必読!トプシー・ターヴィーでクロパンがこじきに変装する深いワケ


劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘(The Hunchback of Notre Dame)』より「トプシー・ターヴィー/パート1(Topsy Turvy Part.1)」の英語歌詞を見てみると、一瞬クロパンがこじきに変装しているシーンがあります。
なぜクロパンがこじきに扮するか、考えたことはありますか?
クロパンがこじきに変装するのは、これが彼の仕事だからです。
障がい者に扮して、お金を恵んでもらうという魂胆を描いたシーンなんですね。
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Contents:
変装する時のクロパンの台詞
クロパンが、こじきに変装する時の台詞はこうなっています。(引用の色付きは、あきかんによる。)
In the midst of the crowd, there suddenly appeared a ragged beggar,
with a patch for an eye, a crutch, and tattered clothes.
All part of his disguise.―ミュージカル “The Hunchback of Notre Dame” より “Topsy Turvy Part.1” (作詞:Stephen Schwartz)
台詞の意味はこうです。
こじきの変装をしている…ということはよく分かりました。
ではこの変装、一体何のためにやっているのでしょうか?
何故こじきの変装をしているのか
「お祭りだから、コスプレしているんじゃないのかな?」と思われた方、残念ながらハズレです。
実はこれ、ジプシー達のれっきとした仕事。
つまりお金を得るために、健常者のジプシーが障がい者の変装をして物乞いをしているのです!
その昔、パリでは障がい者が物乞いをすることで生計を立てていた時代があったそうです。
そのうち「障がい者になればお金が手に入る…」と知った健常者が、障がい者に扮してお金を稼ぐようになったそうで、生活に困っていたジプシーが混ざっていたんですね。
証拠に、クロパンが変装した直後、前を通りがかった男性がお金をポケットから盗まれています。
「奇跡御殿」を理解することが重要なカギ
こういった人間達が仕事終わり集まる場所は「奇跡御殿(The Court of Miracles)」と呼ばれています。
奇跡御殿がどういうところで、何故奇跡と呼ばれているのかは、こちらの記事をご覧ください。
