ハミルトン嫌いなバーが歌う、嫌悪感たっぷりの内容とは?

ミュージカル『ハミルトン(Hamilton)』より“A Winter’s Ball”の英語歌詞を見てみると、ハミルトンに対する嫌悪感やイヤミがひしひしと伝わってきます。

その内容とは一体どんなものなのでしょうか?

A Winter’s Ball”はハミルトンとエリザベスが出会う直前のシーンですね。パーティーに招かれたハミルトンとバーは浮足立っていますが、“A Winter’s Ball”の冒頭は“Alexander Hamilton”同様のメロディーになっています。

Alexander Hamilton”でバーが歌うハミルトンに関する内容は次の記事をご覧くださいね。

 

ちなみに“winter ball”とは何かですが、これは決して「冬のボール、雪合戦」のことではありません(笑)。“ball”とは「舞踏会」の意味がありますから、「冬の舞踏会」という意味ですよ。

 

歌詞のおさらい

今回ご紹介するのはこちらの歌詞です。※韻を踏んでいるところは赤字にしています。

 

BURR:
How does the bastard, orphan, son of a whore
Go on and on
Grow into more of a phenomenon?
Watch this obnoxious, arrogant, loudmouth bother
Be seated at the right hand of the father
Washington hires Hamilton right on sight
But Hamilton still wants to fight, not write
Now Hamilton’s skill with a quill is undeniable
But what do we have in common? We’re
Reliable with the

ALL MEN:
Ladies!
―ミュージカル“Hamilton”より“A Winter’s Ball”

 

先に紹介した“Alexander Hamilton”も今回ご紹介する“Alexander Hamilton”も、歌い出しのフレーズは一緒です。この1ブロックからは、バーのハミルトンに対する嫌悪感がひしひしと感じ取れます。最後の2行以外は…(笑)ということで、まずはそれより前の部分から解説していきますね。

 

バーが見せる嫌悪感

1~5行目:嫌悪感をにじませる

まず、1行目の“How does the bastard, orphan, son of a whore”は“Alexander Hamilton”と同様ですから、「どうやたらくそったれの、孤児の、娼婦の息子が」となります(詳細説明は先の記事を参照)。

2行目の“Go on and on”ですが、“go on ”は「進む」という意味で、それに“and on”が加わることでとそれが連続的に続いている行為であることが分かります。ただ、「進む」といってもこの場合は「昇進、昇格」という意味での「進む」と解釈できますから、ここは「どんどん昇進して」というニュアンスになるでしょう。

3行目は“phenomenon”が難しいですが、「驚異(的なもの)、非凡な人」という意味があります。よって、「より非凡な奴に成長していくんだ」ですね。

4行目は見たことのない単語が続きます…“obnoxious”が「気に障る」、“arrogant”が「横柄な、傲慢な」、“loudmouth”は「おしゃべり」、そして“bother”は「うるさがらせる、邪魔をする、相手の平静を乱す」です。あぁ…単語だけ並べても嫌悪感丸出しなのですが、それに加えて冒頭に“watch this”がありますから、「見てみろ、この気に障り、横柄で、おしゃべりでなうるさい有様を」といった感じでしょうか。

そして5行目にバーが最も嫌がることが歌われていますね。“right hand”とは普通は右手ですが、ここでは片腕、もっと分かりやすく言えば「右腕」でしょう。“the father”とはハミルトンの父親ではなく、建国の父のことでこの場合はワシントンですから、「ワシントンの右腕としての席を設けられ」という解釈で良いと思います。

 

 

6、7行目:ふつふつと沸き起こる嫌悪感

1~5行目ではハミルトンに対するバーの嫌悪感がありありと伝わってきますが、6~8行目は少し違います。感情を押さえて、俯瞰しながらハミルトンの様子をナレーションしているような感じです。

