泥棒のアラジンは、英語で何と呼ばれている?


劇団四季ミュージカル『アラジン(Aladdin)』より「逃げ足なら負けない(One Jump Ahead)」 の英語歌詞を見てみると、パンを盗んだアラジンに対して、衛兵たちが色々な呼び方でアラジンを呼んでいることが分かります。
英語版では一体どんな風に呼ばれているのでしょうか?
『ノートルダムの鐘』の解説・考察本を執筆しました!
中世ヨーロッパにおける「身体障がい者」の扱いはどのようなものだったのか?「ジプシー」はなぜ迫害され、「魔女狩り」はどのようにして起こったのか?中世ヨーロッパのリアルに焦点を当てながら、ミュージカル『ノートルダムの鐘』の奥深さを紐解く解説・考察本。
Kindle(電子書籍)、ペーパーバック(紙書籍)、いずれも Amazon で販売中。
Kindle Unlimitedを初めてご利用の方は、体験期間中に0円で読書可能!:0円で読む!
Contents:
劇団四季版
アラジンが登場する、ミュージカル冒頭の「逃げ足なら負けない(One Jump Ahead)」 では、パンを盗んだアラジンが、衛兵に追いかけられる際色々な呼び方で呼ばれています。
劇団四季版ではこうですね。
クズ!盗っ人!悪党!とっちめろ!
―劇団四季ミュージカル 『アラジン』 より 「逃げ足なら負けない」(訳詞:高橋知伽江)
あとは、最後の方で「泥棒!」と呼ばれているところもあります。
英語版
では、英語版ではどうでしょうか?曲の前半部分を見てみましょう。
Riffraff! Street rat! Scoundrel! Take that!
―ミュージカル “Aladdin” より “One Jump Ahead” (作詞:Tim Rice)
なかなかの言われようですね…。ご覧の通りで、ここはこのように歌われています。
- riffraff … ろくでなし
- street rat … ドブネズミ
- scoundrel … 悪党
調べてみたところ “street rat” で独立した意味はないようですが、 “rat” が「ドブネズミ」なのでニュアンス的には「道端のドブネズミめ!」といった感じでしょう。
“Take that” は「あれを取れ」ですから、この場面ではアラジンが手にしている何かを指して「あれを取り返せ!」が近いですね。
中盤では別の呼ばれ方をしています。
Stop, thief! Vandal! Outrage! Scandal!
―ミュージカル “Aladdin” より “One Jump Ahead” (作詞:Tim Rice)
“outrage” と “scandal” は具体的に人を表す単語ではありませんので、ここは「非道なやつめ、非道だ!」、「不祥事だ!」と解釈すると良いでしょう。
“vandal” は5世紀にローマを略奪した「バンダル族」のことのようですが、転じて「野蛮人」という意味があるので、このシーンではこの意味になりますね。
- thief … 泥棒め
- vandal … 野蛮人め
- outrage … 非道なやつめ
- scandal … 不祥事だ
少し聞き慣れない単語もあったと思いますが、どれもアラジンに一致すると頷ける単語ではないかと思います。
これを機に覚えてみるのも良いかもしれないですね。

ブロードウェイ『アラジン』の舞台制作過程を紹介した洋書に、劇団四季が紹介されています!
ブロードウェイと劇団四季の比較や、瀧山久志さん、島村幸大さん、岡本瑞恵さんなどの写真が合計7枚掲載されています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。