『ノートルダムの鐘』によく出る「キリエ・エレイソン」の意味

 
こんにちは!

ミュージカル考察ブロガー、あきかん@performingart2)です。

 

劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘(The Hunchback of Notre Dame)』の歌詞を見てみると「キリエ・エレイソン( “Kyrie eleison” )」というフレーズをよく目にしますよね。

聞き慣れないこのフレーズ。

英語ではなさそうですが、何語で、どういう意味かご存知ですか?

調べてみたところ、キリエ・エレイソンは「ギリシャ語」で、意味は「神よ、憐れみたまえ」だと分かりました。

どんなシーンで使われる言葉か、みていきましょう。

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「キリエ・エレイソン」が登場する曲

 

ミュージカル『ノートルダムの鐘(The Hunchback of Notre Dame)』には、大聖堂の中にいる気分になる曲が数多くありますよね。

コーラスがその大きな役割を担っており、荘厳で清らかな空間を作り上げています。

そういった曲は主にラテン語で歌われていますが、中でもよく登場するフレーズがあります。

そう「キリエ・エレイソン( “Kyrie eleison” )」です。

調べてみたところ、次の歌の中に登場していました。

 

  1. ノートルダムの鐘(The Bells of Notre Dame
  2. 地獄の炎(Hellfire
  3. エスメラルダ(Esmeralda

 

しかし「キリエ・エレイソン」はどういう意味か見当もつかなかったので、調べてみることにしました。

 

「キリエ・エレイソン」の意味

 

「キリエ・エレイソン」は、このような意味だそうです。(引用の色付きは、あきかんによる。)

 

キリエ(Kyrie)はギリシア語の κύριος(kyrios – 主)の呼格κύριεをラテン文字で表わしたもので「主よ」を意味する。

また、「キリエ」(もしくは「キリエ・エレイソン」)はキリスト教の礼拝における重要な祈りの一つ

日本のカトリック教会では第2バチカン公会議以降典礼の日本語化に伴い、憐れみの賛歌と呼ばれる。日本正教会では「主、憐れめよ」と訳される

キリエ・エレイソン(wikipedia)

 

ギリシャ語」で、キリスト教の礼拝において重要な祈りの1つ

意味は「神(主)よ、憐(あわれ)みたまえ」なんですね。

確かに「キリエ・エレイソン」が歌われる曲を振り返ると、どれも慈悲を乞うシーンで歌われていることが分かります。

こういったフレーズまでしっかり押さえておくと、シーンをより深く理解できますよね。

意味をしっかりと覚えた上で観劇するようにしましょう。

 

 

「キリエ・エレイソン」は三位一体の1つ

 

(追記:2020.4.3)

キリスト教のミサは、ほとんどがラテン語ですが、キリエ・エレイソンだけは「ギリシャ語」と珍しいです。

実際の歌詞は3行で、次のようになっています。

 

Kyrie eleison.
Christe eleison.
Kyrie eleison.

キリエ・エレイソン(タ メタ タ ポーネーティカ)

 

“Christe” は「キリスト」ですから「キリストよ、憐れみたまえ」となりますが、全く同じ表記の1、3行目の “Kyrie” は意味が異なるようです。

 

  • Kyrie … 神(主) … 父(父なる神)
  • Christe … キリスト … 子(神の子)
  • Kyrie … 聖霊 … 霊

 

これらは三位一体の神を指しているそうです。

三位一体とは、キリスト教において「神、キリスト、聖霊」の3つが一体であり、唯一の神であるという考えです。

『ノートルダムの鐘(The Hunchback of Notre Dame)』では「キリエ・エレイソン」としてしか歌われませんので「神」と「聖霊」のどちらを指しているか正確には分かりません。

しかしフロローやエスメラルダが神と対峙する場面が多いことを考えると『ノートルダムの鐘(The Hunchback of Notre Dame)』で歌われる「キリエ」は1つ目の「父なる神(主)」を指していると言えるでしょう。

 

他のラテン語歌詞については、こちらをご覧ください。

 

もっと考察を読みたい方は、曲一覧から!


それでは皆さん、良い観劇ライフを…

以上、あきかん@performingart2 ←twitter)でした。

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