劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘(The Hunchback of Notre Dame)』の原作『ノートルダム・ド・パリ』を読んでみると、フィーバスの名前の意味が書かれている描写がありました。
フィーバスとはどういう意味なのでしょうか?
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ミュージカルを観てみても、フィーバスがどういう意味なのかについては触れられていません。触れられているとしたらカジモドくらいですよね。
そこで原作を読んでみたところ、彼の名前について触れられている箇所がありました。
エスメラルダのことを助けてくれた「フィーバス」という人物の名前の意味を、グランゴワールという詩人に聞くシーンです。(引用の色付きは、あきかんによる。)
それは『太陽』って意味のラテン語ですよ。
それにね、美男の射手の姿をした神様の名前でもあるんですよ―『ノートルダム・ド・パリ(上)』ユゴー作、辻昶・松下和則訳、岩波文庫(p.214)
なんと、驚きです!こんな贅沢な名前だったとは…。
「フィーバス」と調べると「ポイボス」というに辿りついたので、詳細を見てみましょう。(引用の色付きは、あきかんによる。)
ポイボス(古希: Φοῖβος, Phoibos)は、ギリシア神話の神アポローンの別名、あるいは称号である。「輝く者」の意と考えられ、「光明神」と訳されるが、正確なところは不明である。
(中略)
古典ラテン語では、ギリシア語の神名をラテン語化して、ポエブス・アポロ(Phoebus Apollo)と呼んだ。ポイボスは本来「光明神」の意味とされるが、アポローンが太陽神とされたため、ローマ神話においてもポエブスを太陽神の意味に解釈した。このことから、のちの西欧の詩において、太陽の比喩としてポイボスまたはポエブス(英語ではフィーバス)と、その車(二輪戦車)が用いられるようになる。
―ポイボス(wikipedia)
ラテン語のポイブス、ホエブスを英語読みしたのが「フィーバス」なんですね。
ちなみに、原作内では「フェビュス」という発音で訳されています。
太陽、美男、神…そして「輝く者」!なんと未来を照らすような美しい名前なのでしょうか。
しかも、次の行いを照らし合わせると、なおさらその名前に価値を感じてしまいます。
是非、併せてご覧くださいね。
カジモドとエスメラルダの名前の意味も解説しています。ご存じない方は是非併せてご覧くださいね。
それでは皆さん、良い観劇ライフを…
以上、あきかん(@performingart2)でした!
こんにちは!
ミュージカル考察ブロガー、あきかん(@performingart2)です。