「人生を踊り明かせ」の歌詞がすごい! “deserve” に注目

あきかん

こんにちは!

ミュージカル考察ブロガー、あきかん(@performingart2)です。

劇団四季ミュージカル『ウィキッド(WICKED)』より “Dancing Through Life(人生を踊り明かせ)” の英語歌詞を見てみると “deserve each other” という歌詞をよく目にするはずです。

たびたび出てくるこの歌詞の意味、実はこの曲の核になっているんです!

“deserve each other” の意味

まず本題の “deserve each other” がどういう意味なのか押さえておきましょう。これは次のような意味になります。

  • deserve each other … お互いにお似合い

劇団四季の日本語歌詞でも「お似合い」と表現されていますが、この部分を訳していたんですね。

“deserve” は「~の価値がある」ですから、「お互いに価値がある」で「お似合い」と解釈できます。

Dancing Through Life(人生を踊り明かせ)” の中では「あるもの」と「あるもの」がお似合いだと歌われているのですが、それぞれ何がお似合いだと歌っているのでしょうか?

大きく分けると3つあり、1つずつ説明していくので少し長~い記事になってしまいますが、肝心な部分です!是非押さえてくださいね。

また、『レント』にも “deserve” という言葉が使われているシーンがあるので、気になる方は合わせてご覧ください。

グリンダとフィエロ

まずはグリンダとフィエロ。

劇団四季版

劇団四季版の歌詞から見て行きましょう。(引用の色付きは、あきかんによる。)

さてと、
…じゃあ八時頃、迎えに行こうか?
素敵!
私たち二人
気が合いそうだね(わ)
あなた
僕と
仲良くしよう
手を取り合い
踊ろう

―劇団四季ミュージカル『ウィキッド』より「人生を踊り明かせ」(訳詞:浅利慶太)

ここには「お似合い」という言葉こそ出てきませんが「気が合いそう」「仲良くしよう」「手を取り合い」辺りから親密さが伺えますね。

英語

では、元の英語版はどうなっているでしょうか?(引用の色付きは、あきかんによる。)

GALINDA:
(spoken) So:

FIYERO:
(spoken) So I’ll be picking you up around eight?

GALINDA:
(spoken) After all –
(sung) Now that we’ve met one another

FIYERO AND GALINDA:
It’s clear – we deserve each other

GALINDA:
You’re perfect:

FIYERO:
You’re perfect:

BOTH:
So we’re perfect together
Born to be forever
Dancing through life:

―ブロードウェイミュージカル “Wicked” より “Dancing Through Life” (作詞:Stephen Schwartz)

注目して頂きたいのは “(sung)” と書かれている歌に入るところからです。

“Now that we’ve met one another(お互いが今こうして出会って)” と始まり、 “It’s clear – we deserve each other(もう明らかね、私たちお似合いよ)” と続いています。

何故そう思うのかというとお互いが “perfect(完璧)” だから…と言っています。

おぉ、なんとプラス思考で自信家な2人なのでしょうか(笑)。

ネッサローズとボック

次はネッサローズとボック。まずはボックに誘われたことをエルファバに話しているところです。(引用の色付きは、あきかんによる。)

劇団四季版①

エルファバ…
私もダンスホールに行くの!
楽しいのよ 私の気持ちは
デートだわ 素敵な彼と
グリンダさんに お礼言いたい
二人はお似合い 私とボック
仲良くしたいの
手を取り合い ながく
お願いエルファバ

そうね

―劇団四季ミュージカル『ウィキッド』より「人生を踊り明かせ」(訳詞:浅利慶太)

ここには「お似合い」という言葉が出てきていますね。

ネッサローズはボックと自分がお似合いである、デートに誘われたのは初めてだから、お願い…とエルファバに伝えています。

英語版①

英語版はどうなっているのでしょうか?(引用の色付きは、あきかんによる。)

NESSAROSE:
(spoken) Oh, Elphaba – isn’t it wonderful?
(sung) Fin’lly, for this one night
I’m about to have a fun night
With this Munchkin boy
Galinda found for me
And I only wish there were
Something I could do for her
To repay her
Elphaba, see?
We deserve each other
And Galinda helped it come true
We deserve each other,
Me and Boq:
(spoken) Elphaba, please try to understand:

ELPHABA:
I do:

―ブロードウェイミュージカル “Wicked” より “Dancing Through Life” (作詞:Stephen Schwartz)

