級との格差が広がっていた当時のアメリカで「持たざる者」の多くがこの戦争に力を注ぎました。

孤児であったハミルトンも「持たざる者」だったので、聴衆がシーベリーに取り込まれることのないよう、聴衆を代弁しているんですね。

 

Chaos and bloodshed already haunt us
Honestly, you shouldn’t even talk—
And what about Boston?
Look at the cost and all that we’ve lost
And you talk about Congress?

―ブロードウェイミュージカル “Hamilton” より “Farmer Refuted” (作詞:Lin-Manuel Miranda)

 

ここは、更に語気を強めて主張しています。

 

・ 混沌と流血はつきものだ

 

・ マジで、話すことさえやめろよ

 

・ それにボストンはどうした?

 

・ 我々が払った犠牲を考えろ

 

・ それでもあんたは大陸会議について話そうというのか?

 

ボストンは独立運動に関わるいくつかの事件が起きているため、ハミルトンはそれを引き合いに出してシーベリーに反論しています。

「ボストンで払った犠牲を見過ごせというのか?」「あんたは、それを見過ごしてでも(戦争を押し進めようとする)大陸会議に物申しに行くのか?」といった具合ですね。

そして、カッコイイ対立がこのフレーズ。

いずれも “for ~” という表現をしながら、それぞれの主張を明確にしています。

 

・ For shame! … 恥を知りなさい!

 

・ For the Revolution! … 革命のために!

 

ここは最後通告といった感じで、言いたい事を全部言い放っています。

 

Why should a tiny island across the sea
Regulate the price of tea?

―ブロードウェイミュージカル “Hamilton” より “Farmer Refuted” (作詞:Lin-Manuel Miranda)

 

言っているのはこういうことです。

 

・ どうして海を越えた小さな島が

 

・ 紅茶の値段を決めなければならないのさ

 

もちろん小さな島とはイギリスのこと。

そして紅茶の値段とは、ボストン茶会事件における課税(茶税)問題のことです。

「植民地内の税金は植民地内で決めるべきところを、何故遠く離れたイギリスから指示されなければならないんだ」というのがハミルトンの主張です。

先ほどのボストンの件も含めて、wikipediaをご覧頂くと全体像がつかめるでしょう。

 

ここまで言い放ったところで、慎重派のアーロン・バーがハミルトンを制します。

 

・ Alexander, please! … アレクサンダー、頼む(やめてくれ)!

 

…が、バーの阻止も虚しく、ハミルトンはこう言い切ります。

 

Burr, I’d rather be divisive than indecisive
Drop the niceties

―ブロードウェイミュージカル “Hamilton” より “Farmer Refuted” (作詞:Lin-Manuel Miranda)

 

ハミルトンの気持ちはこうです。

 

・ バー、俺は優柔不断になるよりも、はっきりしたいんだ

 

・ 良い顔をするのはごめんだ

 

ここでイギリス国王・ジョージ3世からのお触れ(通達文)が発表されることとなり、2人の対決は強制的に終了。

お触れの内容はこの後の曲 “You’ll Be Back” に続きますよ。

 

Farmer Refuted” の、他の記事はこちらから。


『ハミルトン(Hamilton)』の登場人物と相関図はこちらをご覧ください。

『ハミルトン(Hamilton)』のオリジナルキャストはこちらをご覧ください。

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