ミュージカル『ハミルトン(Hamilton)』より “Alexander Hamilton” の英語歌詞を見てみると、アレクサンダー・ハミルトン(Alexander Hamilton)がどんな人物だったのかが分かります。
今回は、ハミルトンが10ドル紙幣になっているということと、アメリカ合衆国建国の父であるということについてご紹介しします。
『ハミルトン(Hamilton)』は、アメリカ建国の父の1人となったアレクサンダー・ハミルトンの生涯を描いた作品です
歴史上の人物にまつわる話ですから、どんな人物か押さえてから鑑賞しましょう。
ここでは、ジョン・ローレンスのパートを解説します。
※ アレクサンダー・ハミルトンについてより詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
※ 『ハミルトン(Hamilton)』を理解する上で、「ラップ」とは何かも押さえておきましょう。
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10ドル紙幣の人
最初の曲 “Alexander Hamilton” は、登場人物がそれぞれの立場からアレクサンダー・ハミルトンを説明する歌詞内容となっています。
今回はジョン・ローレンス(John Laurens)のパートを見ていきましょう。
The ten-dollar Founding Father without a father
Got a lot farther by workin’ a lot harder
By bein’ a lot smarter
By bein’ a self-starter
By fourteen, they placed him in charge of a trading charter―ブロードウェイミュージカル “Hamilton” より “Alexander Hamilton” (作詞:Lin-Manuel Miranda)
ここで歌われている “The ten-dollar Founding Father” に注目しましょう。
・ ten-dollar … 10ドル紙幣
・ Founding Father … アメリカ合衆国建国の父(正確には “Founding Fathers of the United States of America” )
ハミルトンはアメリカ合衆国建国の父の1人で、10ドル紙幣になっている人物です。
そのため、ローレンスは「10ドル紙幣になった建国の父」というふうにアレクサンダー・ハミルトンのことを説明していることになります。
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その後に続く “without a father(父親のいない)” は事実で、父親は彼がかなり幼い時期に蒸発しています。
この歌詞の面白いところは、建国の父(father)と父親(father)をかけているところですね。
ハミルトンの両親については、次の記事をご覧ください。
「アメリカ合衆国建国の父」とは
では、「アメリカ合衆国建国の父」とは何なのでしょうか?
アメリカ合衆国建国の父(英: Founding Fathers of the United States of America)とは、アメリカ合衆国独立宣言またはアメリカ合衆国憲法に署名した政治的指導者、あるいは愛国者達の指導者としてアメリカ独立戦争に関わった者達である。
―アメリカ合衆国建国の父(wikipedia)
つまり、アメリカ独立のために立ち上がった人たちのことを指すんですね。
ローレンスが歌う以下の “father” は、ハミルトン以外の「建国の父」のことを指しています。
・ The ten-dollar Founding Father without a father … 父親のいない、10ドル紙幣になった建国の父は
・ Got a lot farther by workin’ a lot harder … 沢山の建国の父を獲得した(仲間にした)、より懸命に働くことで
ミュージカルに登場している、建国の父とされる人達は次の通りです。
・ アレクサンダー・ハミルトン(Alexander Hamilton)
・ トーマス・ジェファーソン(Thomas Jefferson)
・ ジェームズ・マディソン(James Madison, Jr.)
・ ジョージ・ワシントン(George Washington)
ちなみに、彼らもそれぞれ貨幣になっています。
・ アレクサンダー・ハミルトン(Alexander Hamilton) … 10ドル紙幣
・ トーマス・ジェファーソン(Thomas Jefferson) … 5セント硬貨、2ドル紙幣
・ ジェームズ・マディソン(James Madison, Jr.) … (かつて5,000ドル紙幣だった)
・ ジョージ・ワシントン(George Washington) … 25セント硬貨、1ドル紙幣 ※いずれも2017.7.18現在
アメリカの貨幣について詳しい内容については、こちらをご覧くださいね。
始まりは商取引
(追記:2020.5.29)
こんな偉大な人物となったハミルトンですが、始まりは貿易商でした。
・ By bein’ a lot smarter … ずっと賢くなったことで
・ By bein’ a self-starter … 先駆者となって
・ By fourteen, they placed him in charge of a trading charter … 14歳で、彼は商取引を任された
ハミルトンは母親が亡くなってから、地主の主人のはからいによって、商売の手伝いをすることになります。
こういった幼い頃からの経験が、将来に結びついていると言えるでしょう。
ハミルトンが商取引の手伝いをしていたことについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
このパートを歌っているローレンスについては、こちらの記事をご覧ください。
“Alexander Hamilton” の、他の記事はこちらから。
それでは皆さん、良い観劇ライフを…
以上、あきかん(@performingart2)でした!
こんにちは!
ミュージカル考察ブロガー、あきかん(@performingart2)です。