ジャスミンの父の名前「サルタン」は、名前でない?単語の意味は?

 
こんにちは!

ミュージカル考察ブロガー、あきかん@performingart2)です。

劇団四季ミュージカル『アラジン(Aladdin)』のヒロイン・ジャスミンの父親はサルタンですが、これはどのような意味なのでしょうか?

調べてみると「サルタン」は名前ではなく、とても奥深い意味があるということが分かりました。


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サルタンの意味は「国王」

 

ジャスミンの父親、つまりアグラバーの国王は娘想いの良き父親です。

少し過干渉すぎるところが玉に瑕ではありますが、穏やかで可愛らしさがありますよね。

そんな彼の名前「サルタン」はどのような意味ががあるのでしょうか?

発音からしてアラビア語だろうと思っていましたが、調べてみるととても興味深いことが書かれていましたよ。(引用の色付きは、あきかんによる。)

 

スルターン(アラビア語: سلطان‎ sultān)は、イスラム世界における君主号(君主の称号)のひとつ。アラビア語で「権力(者)」、「権威(者)」を意味する。マレー語・トルコ語などの発音に準じてスルタンと書かれることも多く、「国王」、「皇帝」などとも訳される。古くは英語における発音の音訳によってサルタンとも書かれたが、近年では稀である。

スルターン(wikipedia)

 

原語に忠実に発音するとなると「スルターン」や「スルタン」が近く、意味は「権力者、国王、皇帝」ということです。

アラジンの世界観はインドとアラブの融合ですが、そのエリアの言語で「国王」を意味する単語を、ジャスミンの父親に付けたのですね。

ですから作品内のサルタンは名前ではなく、「国王」という意味で使われていると言えるでしょう。

 

現代にサルタンは存在するのか?

 

では、現実世界において「サルタン(以下スルタン)」は存在するのでしょうか?(引用の色付きは、あきかんによる。)

 

〈サルタン〉とも。正しくは〈スルターン〉。イスラム王朝の君王の称号。11世紀のセルジューク朝に始まるとされる。イスラム世界の精神的権威であるカリフから,その保護者として世俗政治をつかさどることを認められ,称号を授かるという形をとった。現代ではオマーン,ブルネイ,マレーシアの首長がスルタンの称号をもつ。このほかの君主の称号としては,アミール,マリク,シャーなどがある。

スルタン(コトバンク)

 

コトバンクによると、オマーン、ブルネイ、マレーシアでは首長がスルタンの称号を持っているようですね。

また、イスラム教の聖典コーランでは「精神的、呪術的な権威」を示す言葉として使われているようですが、その後「政治的な権威」を示す言葉としても使われ始めたようですね。(引用の色付きは、あきかんによる。)

 

11世紀以後,主としてスンナ派イスラム王朝の君主が用いた称号。アラビア語で正しくはスルターンとよぶ。古代シリア語のシュルターナー(権力,権力者)に由来する。コーランではこの語は精神的・呪術的な権威を表すものとして用いられた。その後ハディースやアラビア語文献史料で政治的権威を示す語として使われ始め,11世紀以後になって王朝の支配者の称号として使用されるようになった。しかし,イスラム世界(ウンマ)には,その長としてカリフが存在する。

スルタン(コトバンク)

 

つまり、スルタンとはイスラム教とは切っても切れない関係にある言葉だということです!

こういった意味を知ると、サルタンはとても権威のある存在だと分かり、これまでと少し見る目が変わってくるような気がしませんか?

ちなみに、ジーニーもとてもアラブと深い繋がりのある名前ですよ。是非併せてご覧くださいね。

 


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それでは皆さん、良い観劇ライフを…

以上、あきかん@performingart2)でした。

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