必読!涙なしには読めない「ヘアスプレー」黒人のデモのプラカード

ミュージカル映画『ヘアスプレー(Hairspray)』より“I Know Where I’ve Been”のシーンを見てみると、デモに参加をした黒人やトレイシーが色々な種類のプラカードを手に持っていることが分かります。

全8種類あるこのプラカードですが、それぞれ何と書かれているかご存知ですか?1つ1つの意味を知った時、きっとあなたの目には涙が浮かび、黒人の訴えに耳を傾けることになるでしょう。

※全体を読みやすくするため記事の構成を変更致しました。(2017.7.3)

『ヘアスプレー』では明るく軽いテンポの曲が数多く使われる中、唯一静かで力強い曲がこの“I Know Where I’ve Been”です…

私はこの曲が大好きで大好きでたまりません。もっといえば、このQueen Latifahの歌い方がたまらなく好きです。

「辛かった過去、諦めそうになった過去…そういう長い道のりを歩いてきたけれど、それでもまだ自分たちの手には未来があるんだ」という、黒人たちの強い結束力と意志を熱く感じられるそんな音楽と歌詞に、毎回涙を流してしまいます。

さて、このシーンでは数々のプラカードが掲げられていますが、「何と書いてあるんだろう?」と気になった方も多いのではないでしょうか?そこで、今回はそのプラカードに書かれているフレーズが何か、それぞれどういう意味なのか…をご説明します。

黒人差別により、テレビ番組に出られなくなった多くの黒人の子どもたち。そのことを思い出しながら、1つ1つ見ていきましょう。

 

プラカードに書かれている内容

まず、どんな種類があるか紹介しますね。数えてみると全部で8種類あることが分かりました。

 

  1. LET OUR CHILDREN DANCE
  2. BLACK and WHITE UNITE
  3. BLACK AND WHITE ITS OUTTA SIGHT
  4. INTEGRATION NOW
  5. INTEGRATION NOT SEGREGATION★
  6. INTEGRATION YES SEGREGATION NO
  7. TV is BLACK AND WHITE
  8. DO THE CHECKER BOARD
    ★マークを付けたものは、トレイシーが持ったプラカードです。

 

黒人を意味する“black(黒)”、白人を意味する“white(白)”に加えて、次の単語がよく出てきますね。

これを踏まえて、1つずつ意味を見ていきましょう。プラカードは強調の意味も込めて全て大文字で書かれていますが、少し読みづらいので小文字にして説明していきますね。

 

let our children dance

これはあまり難しくないですね、『私たちの子どもたちを踊らせろ』です。人種差別により黒人の子どもたちが出演できなくなったことに対して、直接的に「踊らせろ!」と抗議をしているのです。

 

black and white unite

blackとwhiteはそれぞれ「黒人」と「白人」を意味します。uniteは「一体になる、1つになる」という意味ですから、ここは『黒人と白人は1つに!』という意味のプラカードですね。

 

black and white is outta sight

これは少し難しいかもしれません。私も初めは「?」となりました。

まず“outta sight”ですが、これは“out of sight”を縮めた言い方で、あえてカタカナで発音を書くとしたら「アウダサイッ」のようになります。例えば“get you”を「ゲッ ユー」ではなく、「ゲッチュー」とカジュアルな形に崩して発音するのと同じです。

この“out of sight”にどういう意味があるかですが、「見えないところに」という意味でよく使われるので、私は始めはこちらの意味だと思っていました。しかしよくよく調べてみると「素晴らしい」という意味があることが分かったのです。

となると、ここは『黒人も白人も素晴らしい』という意味のプラカードだということになります。つまり、「黒人と白人に上下はない、どちらも平等で素晴らしいじゃないか」という訴えが含まれます。

 

integration now

これは分かりやすいですね。

integrationは先にも説明した通り「統合、人種差別の廃止」ですから『今こそ統合(人種差別の廃止)を!』となります。

 

