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ミュージカル『ヘアスプレー』で注目の髪型!その名前と歴史は?

東宝ミュージカル『ヘアスプレー(Hairspray)』の公演が2020年に決まりましたね。ミュージカル好きの方は、物語のあらすじをよくご存知かと思います。しかし、何故「ヘアスプレー」というタイトルが付いているのか考えたことはありますか?

ミュージカルが舞台になった時代と当時流行した髪型を知ると、その理由が明らかになりますよ。

【ブロードウェイミュージカル“Hairspray”/“The Nicest Kids In Town”/作詞:Scott Wittman and Marc Shaiman】

何故『ヘアスプレー』というタイトルなのか

60年代にアメリカで流行った髪型「ブフォント・ヘア」

何故このようなタイトルなのか…それは、このミュージカルのアイコンとも言える「髪型」から説明できます。登場人物の女性はみな、とっても特徴的な髪型をしていますよね。日本で言う「盛(も)り」のファッションです。

ふんわり、大きく、個性的。

実はこれ、『ヘアスプレー』が舞台になっている1960年代のアメリカで流行した「ブフォント・ヘア」という髪型で、この時代を象徴しているファッションだったんです。

もとはフランス貴族の髪型だそうですが、それがアメリカの一般市民の間で流行った…という歴史を持っているようですよ。

 

もともとの起源は、18世紀頃のフランスの貴族女性たちの髪型だそうで、それが時代と海を飛び越えてアメリカで大流行したのです。
アメリカで60年代に流行ったふんわりブフォントヘアー写真集10選(ワラウクルミ)

 

ブフォント・ヘアは遺伝的に髪の量が多くなかったマリー・アントワネットが、それをカバーするために考えられた髪型が元になっていると言われているようなので、フランス貴族の髪型だったことも納得ですね。

 

The bouffant was a mainstream hairstyle in the mid-to-late 18th century in Western Europe. It was thought to be created for Marie Antoinette, as she had relatively thin hair and wanted to create the illusion of having very full hair.
Bouffant(wikipedia)

 

ブフォント・ヘアの画像は次のサイトで見ることができます。本当に、こんな人達が街中を歩いていたのか…?と驚くほどの大きさです。

 

どういう手の入れ方をしたらこのような髪型になるのか想像もつきませんが、この髪型を維持するのにヘアスプレーが大量に使われていたのは間違いなさそうですね。

 

スポンサー企業がヘアスプレー会社

こんな髪型が流行れば、ヘアスプレー会社も黙って見過ごす訳がありません。ミュージカルの中で、ヘアスプレー会社はテレビ番組のスポンサーになっていて、それが“Corny Collins Show(コーニー・コリンズ・ショー)”だったんですね。

The Nicest Kids In Town”の冒頭のコーニーの台詞も、宣伝文句が入っていると分かります。

 

Hey there, Teenage Baltimore!
Don’t change that channel!
‘Cause it’s time for the Corny
Collins Show! Brought to you by
Ultra Clutch Hairspray!
-ブロードウェイミュージカル “Hairspray” より “The Nicest Kids In Town”(作詞:Scott Wittman and Marc Shaiman)

 

「やぁ、ボルチモア・ティーンエイジャー のみんな!チャンネルを変えないで!だって、これからコーニー・コリンズ・ショーの時間だよ!Ultra Clutch Hairsprayがお送り(提供)します!」といった内容です。

つまり、このミュージカル内では、“Ultra Clutch Hairspray”というヘアスプレー商品を出している企業がスポンサーになっているということです。その証拠に、この番組に登場するリンクもアンバーもみんな、商品を使ってがっちり頭をセットしてから登場してきますよね。

ちなみに、“Ultra Clutch Hairspray”を訳すとすれば「ウルトラ・ガッチリ・ヘアスプレー」になるでしょうか(笑)。ブフォント・ヘア好きの女性たちの頼れる存在であること、間違いなしです。

時代を象徴する「ブフォント・ヘア」と、それを下支えしていた「ヘアスプレー」。そんな2つの意味が込められたタイトルだと言えますね。

コーニー・コリンズ・ショーについてはこちらの記事をご覧ください。

 

 

「ブフォント」とは?

では「ブフォント」とはどういう意味なのでしょうか?フランス貴族のファッションであっただけに、語源はフランス語のようです。

 

  • bouffant…(髪・衣服など)ふっくらした(語源/フランス語“bouffante”「ふわっとふくれた」の意)

 

髪型の作り方については次のように説明されています。

 

Hair on the top of the head was raised by backcombing or “teasing” it with a comb to create a pile of tangled, loosely knotted hair on the top and upper sides of the head. Then, unteased hair from the front of the head was lightly combed over the pile to give a smooth, sleek look, and the ends of the outer hair may be combed, cut, curled, or flipped in many distinctive ways.(中略)
Usually, hair spray or hair lacquer was applied as a finishing touch to stiffen the hairdo and hold it in place without the need for hairpins. Since the hair could not be brushed without ruining the style, women needing to make small adjustments used the long, pointed end of a “rattail” comb to gently lift the hair back into place.
Bouffant(wikipedia)

 

手順をまとめると、こうなります。

 

  1. 髪の毛を逆立たせるか、けば立たせて頭上にまとめる(小さなメッシュのクッションを入れることもある)
  2. けば立たせていない部分の髪を、前方からまとめた髪の上にかけ、軽くクシでとかす
  3. 毛先は揃えたり、切ったり、カールさせたり、ハネさせたりすることで特徴を出す
  4. 通常、ヘアピンを使わずに髪型を固める仕上げとしてヘアスプレーなどが使われる

 

ブフォント・ヘアはこんな風に作られていたんですね。これは時間がかかりそう…。

いかがでしたか?ミュージカルのタイトルが『ヘアスプレー』と付いた理由、そしてその髪型の歴史についてお分かりいただけたでしょうか?

ブフォント・ヘア、興味深いですが観劇時のヘアスタイルとしては、くれぐれも控えてくださいね(笑)。

 

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ブロードウェイ ホームページ

『ヘアスプレー(Hairspray)』曲一覧

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