アレクサンダー・ハミルトンとは?①出生と有名になった地

あきかん

こんにちは!

ミュージカル考察ブロガー、あきかん(@performingart2)です。

ミュージカル『ハミルトン(Hamilton)』より “Alexander Hamilton” の英語歌詞を見てみると、アレクサンダー・ハミルトン(Alexander Hamilton)がどんな人物だったのかが分かります。

今回は、ハミルトンの出生と彼が有名になった土地をご紹介します。

『ハミルトン(Hamilton)』は、アメリカ建国の父の1人となったアレクサンダー・ハミルトンの生涯を描いた作品です。

歴史上の人物にまつわる話ですから、どんな人物か押さえてから鑑賞しましょう。

ここでは、アーロン・バーのパートを解説します。
※ 『ハミルトン(Hamilton)』を理解する上で、「ラップ」とは何かも押さえておきましょう。

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ハミルトンの出生

両親について

オープニング曲 “Alexander Hamilton” は、登場人物がそれぞれの立場からアレクサンダー・ハミルトンを説明する歌詞構成になっています。

冒頭、アーロン・バー(Aaron Burr)が歌うパートを見ていきましょう。

How does a bastard, orphan, son of a whore and a
Scotsman, dropped in the middle of a forgotten
Spot in the Caribbean by Providence, impoverished, in squalor
Grow up to be a hero and a scholar?

―ブロードウェイミュージカル “Hamilton” より “Alexander Hamilton” (作詞:Lin-Manuel Miranda)

アーロン・バーはハミルトンの生涯のライバルで、ハミルトンはバーとの決闘の末、人生に幕を閉じます。

バーは初めこそハミルトンを嫌ってはいませんでしたが、出世をしていく上でハミルトンが行く手を阻み、邪魔な存在に。

孤児という共通点はありながらも、性格が真逆の2人なので、バーはフレーズの始めから相当汚いことを吐いています。

どの辺が汚いかというと、この部分です。(これらはものすごく汚い表現ですから、絶対に使わないでください!)

・ bastard … くそったれ

・ son of a whore(bitch) … くそ野郎(直訳すると「娼婦の息子め」)

特に男性に使うことが多いスラングで、究極的に相手を侮辱し、馬鹿にする表現になっています。

もちろん “son of a whore” と言っているからと言って、ハミルトンの母親が娼婦だった訳ではありませんよ。

韻を踏む関係から、フレーズが分かりづらいところで区切られていますが、最初はこのような表現になっています。

・ How does a bastardorphan, son of a whore and a Scotsman … どうやったらこのくそったれの、孤児の、娼婦とスコットランド人との間に生まれたくそ野郎は

ハミルトンは早くに両親を亡くしているので、孤児であることは事実です。

また、父親もスコットランド人でした。母親はフランス系だったそうです。

両親について詳しく知りたいという方は、是非こちらの記事も併せてご覧ください。

ハミルトンが有名になった地

続くフレーズはこうなっています。

・ dropped in the middle of a forgotten spot in the Caribbean by Providence impoverished in squalor … 貧しさとさもしさの中、どのようにカリブ海ど真ん中の忘れ去られた土地(島)に辿りつき

・ grow up to be a hero and a scholar? … ヒーローで有能なヤツ(学者)に成長できたんだ?

“by Providence(神の配慮で)” とあるため、こんな土地に辿りつけるのは奇跡的だという意味さえ含まれているように感じます。

バーの嫉妬と嫌悪が入り混じったフレーズになっていることが分かりますね。

このたった4行は、非常に分かりやすくインパクトのあるフレーズで、バーがハミルトンにどんな感情を持っているか分かると同時に、ハミルトンの出生と出世を一度に説明しています。

ミュージカルの第一声がこのフレーズですから、かなり衝撃的・印象的ですよね。

“in the middle of a forgotten spot in the Caribbean(カリブ海のど真ん中の忘れ去られた島)” はどこかというと、セント・クロイ島のことでしょう。

ハミルトンは孤児になった後、セント・クロイ島で生活しています。

ハミルトンの生まれはカリブ海のネイビス島(現在のセントクリストファー・ネイビス)なので、どちらを指しているか悩みました。

しかし”drop in” には「ひょっこり訪ねる、ちょっと尋ねる」という意味しかなかったので、成長していった島と解釈できるので、ここはセント・クロイ島を指している考えられます。

ハミルトンが何故有名になったかについては、次の記事をご覧ください。

wikipediaと比較してみよう

この歌詞はバーの感情が入っているので、wikipediaに書かれている内容と照らし合わせて事実をみていきましょう。

ハミルトンは英領西インド諸島のネイビス島に生まれる。

父親はスコットランド貴族の四男だが、ハミルトンが生まれたときはカリブ海の小さな島の一商人にすぎず、しかものち破産し零落していく。母はフランスのユグノーの子孫という。

アメリカ合衆国の「建国の父」たちは皆、成功した入植者からの名門富裕層の出であったが、誇るべき家柄も無く内縁関係の両親の間に生まれたハミルトンは例外とも言える存在であった。
1768年に兄とともに孤児となり、ニューヨーク商人のクルーガーとビークマン所有のセント・クロイ島にある店で働きはじめ、4年後には店主に代わって店を任されることもあり、その経営能力は高く評価されていた。

アレクサンダー・ハミルトン(wikipedia)

歌詞に書かれている内容と一致すると分かりますね。

これだけの情報をあれだけ端的に、しかもバーの感情も含めて歌っているのですから凄いフレーズだなと改めて感じます。

ネイビス島とセント・クロイ島の位置関係

先に説明した通り、ネイビス島(Nevis)もセント・クロイ島(Saint Croix)も、いずれもカリブ海にある島です。

その2つの位置関係を地図でご確認ください。

Alexander Hamilton” の、他の記事はこちらから。

あきかん

それでは皆さん、良い観劇ライフを…

以上、あきかん(@performingart2)でした!

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