 

integration not segregation

これはトレイシーが持っていたプラカードです。

これも2つの単語の意味さえ分かってしまえば難しくはありません。英文通りの語順で訳すと『統合(人種差別の廃止)を 人種差別ではなく』となります。このプラカードは“not”の所に下線が入っていますので、特に“not”の部分が強調されています。

他にも“and”の下に下線が入っているものもありますが、それも同様に強調の意味ですので時間を見つけて映像を細かく見てみて下さいね。

 

integration yes segregation no

これも先程と意味はほぼ同じです。yesは賛成、noは反対と解釈しますので『人種差別の廃止に賛成 人種差別は反対』となります。

 

TV is black and white

ここまでで6種類です。

これらのプラカードは文字通りに理解できる内容ですが、残りの2つは比喩に加えて皮肉が入っており、プラカードとしてとても印象深いものになっています。私はこのシーンでこれら2つのプラカードを見た時に、ただただ感銘を受けてしましました…まず1つ目です。

文章的には一番分かりやすいですね。直訳して『テレビは黒白だ』となります。この作品の時代はテレビがカラーでなくモノクロ(黒白)でしたから、事実、テレビは黒白です。

しかし何故、あえてプラカードにそれを書くのか?実はこれ、とてもエッジの利いた内容になっているのです。この文章には裏の意味あります。

TVは「テレビ番組」、blackwhiteはそれぞれ「黒人」と「白人」ですから「テレビ番組は黒人と白人で構成されている」というニュアンスが多分に含まれているのです。

つまり、分かりやすく訳すとすれば『テレビは黒白(モノクロ)だ!だから、出演者だって黒白(黒人と白人)のはずだろ!』となります。もの凄く皮肉めいた内容ですが、このシーンを一番的確に表現した1枚で、私はこのプラカードが本当に好きなんです。味がある上に、とても印象に残ります。

 

do the checker board

そして、最後の1枚はこれ。

これも好きですねー。checker boardとは「チェッカー盤」で、チェスボードのような盤のことを指します。チェッカーというゲームについてはwikipediaをご覧頂きたいのですが、簡単に言えばオセロのようなゲームです:チェッカー(wikipedia)

ここで気付いて頂きたいことはその色についてです。チェッカー盤(チェスボード)は何色ですか?オセロは何色ですか?

言うまでもなく「黒と白」ですよね。

このプラカードの意味は『オセロをやってみろ』というような意味になると思います。オセロとは、黒色と白色の駒がなければ成立しないゲーム。白色だけでは成立しません。つまり、それぞれの色が共存しなければプレイすることが出来ないゲームです。

それに人種的差別的意味を加えるとどうなるでしょうか?ニュアンスはこうなります。

『オセロをやってみろ!白だけじゃ成立しないだろ?黒と白が共存して初めて初めて成り立つように、我々黒人と白人だって共存するべきなんだ!』

なかなか気転の利いた、粋なプラカードですね。身近にあるものに例えて訴える。プラカードの極みです。

 

プラカードには言葉のセンスが必要

いかがでしたか?

アメリカの大統領選でトランプ大統領に決まった時、レディー・ガガがトランプ大統領の名前と同じ単語を使って次のようなプラカードを掲げました。

 

“LOVE Trumps Hate”(愛は憎しみに勝つ)
―Lady GAGA

 

これはトランプ大統領と同じ単語を使うことで、皮肉を込めたプラカードになっています。このように、プラカードというのは少ない単語だからこそ、とてもインパクトがあり、深い意味を併せ持ちますよね。

プラカードを掲げるということは、訴えを受け入れられない現実があるということですから、目にすることはとても辛く、胸が苦しいです。

しかし、そこには人間の気転の利いた言葉の数々が凝縮されています。是非ニュースなどで見る機会があれば、1つ1つのプラカードを気にしてみてみて下さいね。

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