「ノートルダムの鐘」日本語と英語で微妙に異なるパリの朝

劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘(The Hunchback of Notre Dame)』より“The Bells of Notre Dame(ノートルダムの鐘)”を見てみると、劇団四季版と英語版で微妙にパリの朝の風景が異なります。

その微妙な違いとはどんなところでしょうか?


【ミュージカル“The Hunchback of Notre Dame”/“The Bells of Notre Dame”/作詞:Stephen Schwartz * 劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘』/「ノートルダムの鐘」/訳詞:高橋知伽江】

『ノートルダムの鐘』のオープニングはパリに鳴り響くノートルダムの鐘が、パリ市民にとってどんなものなのかが分かる様子から始まります。

劇団四季版よりも英語版の方がより朝の様子が詳しく分かり、またノートルダムの鐘の存在感が伝わってきます。

 

歌詞のおさらい

劇団四季版

まず、お馴染みの劇団四季版は次のフレーズですね。

 

パリの朝
鐘が鳴り響くよ
ノートルダム

街は目覚め
みんな今日も働くよ
ノートルダム

時には強くとどろき
時にはささやいて

この街の魂を歌う鐘
鳴らせノートルダム
―劇団四季ミュージカル 『ノートルダムの鐘』 より 「ノートルダムの鐘」(訳詞:高橋知伽江)

 

注目する点はここです:

 

  1. 市民は鐘の音で働きに出る
  2. 時にはとどろき、時にはささやくように鳴る
  3. この街(パリ)の魂を歌う

 

英語版

では一方の英語版はどうでしょうか?

 

Morning in Paris
The city awakes
To the bells of Notre Dame

The fisherman fishes
The baker-man bakes
To the bells of Notre Dame

The big bells as loud as the thunder
And little bells soft as a psalm

And some say the soul
Of the city’s the toll
Of the bells
The bells of Notre Dame
―ミュージカル“The Hunchback of Notre Dame”より “The Bells of Notre Dame”(作詞:Stephen Schwartz)

 

注目する点はここです:

  1. The fisherman fishes/The baker-man bakes
  2. The big bells as loud as the thunder/And little bells soft as a psalm
  3. And some say the soul/Of the city’s the toll/Of the bells

 

 

英語歌詞の解説

それでは1つずつ比較してみましょう

 

「パリ市民の働き」について

劇団四季版では「みんな今日も働くよ」、英語版では“The fisherman fishes/The baker-man bakes”となっているパートです。

いずれもノートルダムの鐘でパリ市民は目覚め、働きに出ることを歌っていますが、英語版の方がより具体的になっています。「ノートルダムの鐘の音で漁師は漁をするし、パン屋はパンを焼く」という内容になっていますね。

 

「鐘の音」について

鐘の音について、劇団四季版では「とどろき」と「ささやき」という表現が使われています。一方の英語版は“loud as the thunder”と“little bells soft as a psalm”です。

“~ as”というのは、「~のように(~のような)」という意味ですから、ここは「大きな鐘は雷のように大きな音で、小さな鐘は讃美歌のように優しく」です。

鐘(bell)の大小で、奏でる音の種類が異なるということが、この歌詞から伝わってきます。

 

「魂」について

ノートルダムの鐘は「この街(パリ)の魂を歌う」と劇団四季版では訳されていますが、元の英語版は“And some say the soul/Of the city’s the toll/Of the bells”となっています。

“And some say the soul/Of the city’s the toll/Of the bells”の文章が少し難しく感じられますが、次の2つの文章が1つになっています。

 

  • And some say the soul of the city’s
  • the toll of the bells

 

“some say”のsomeとは「ある人」という意味になりますので、1つ目の文は「ある人は言う、それは街(パリ)の魂だと」です。

2つ目の文は、先程下線を引いた「それ」が“the toll of the bells”になりますが、“toll”とは「鐘をゆるやかに鳴らす」ことを指すので、ここのフレーズは「ある人は、ゆるやかな鐘の音は“街の魂だ”という」という意味になります。

ちなみに、この“toll”には「弔いの鐘の音」を鳴らす意味でも使われるそうです。つまり、死者を報告する鐘のことも指すんです。

そうだと知ると、この作品のエンディングが暗示されているような気がして来ませんか?

いかがでしたか?こうやって歌詞を比較すると、表現の異なりから新たに気付くことや、何故日本語でそのように訳されたかが分かりますよね。

他にもこのように比較をしている歌詞がありますので、是非ご覧ください!

 

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『ノートルダムの鐘(The Hunchback of Notre Dame)』の曲一覧はこちら



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