6~7行目は「ワシントンは自分の膝下にハミルトンを置いたのに、ハミルトンは未だに戦争をしたいと言っている、(法律を)書くのではなくて。」ですね。自分はのけ者にされた一方で、ワシントンの信頼を得たハミルトンが、前線で戦いたいと言っているのは、いささか腹が立って仕方がなかったでしょう。それにしても、ここの2行の韻の踏み方はカッコイイですね。

ちなみにこの一連の流れが歌われているのが、“Right Hand Man”ですよ。気になる方はこちらからご覧くださいね。

(記事執筆中)

 

バーとハミルトンの共通点とは

さて、8行目は最後の行につながる直前の一文です。“Now Hamilton’s skill with a quill is undeniable”の“Now”とは「今」ではなく、ここでは「さて」と一呼吸を入れるために使われていると言えます。日本語でも話題を変える時に「さて」とか「ところで」って使いますよね?英語ではその場合に“now”というのが一般的です。

では“now”以降は何なのか。ここは“skill with a quill ”と“undeniable”に分けて考えると良いでしょう。“quill”とは「羽ペン」のことですから直訳して「羽ペンのスキル」、転じて「文才」でしょう。“undeniable”は「非の打ちどころがない、素晴らしい」ですから、「さて、ハミルトンの文才は非の打ちどころがない」と言っているのですね。

そうやって、彼を認めた上で続くのは“But what do we have in common? We’re reliable with the ladies!”です。

“But”とは「でも」という否定表現です。なので、ここまで挙げてきた「俺はハミルトンに叶うものなど何一つない…」という嫌悪感に反した文章が後に続くのだと推測できます。で、出てくるのが“what do we have in common?”ですね。

“in common”とは、「共通に」という意味がありますから「でも、俺たちの共通点は何だ?」と自分たちに問いかけているんです。そして続くのが「女性に信頼を置かれている(“We’re reliable with the ladies!”)!」。

ここ、笑いどころです(苦笑)

なんて低レベルな…そして低俗な…(苦笑)要は立場のある男だということを主張したいんですね。

 

 

まとめ

さて、今回は少し文法や単語の勉強のようになってしまいましたが、結論、バーはこういうことを言っています。

 

  • なんで、どこの馬の骨かも分からないような奴が、どんどん昇進して驚異的存在になっていくんだよ?
    見てみろ、この気に障り、横柄で、おしゃべりでなうるさい有様!
    そんな奴がワシントンの右腕としての席を用意されやがって…。
  • ワシントンは自分の膝下にハミルトンを置いてやったのに、ハミルトンは法律を書くのではなく、戦争をしたいと言っている。
  • さて、さて、ハミルトンの文才は非の打ちどころがないが、俺たちの共通点と言ったら何だ?
  • そう、俺らは互いに女性に信頼を置かれている!

 

 

「くだらなー(笑)!」

…と思いましたか?最初はふつふつと沸き起こる嫌悪感を押さえながら歌っているのに最後の最後でただの女好きが開花してしまうという展開。これがこの曲の展開の最大に面白いところなんですよ。

 

続きが非常に下品!

ちなみに、その続きが非常に下品です(苦笑)。続く歌詞を見てみましょうか。

 

BURR:
There are so many to deflower!

ALL MEN:
Ladies!

BURR:
Looks! Proximity to power

ALL MEN:
Ladies!
―ミュージカル“Hamilton”より“A Winter’s Ball”

 

はい、まず一番下品なところからサラッと説明していきますよー。“deflower”は「処女を犯す」という意味です。

ね?下品でしょっ!?

なので、もの凄く分かりやすく言うと「あちこちにセックスできる女たちがいるぜ~」といったニュアンス。あー、だめだこりゃ。

そして続く“Proximity to power”は“proximity”が「接近」、“power”が「権力」ですから、「権力にものを言わせて接点を持つ」という意味合いかと思われます。

2人して何やってるんだ…って感じですよね。

曲を聴いた時、“Ladies”の言い方に「何となく下品」と思われていた方…大正解でしたね(笑)

♪『ハミルトン』の曲一覧はこちらから:ハミルトン/英語歌詞を徹底分析!

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