グリンダが自分のために見つけてくれたマンチキンの男の子と、ついにこの夜を過ごすことになったと、歌いだしています。

そして、何かグリンダにお礼がしたいのだと言っていますね。

何故ならば  “We deserve each other/Me and Boq(私たちはお似合いだから、私とボックは)” 」です。

そしてそれを手助けしてくれたのはグリンダ…という流れになっています。

ちなみに私はこの後の

  • Elphaba, please try to understand
  • I do

のやりとりが、とってもとっても好きです。

何が好きかというと、ネッサローズが “Elphaba, please understand” と言わないこと。

これだと、「エルファバ、お願い分かって」となり自己主張が少し強くなります。しかし原文はこうです。

  • Elphaba, please try to understand … エルファバ、お願い(私の気持ちを)分かろうとして

エルファバにとっては犬猿の仲であるグリンダを称賛し、さぞかし気分を害しているだろう…そんな風にネッサローズはエルファバの気持ちを汲んでいるんです。

だからこそ「自分のこの嬉しい気持ちが分からなくても良い、でも分かろうとして欲しいの」という意味合いでこのような言い方をしているんですね。

それに対するエルファバの返答も素敵です。たった2語ですが、省略されている部分まで書くとこうなります。

  • I do try to understand … 気持ちを分かろうと努めるわ

劇団四季版では「そうね」と訳されていますが、原文を受けて忠実に訳すとしたら「そうするわ」「そう努めるわ」が近いのではと思います。

劇団四季版②

この曲の最後、ダンスパーティーの場でも、ネッサローズとボックがお似合いだということについては触れられています。(引用の色付きは、あきかんによる。)

まぁ ボック
夢のようよ
ずっと待ってたの
運命の人
心ときめく 想いを
あのさ…
行こう
え?
踊ろう!

―劇団四季ミュージカル『ウィキッド』より「人生を踊り明かせ」(訳詞:浅利慶太)

こちらも「お似合い」という言葉こそありませんが、「運命の人」や「心ときめく」などと書かれていて距離が縮まっていく様子が伺えますね。

英語版②

では英語版はどうでしょうか?(引用の色付きは、あきかんによる。)

NESSAROSE:
Oh, Boq, I think you’re wonderful!
And we deserve each other
Don’t you see, this is our chance?
We deserve each other
Don’t we, Boq?

BOQ:
(spoken) You know what?
(sung) Let’s dance:

NESSAROSE:
(spoken) What?!

BOQ:
Let’s dance!

―ブロードウェイミュージカル “Wicked” より “Dancing Through Life” (作詞:Stephen Schwartz)

ここも好きですねー、特にネッサローズのパートが…!

  • And we deserve each other
  • Don’t you see, this is our chance?
  • We deserve each other
  • Don’t we, Boq?

1行目と3行目は見ての通りいずれも「私たちお似合いよ」ですね。2行目は「私たちにとってのチャンスだと思わない?」で、4行目は「そうじゃない、ボック?」です。

自分一人で私たちはお似合いだと言い続けてきたネッサローズが「私たちってお似合いよね?」とボック確認しているのが2、4行目。

切なくもあり、儚くもあるこのパートにぎゅっと詰まっています。

エルファバと帽子

最後はエルファバです。この歌詞のすごいところは「お似合い」の対象を恋する相手だけに持ってこないところなんですね。注目頂きたいパートがここ。

劇団四季版

グリンダ、あのね…
ネッサとあなたのこと
話してたんだけど…

私もあなたのこと話してたの!
今夜のパーティにどう?
あなたに
ね?似合うの
黒は流行(はやり)よ
あたしからの贈り物
受けて さあ
みんな 褒める きっと
仲良しのしるし

―劇団四季ミュージカル『ウィキッド』より「人生を踊り明かせ」(訳詞:浅利慶太)

グリンダのいじわる…。流行でもなんでもない黒のトンガリ帽子をエルファバにプレゼントして「お似合い」だと

英語版

英語版はどうでしょうか?(引用の色付きは、あきかんによる。)

ELPHABA:
(spoken) Galinda – my sister and I were talking about you
just now-

GALINDA:
(spoken) And I was just talking about you! I thought you
might want to wear this hat to the party tonight!
(sung) It’s really, uh, sharp, don’t you think?
You know – black is this year’s pink
You deserve each other
This hat and you
You’re both so smart
You deserve each other
So here, out of the goodness of my heart:

―ブロードウェイミュージカル “Wicked” より “Dancing Through Life” (作詞:Stephen Schwartz)

劇団四季版で訳されていないものとしては、 “You’re both so smart” の部分でしょうか。これは「あなたたち、どちらもとってもスマートだし」という内容です。

あなたたち、というのはもちろんエルファバと帽子のこと。いずれもはシュッとしているとか、こざっぱりしているということを言いたいのでしょうね。(モノは言いよう、グリンダって本当に言い回しが上手…ですよね。)

“deserve each other” が各パートでどんな風に使われ、どんな風に展開していったかお分かりいただけたでしょうか?

同じフレーズでも、シーンによって聞こえ方が異なってくる、何重構造にもなっているこの歌詞が私はとても好きです。みなさんはどうですか?

さて、グリンダのパートに “You know – black is this year’s pink” というフレーズがあります。

これ、案外理解するのが難しいフレーズで、私も理解するまでにそうとう時間がかかりました。こちらについては次の記事で紹介しているので、是非合わせてご覧ください。

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