劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘(The Hunchback of Notre Dame)』より「フィナーレ(Finale)」の英語歌詞を見てみると、ところどころがラテン語歌詞で歌われており意味を理解することができません…
そこでラテン語パートの意味を調べてみました!今回はエスメラルダが死に、憤慨したカジモドがフロローを突き落とす直前のシーンです。
クライマックスを彩る “Finale(フィナーレ)” ですが、調べ始めたら奥が深すぎて続きの7記事目を書くことになりました。
引き続きお読み頂いている方、お付き合い頂き有難うございます!
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目次
前回までのおさらい
さて、前回までの調べをおさらいしましょう。
「フィナーレ(Finale)」の冒頭部分は聖歌『テ・デウム』、処刑台に火が放たれてからは聖歌『リベラ・メ』と『オー・サルターリス・ホスティア』、そして『ディエス・イラエ』が引用され組み立てられた歌詞だということが分かりました。また、 “Olim(オーリム)” と全く同じ歌詞も使われていましたね。
まだ記事をご覧でないという方、もう一度読み直したいという方はこちらからご覧ください。
歌詞のおさらい
それでは本題に入りましょう。エスメラルダが死に、憤慨したカジモドがフロローを突き落とす直前のシーンです。ラテン語部分は緑色の箇所で4行あります。
Chorus:
Solvet saeculum in favilla
Teste david cum sybilla
Quantus tremor est futurus
Quando judex est venturusFrollo:
Let go of me! Quasimodo, no, don’t!Quasimodo:
I told you, master. I am very strong!
―ミュージカル “The Hunchback of Notre Dame” より “Finale” (作詞:Stephen Schwartz)
ラテン語を理解する
『ディエス・イラエ』が使われている!
『ディエス・イラエ』とは「怒りの日」のことを指します。何度か使われていますが「フィナーレ(Finale)」内の別の箇所でも使われていますね。『ディエス・イラエ』については次の記事をご覧ください。
ここで使われていたのは “Dies iræ, dies illa” の部分だけでしたが、今回はそれ以外のフレーズが『怒りの日』より使われています。
『ディエス・イラエ』の歌詞
それでは歌詞を見ていきましょう。中4行の赤字部分がそっくり引用されていることが分かりますね。
Dies iræ, dies illa
solvet sæclum in favilla:
teste David cum SibyllaQuantus tremor est futurus,
quando judex est venturus,
cuncta stricte discussurus―怒りの日/ディエス・イラエ、ディエス・イレ(wikipedia)
『ディエス・イラエ』の意味
次に、対訳を見ていきましょう。
怒りの日、その日は
ダビデとシビラの預言のとおり
世界が灰燼に帰す日です。審判者があらわれて
すべてが厳しく裁かれるとき
その恐ろしさはどれほどでしょうか。―怒りの日/ディエス・イラエ、ディエス・イレ(wikipedia)
最後の審判の様子を明確に表現している歌詞だと分かります。
ラテン語パートの意味は?
いかがでしたか?何だかこの文、フロローの最期にピッタリ来ますよね…。
「世界が灰燼に帰す日」は、カジモドによって大聖堂前の広場が火の海となった様子と重なります。また、「審判者」はカジモドで、彼によって全てが厳しく裁かれフロローは奈落の底へと落ちていきます。
少し考え過ぎと思われるかもしれませんが、あながち間違ってはいないんですよ?というのも、フロローが死ぬ直前に残した、最期の言葉から「神によって裁かれた様子」が非常によく分かる内容となっているんです。
「フィナーレ(Finale)」のラテン語パートの解説、①~⑦の全てをお読み頂いた方、本当に有難うございました!是非次の記事も併せてご覧いただき、フロローの最期と向き合って下さいね。
「フィナーレ(Finale)」の、他の記事はこちらから。
それでは皆さん、良い観劇ライフを…
以上、あきかん(@performingart2)でした!
こんにちは!
ミュージカル考察ブロガー、あきかん(@performingart2)です。