『キンキーブーツ』の幼いローラにとって、靴は自分でいられるもの

 
こんにちは!

ミュージカル考察ブロガー、あきかん@performingart2)です。
 

ミュージカル『キンキーブーツ(Kinky Boots)』より “The Most Beautiful Thing in the World” の英語歌詞を見てみると、各登場人物にとって「靴」がどんな存在なのかが分かります。

The Most Beautiful Thing in the World” は「この世で最も美しいもの」という意味。

この曲の面白いところは「この世で最も美しいもの」が、どの登場人物にとっても「靴」であるということ。

しかしその理由が、それぞれ異なるところがポイントです。

ここでは、幼いサイモン(ローラ)にとっての靴の存在を解説します。


オリジナルグッズ販売中

・ オリジナルネックレス "LOVE performing arts"


 

幼いサイモンにとって「靴」とは

 

幼いチャーリーの場面と入れ替わるようにして登場するのが、後にドラァグ・クイーン・ローラになる幼いサイモンです。

彼はこっそりとハイヒールに足を忍ばせ、こんな風に歌います。

 

YOUNG SIMON:
Feels like I’m dancing across the high wire
Or bravely soaring off into the blue
Just like a rocket looks with sparks and fire
Feels like the magic never ends inside these—

―ブロードウェイミュージカル“Kinky Boots”より “The Most Beautiful Thing in the World”(作詞:Cyndi Lauper)

 

どんな風に気持ちがたかぶっているかが手に取るように分かりますね。

 

  •  まるで高いワイヤーの上でダンスしているような気分だ
  •  もしくは青の中に勇敢に舞い上がるよう
  •  まるでロケットがきらめきと炎の中に見えるよう
  •  履いている限り魔法がとけないみたいだ、これらの…

 

“into the blue(青の中)” とは「」のこと。

また “Just like a rocket looks with sparks and fire(まるでロケットが~)” というのは、ロケットが打ち上がる瞬間を表現しているんですね。

最後の “magic never ends inside these—” の後に続くはずだった言葉は “shoes”。つまり「これらの靴を履いている限り、魔法はとけないみたいだ」と歌いたかったのです。

しかし、それを父親が止めてしまいます。

 

SIMON’S FATHER:
Take those things off your feet and get inside here, you stupid boy!

―ブロードウェイミュージカル“Kinky Boots”より “The Most Beautiful Thing in the World”(作詞:Cyndi Lauper)

 

サイモンの父親は、息子がハイヒールなどに興味を持ってしまったことを真っ向から非難

「足からそんなものを外して中に入れ、バカ息子が!」といった具合に怒鳴りつける訳ですね。

『キンキーブーツ』における重要な要素の1つは、息子と対峙せず、自分の考え・価値観を押し付けようとする父親の存在です。

チャーリーの父親もそう。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

 

 

それぞれの登場人物にとっての「靴」とは

 

今回は、幼いサイモン(ローラ)にとっての「靴」について着目してみました。

では、他の登場人物にとっての靴とはどのようなものなのでしょうか?最後のパートで歌われているのでみてみましょう。

 

MR. PRICE:
These shoes are symbols of our family’s history

NICOLA:
These shoes will carry me to where I wanna be

YOUNG SIMON:
Feels like I’m dancing

(中略)

YOUNG SIMON:
Don’t you go anywhere ’cause you belong to me

CHARLIE:
You all do realize you’re talking about shoes?

―ブロードウェイミュージカル“Kinky Boots”より “The Most Beautiful Thing in the World”(作詞:Cyndi Lauper)

 

1人ずつみていきましょう。

 

  •  チャーリーの父親:靴はうち代々の象徴と言えるもの
  •  ニコラ:靴は私が行きたい場所へ導いてくれるもの
  •  幼いサイモン(ローラ):(靴は)僕を踊る気にさせるもの、(靴よ)どこにも行かないで、君は僕のものなのだから
  •  大人になったチャーリー:ねぇ、みんな「靴」のこと話してるって自覚してる?

 

こうやって皆熱っぽく歌っていますが、大人になったチャーリーは既に靴に対して冷めてしまっていることが分かりますね。

 

いかがでしたか?

是非、他の登場人物とも比較して、それぞれにとっての「靴」がどのような存在なのか理解を深めておきましょう。

 

もっと考察を読みたい方は、こちらから!


それでは皆さん、良い観劇ライフを…

以上、あきかん@performingart2)でした。

『キンキーブーツ』 解説・考察トップ





あなたも【ミュージカレッジ】メンバーに!
現在のテーマは『アラジン』


ミュージカルを追究したい!もっともっと考察したい!」メンバーが集まる、有料オンラインサークル。月500円~で、あきかんの「音声」と「限定公開記事」からミュージカルを学ぶことができます。配信ペースは週1~2日です。