実際は「壁の向こうへ」というタイトルではない?

劇団四季ミュージカル『アラジン(Aladdin)』より“These Palace Walls(壁の向こうへ)”の英語歌詞を見てみると、ジャスミンが宮殿から逃げ出すまでに至る胸の内が歌われていると分かります。

この曲のタイトル、劇団四季版では「壁の向こうへ」となっていますが、英語版では厳密には異なるってご存知でしたか?

※“these palace walls”の意味について、後半追記を行いました。(2018.4.22)

ジャスミンは囚われの身

財産目当てにプロポーズをされつづける毎日にうんざりしてしまったジャスミンは、とうとう「苦肉の策に出る時だ」と自分を奮い立たせます。

今回紹介するフレーズに至る前、

 

 

という歌詞がありましたが、ジャスミンが疑問に思うのはこういうことだったのです。

 

Why shouldn’t I fly so far from here
I know the girl I might become here
Sad and confined
And always locked behind these palace walls
―ミュージカル“Aladdin”より“These Palace Walls”

 

歌詞の意味はこうなります。

 

  • Why shouldn’t I fly so far from here…どうしてここから遠いところへ飛び立ってはいけないのかしら?
  • I know the girl I might become here…私はある女の子のことを知っているわ
  • Sad and confined…寂しく、狭い(限られた)この場所で
  • And always locked behind these palace walls…そしていつもこの宮殿の壁の反対側に閉じ込められているその私が、どうなってしまうかということを

 

随分思い詰めた内容だということを、分かっていただけたのではないでしょうか?劇団四季の

 

ここを飛び出したい
自由になりたいのに
閉じ込められてる 壁の中に
―劇団四季ミュージカル『アラジン』より「壁の向こうへ」

 

という歌詞よりも、ジャスミンの感情が具体的に表現されていますよね。

 

 

“these palace walls”とは?

前半

では、この曲のタイトルはどういう意味なのでしょうか?

直訳すると「これらの宮殿の壁」です。しかし、ジャスミンの気持ちを込めて訳すのであれば「この忌まわしい宮殿の壁」となるのではないでしょうか。

広くてなに不自由ない宮殿での生活にですが、先ほど紹介したパートでジャスミンは“here(ここ)”を“Sad and confined(悲しく、狭い場所)”と説明しています。これは実際の空間的な話しをしているのではなく、ジャスミンの精神的な話しをしているということは、どなたもお分かりでしょう。

この壁がジャスミンと外の世界とを遮り、自由から遠ざけている…そういった、ジャスミンの願う全てのものはこの壁が邪魔をしているということになります。

そういった感情を理解した上で、“these”に着目してみましょう。“these”と言った場合、普通は「これらの」ですが、憎悪を含まれると「この忌まわしい~」というニュアンスになったりします。例えば、“these boys…!”は「こいつらめ…!」となるわけです。

100%の憎悪を含めてジャスミンが“these”と言っているとは言い切れませんが、少なくとも“these palace walls”というフレーズが出てくるまでに歌われている内容を受けると、「この壁がなければ!」「この壁のせいで!」という、ジャスミンの悔しくて辛い気持ちが含まれていると考えられます。

 

後半

(追記:2018.4.22)

では後半ではどういう形で“these palace walls”が出てくるかというと、こうなっています。

 

  • Maybe there’s more beyond these palace walls…この宮殿の壁の向こうに、もっと多くのものがあるかもしれない
  • Something awaits beyond these palace walls…この宮殿の向こうに、何かが待っているかもしれない

 

つまり、前半では宮殿の壁を「自由を遮るもの」と見ていましたが、3人の女中に後押しされ、「向こう側に希望がある」という視点で見るようになります。

英語版では同じ“these palace walls”というフレーズを使って、ジャスミンの視点の変化を表現しているのが、よく分かります。

もちろん「壁の向こう側に行きたい」気持ちがあり、実際に宮殿を出て行くので『壁の向こうへ』というタイトルが間違っているという訳ではありません。ただ、どこに重きを置いているのかという時に、劇団四季版では「これからの希望」の部分を、英語版では「現状の障壁→これからの希望」の変化をタイトルに含ませることに重きをおいていることになります。

こういったタイトルの違いで、曲から受ける印象も微妙に変わってきたりするので、他の曲でも比較してみると興味深いですよ。

 

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