英語版「壁の向こうへ」で描かれる、ジャスミンの気持ちの変化と成長

劇団四季ミュージカル『アラジン(Aladdin)』より「壁の向こうへ(These Palace Walls)」 の英語歌詞を見てみると、ジャスミンが歌う同じフレーズが序盤、中盤、終盤で出てきます。

そのフレーズに注目することで、ジャスミンの心の微妙な変化と成長の過程を理解することができますよ。

Music from the Musical

・作品名:アラジン(Aladdin)

・曲名:壁の向こうへThese Palace Walls

・楽譜:These Palace Walls

・訳詞:高橋知伽江(作詞:Chad Beguelin)

アルバムを視聴/楽譜 ・アルバム(日本語):アラジン
・アルバム(英語):Aladdin
・楽譜:

 

注目すべきフレーズとは?

 

注目すべきフレーズとは、ここの部分です。

 

・ Why shouldn’t I fly so far from here … どうしてここから遠いところへ、飛び立ってはいけないのかしら?

 

・ I know the girl I might become here … 私はある女の子を知っているわ、ここでその子(私)がどんな風になってしまうかもしれないということを

 

直訳すると上のような意味になります。

ジャスミンが言っているのは「どうして私は自由に羽ばたけないの?このままここにいつづけたら、きっと私の知っているあの女の子はこんな風になってしまうわ」ということです。

この歌詞が繰り返し出てくるのですが、これに続くフレーズを見ていくことで、ジャスミンの心の変化と成長する過程をみることができます。

 

歌詞の展開

序盤

 

序盤から順に見ていきましょう。

 

Why shouldn’t I fly so far from here
I know the girl I might become here
Sad and confined
And always locked behind these palace walls

―ブロードウェイミュージカル “Aladdin” より “These Palace Walls” (作詞:Chad Beguelin)

 

ジャスミンが現状に苦言を呈しているパートですね。意味はこうです。

 

・ Why shouldn’t I fly so far from here … どうしてここから遠いところへ飛び立ってはいけないのかしら?

 

・ I know the girl I might become here … 私はある女の子のことを知っているわ

 

・ Sad and confined … 寂しく、狭い(限られた)この場所で

 

・ And always locked behind these palace walls … そしていつもこの宮殿の壁の反対側に閉じ込められているその私が、どうなってしまうかということを

 

広いはずの宮殿が、ジャスミンにとっては狭くて寂しいものであるということが分かります。

そして “always locked behind these palace walls(いつもこの宮殿の壁の内側に閉じ込められている)” ことから、身動きの取れないジャスミンを想像することができますよね。

ここでは心が抑圧されてしまっているジャスミンが描かれていることが分かります。

(↓このパートのジャスミンの本音については、次の記事でまとめているので是非併せてご覧ください)

 

 

中盤

 

では中盤はどうでしょうか?

 

Why shouldn’t I fly so far from here
I know the girl I might become here
Follow your heart or you might end up cold and callous

―ブロードウェイミュージカル “Aladdin” より “These Palace Walls” (作詞:Chad Beguelin)

 

最初の2行は序盤と同じですよね。3行目にどんなことが歌われているのか直訳すると、こうなります。

 

・ Follow your heart or you might end up cold and callous … 自分の心に従いなさい、そうしなければあなたは冷たく無感覚で終わってしまうかもしれない

 

 

つまり「自分の正直な気持ちに従わなければ、冷たく無感覚な人間で終わってしまうかもしれない」ということです。

色々なしきたりで、決められたレールやルールの中過ごさなければいけないジャスミンですが、女中たちの助言によって、「心が抑圧されたままではだめだ」ということに気づいたんですね。

なので「抑圧された、留まった心」から「素直な心」へ視点が移って行きます。

(↓女中達の助言については、次の記事でまとめていますのでご覧ください)

 

終盤

 

そして終盤。ここは最初の1行のみ一致しています。

 

Why shouldn’t I fly so far from here
Something awaits beyond these palace walls

―ブロードウェイミュージカル “Aladdin” より “These Palace Walls” (作詞:Chad Beguelin)

 

どういう意味かというと、直訳でこうなります。

 

・ Why shouldn’t I fly so far from here … どうしてここから遠いところへ飛び立ってはいけないのかしら?

 

・ Something awaits beyond these palace walls … この宮殿の壁の反対側に何かが待っている

 

前向きですね!かなり前向きな感情になりました。

ジャスミンは「どうして、ここから遠いところへ飛び立ってはいけないというの?この壁の向こうに何かが待っているかもしれないというのに!」と希望を持つようになったのですね。

従って、「抑圧された、留まった心」から「素直な心」へ視点が移って行き、最終的に「大きく動き出す心」へと変化していったのです。

この曲はある意味、ジャスミンの成長が描かれていると言っても良いでしょう。今までの自分をまっすぐ見つめ、人の意見を真摯に受け止め、そして改善していくという、素晴らしい曲です。

音楽、コーラス的にも文句の言いようがない曲ですが、それに勝るのがこの歌詞と言っても良いと思います。この曲を聴くときは、ジャスミンの成長を見届けて下さいね。

 

壁の向こうへ(These Palace Walls)」 の、他の記事はこちらから。


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