劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘(The Hunchback of Notre Dame)』より「フィナーレ(Finale)」の英語歌詞を見てみると、自らの最期でとても重要な言葉を残していることが分かりました。
この記事では、日本語版では訳されていない、その言葉と意味を解説していきます。
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目次
フロローの最期、日本語と英語歌詞の比較
「フィナーレ(Finale)」ラテン語パートの終盤、哀しみに耐えかねたカジモドがフロローを掴み、塔から突き落とすシーンがあります。フロローの最期です。
日本語版では、次のように描かれています。
石像達/ガーゴイル(アンサンブル):(略)フロローは屋根の端を越えて奈落の底へ
劇団四季ミュージカル 『ノートルダムの鐘』 より 「フィナーレ」(訳詞:高橋知伽江)
フロロー:あー!
しかし、英語版では次のように、ある単語を発しています。
Congregation:(略)threw his master over the edge of the roof into the abyss below.
ミュージカル “The Hunchback of Notre Dame” より “Finale” (作詞:Stephen Schwartz)
Frollo:Damnation…!
“damnation” とは、どのような意味なのでしょうか。
英語版では「天罰」と発していた!
“damnation” には、次の意味があります。
- damnation
地獄に落とすこと、天罰、破滅
天罰…
傍から見たら、フロローは行きすぎた行動に出てしまったかもしれません。しかし、その根本にあるのは「神に忠実な聖職者」。神への忠誠心が強い人物であることは、作品をご覧になった方なら手に取るように分かるでしょう。
こういう最期を迎えてしまったのは「神の判断」「天から受けた罰」である…そう考えると、最期の瞬間に放つ言葉は「天罰」と解釈するのがしっくりくるように感じます。
加えて “damnation” には「地獄に落ちていく自分」、「破滅してしまった自分」といったニュアンスも凝縮されているように思います。
1つの単語で大きく変わる、フロローの印象
日本語版では「カジモドの手によって落とされた」という印象が残りますが、英語版では “damnation” があることによって、フロロー自身が「(自らの過ちで)天罰が下った」と認識していることが観客に伝わります。
フロローを悪役扱いしきれないのは、彼の考え方や気持ちを理解できるからでしょう。非難しきれないからこそ、見ていて辛いのです。
そんなフロローの最期の言葉は、聖職者として生き抜いた一面も見せてくれているように思います。
【追記】フォロワーさんからの情報
この記事を書いたところ、有難いことにフォロワー様から沢山の反響をいただきました。その中から2つ、有益な情報を共有します!
当初の劇団四季の訳は何だった?(2017.10.5追記)
※ご本人より掲載許可取得済。
もともとは「ちくしょう!」が最期の言葉だったようで…!これはまた随分と印象の変わる訳ですね。
「あー!」に変えて正解だと思います(笑)。
原作ではどうなっている?(2017.10.5追記)
※ご本人より掲載許可取得済。
これは初耳!
“damnation” はミュージカルからではなく、ヴィクトル・ユーゴーの原作の時点から書かれているとのこと。
日本語訳の「無念!」は、遠からずも近からずで、悪くはありません。ただ、フロローが全うした「聖職者」の立場からいうと、意味をくみ取りきれていない気がします。
たった1つの単語を知っているか知らないかで、一瞬のシーンで受ける印象がガラリと変わることが分かりますね。

それでは皆さん、良い観劇ライフを…
以上、あきかん(@performingart2)でした!
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ミュージカル考察ブロガー、あきかん(@performingart2)です。